ブリトン人移住
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 14:43 UTC 版)
5世紀の終わり、ローマ化したブリトン人たちがアルモリカに移住を始めた。移住の背景についての歴史は不明であるが、中世のブルトン人とウェールズ人の源は、コナン・メリアドック(en、伝説的なブリトン人の首領。ブルターニュ建国者)として知られる人物像とつながる。ウェールズ語文学の情報源では、コナンがアルモリカにローマの略奪者マグヌス・マクシムス(Magnus Maximus)と一緒にやってきたと主張する。マグヌス・マクシムスは自らの主張に強制的に従わせるためガリアに配下のブリトン人軍を送り、軍をアルモリカに定住させたというのである。この物語の真実とは関係なく、ケルト系のブリトン人定住地はおそらく、5世紀にアングロ・サクソン人のブリテン侵攻が行われたことで増加したのだろう。レオン・フルーリオのような学者たちはブリテンからの移住は2つの波があったと推測している。独立したブルトン人の出現を見、アルモリカにブリソン語系ブルトン語の優位性を確立させたことである。時が経つにつれアルモリカではブリトン人植民地が拡大し、中小の王国群ができあがった。これらの王国群は840年代に、フランク族支配に抵抗したノミノエ(en)のもとで統一された。移住したブリトン人たちの間から、特に農村地域で異教崇拝が残るブルターニュで福音伝道を助ける、聖職者たちが現れた。
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ブリトン人移住
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 14:42 UTC 版)
5世紀から7世紀にかけての、記録が乏しい時代に、ブリテン島のブリトン人たちがアルモリカの半島へ移住した。彼らはアルモリカに既にあったノルマン人(Normand)たちの領地全体、特にコタンタン半島、現在のカルヴァドス県(特にカーン周囲)に移住していたことが、レオン・フルリオ教授(fr)の研究で確認されている。後にノルマンディーとなる地と、ブリテン島とのつながりはかくも密接であった。 遠く離れた東ローマ帝国のプロコピオスでされ、島嶼部から本土への移住の話を耳にしている。彼がブリッティア(en、死者の魂が運ばれる西の果ての島)であるとした場所は大部分が想像上である。 ノルマンディーは特にブルトン聖人の名残が豊かである。現在もイギリス沿岸と向かい合うノルマンディーの沿岸を、5世紀から6世紀にかけて移住者たちが組織的に避けていたとは考えにくい。アイルランド出身の聖パトリキウスは、ノルマンディーの6箇所以上の教区にその名を残している。聖メン(fr)は3箇所の教区に名を残す。かつてエクザンプション(exemption)であった、サント=メール=エグリーズ(マンシュ県のコミューン)はバイユー司教区に属する5箇所の教区の1つの飛び地で、旧サン・ムウェン修道院(Saint Mewen、現代ブルトン語ではMéen、コーンウォール語ではMewan)の名残である。聖アンナ(Saint Anne)、聖アルメル(Saint Armel)、聖オーバン(Saint Aubin)、そして聖メン、聖サンソン(Saint Samson)はノルマンディーの多くの地で称えられている名である。ノルマンディーではブルトン聖人崇拝にちなむ地名の数が突出して多い。例えば、聖マクルー(Saint Maclou)はラテン語化するとマクトゥス(Macutus)となり、これは聖マロに他ならない。 ブルトン語の言語学的起源は明白である。島嶼ケルト語の1つであるコーンウォール語やウェールズ語と同様、ケルト語系の古ブリトン語(en)から進化したブリソン諸語である。この言語は移住したブリトン人によってもたらされた。それでも、ブリテン島のケルト文化とケルト系のブルトン語の関係の謎は、解決からほど遠い。 C・E・V・ニクソンによれば、ローマ帝国の弱体化は、侵入した西ゴート族による略奪が、帝国の他地域を人々が見捨てたことで拍車がかかり、さらには土地を捨てた農民、奴隷、抑圧された者たちを惹きつける磁石のような存在にアルモリカがなっていったことが原因であるという。 9世紀から10世紀初頭、ヴァイキングまたはノース人がコタンタン半島やルーアン周辺のセーヌ川下流域に移住したとき、これらの地域はノルマンディーとして知られるようになり、アルモリカの名は使用されなくなった。アルモリカ西部は既にブルターニュへと進化していた。東部はフランク族の観点からフランク族の侯が治めるマルシュ・ド・ブルターニュ(fr:Marche de Bretagne、ヴァンヌからブロワまでの地域につくられた緩衝地帯)に再編された。
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