マスクの効用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:56 UTC 版)
2021年8月13日にハーバード大学医学部は、大気汚染への暴露を避けることは定期的な運動などと同じくらい健康を維持することに大事だと主張した。このため、空気質指数が不健康なゾーンにあるときは、外出するときはN95などのマスクを着用する必要もある。 風邪ウイルスやインフルエンザウイルスは、ウイルス単体での空気感染では感染はしない。体液に含まれたウイルスによる飛沫感染や接触感染によって広がるものである。ただし、間違ったマスクの使用は、かえって感染を拡大させる。このため、手指消毒剤をマスク着用ルーチンの一部にする必要がある。マスクを着用、調整、取り除く前に手指消毒剤を使う必要がある。屋外での感染の可能性ははるかに低く、ほとんどの屋外環境ではマスクは必要ない。 WHOインフルエンザ・パンデミック時のガイドライン マスクを着用する場合は、誤った使用による感染拡大を防ぐために、正しい使用法と廃棄が不可欠である。 すきまなく口と鼻を覆う。 使用中はマスクに触れてはならない。マスクを取り外すときなど、使用済みマスクに触れたならば、石鹸で手を洗うかアルコール消毒する。 マスクが湿った場合は、直ちに新しい清浄なマスクと交換する。 使い捨てマスクは再使用しない、使用後はすぐ処分する。 医療用マスク以外による防護(たとえば布マスク、スカーフ、紙マスクなど)については、有効性についての情報は不十分(insufficient )である。それらの材料を用いる場合、使用するたびに家庭用洗剤で徹底的に洗浄すべきである。マスクを外した後の手は直ちに洗うべきである。 マスクの着用、調整、取り外しの前に手指消毒剤を使用する必要がある。 マスクはどれも同じというわけではない。高品質のKN95、KF94、N95マスクは、最もフィット感があり、ろ過性能も優れている。 また、サージカルマスクも小さなウイルスの粒子を防ぐのに有効である。非エアロゾル環境下においては、サージカルマスクはウイルス感染を防ぐのにN95マスクと比べて劣ってはいないと米国ガイドラインでは述べており、実験室においてマスクの保護効果を比較したメタアナリシスでは増加差は確認できなかった。エアロゾル環境が発生する手技(たとえば気管挿管など)を行う際には、引き続きN95マスクが推奨される。サージカルマスクの上に布製のマスクを装着すると、よりフィット感が高まります。また、「ノット&タックマスク」と呼ばれる方法で、サージカルマスクのフィット感を調整することもできる。サージカルマスクのノット&タックマスクは、3枚重ねのフェイスマスクの耳のループをマスクの縁と接合する部分で結び、不要な素材を折って縁の下に収納する。 アメリカ疾病予防管理センターによると、マスクが顔にぴったりとフィットし、層のあることを確認する必要がある。このため、あごひげを剃る必要がある。つまり、マスクの端に隙間がなく、鼻と口を完全に覆い、顔の側面に隙間なくフィットしている必要がある。サージカルマスクの上に多層布製マスクを着用するか、しっかりと装着されたサージカルマスクを着用すると、マスク着用者と他の人の両方の保護レベルが大幅に向上する。要するに、2層以上の洗える、通気性のある布で作られたフィット感のあるマスクを着用すること。しかし、デザイン上2つの使い捨てマスクを組み合わせても意味がない。 一般用のマスクの着用は、ウイルス吸入量を減少させる効果より、自分からのウイルス拡散を防ぐ効果がより高い。研究によれば、50cm離れた状態で自分と相手の双方がマスクを着用することでウイルスの吸い込みが不織布のマスクで75%、布のマスクで70%抑える。N95マスク、サージカルマスク、不織布マスク、布マスク、ウレタンマスクの順に効果が下がる。このため、一重の布製マスクは避けるべきである。内閣官房は、食事中の会話の際にマスクの着用を推奨している。 屋外での感染の可能性はかなり低く、ほとんどの場合、人と人との距離が2メートル以上保たれていれば、屋外環境ではマスクは必要ない。マスクは快適な呼吸能力を低下させる可能性があるため、運動中はマスクを着用しないこと。汗をかくとマスクが早く濡れて呼吸が困難になり、微生物の増殖が促進される。運動中の重要な予防策は、他の人から少なくとも2メートルの物理的距離を維持することである。 マスクは着用者の空中浮遊菌やウイルスの粒子の吸入を完全に防ぐことは出来ず、吸入防止用のレスピレーターほどは効果が無いが、関西医科大学やユニチャームの研究グループが行った検証により、マスクの有無でインフルエンザの発症率に優位な差が確認されるなど、一定の予防効果を発揮する。 マスクを二重にして着用する二重マスクも国内外で見られる。スーパーコンピューター、富岳のシミュレーションでは、二重マスクによる飛沫拡散の防止効果は限定的であり、正確に着用することがより大切であるとされている。コロナ禍のために、ますます多くの人々が二重マスクを着用している。 ハーバード大学医学部によると、これは非常に合理的で有用なコロナ対策である。米国疾病管理予防センターによると、二重マスクはマスク着用者と他の人の両方の保護レベルを大幅に改善した。米国疾病管理予防センターはサージカルマスクの上にぴったりとした布製マスクを着用することを勧めた。しかし、2つの使い捨てマスクを組み合わせても意味がない。 その他、サージカルマスクを結び、押し込み、3層フェイスマスクのイヤーループをマスクの端に合わせて結び、不要な素材を折り曲げて端の下に押し込むという「ノット&タックマスク」と呼ばれる方法を使用してサージカルマスクを調整してぴったりとフィットさせることも、より優れた保護を提供できる。 米国疾病管理予防センターの研究室での研究では、二重マスクまたは「ノット&タックマスク」は、マスキングなしと比較して、エアロゾルの透過と曝露の両方を約95%削減した。この二重マスクはマスクの隙間を無くすためのもので、このほかにも、マスピタという商品を使うことで隙間を無くすことだ出来る
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