ヒト以外の生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 14:23 UTC 版)
「インセスト・タブー」の記事における「ヒト以外の生物」の解説
犬、猫、熱帯魚などペットを人間にとって優れた性質を顕在化させる目的で近親交配で繁殖させることがある。だが、日本では商魂のたくましさから近親交配の多用によって障害を持った犬の個体が増えて社会問題にもなっている。多くの植物は雄しべと雌しべの成熟のタイミングが異なることで自家受粉を避ける。ライオン、チンパンジー、その他多くの集団棲の動物ではオスかメスのどちらかが群れを離れ、他の群れに合流する。 サルの研究では、まず1950年代に徳田喜三郎が京都動物園のアカギザル・カニクイザルの間では母息子間の性行為がないことを指摘。その後、サル学者の高畑由紀夫は、ニホンザルの群れの交尾2000例あまりのうち、一親等にあたる個体間の交尾例はゼロ、二親等で5例、三親等でもわずか7例に過ぎなかったことを報告している。ただし、サルの群れは若く立場が弱いオスが年長の権力的なオスに追い出されたりもする社会であるために父親が認知しにくく、この観察結果は母系の血縁のみを反映していることに注意が必要である。ゴリラが幼いころから一緒に育ったゴリラとは決して交尾しないことは有名であり、その他多くの哺乳類も野生下では繁殖に際して近親交配を避ける行動をとる。ハダカデバネズミ、テッポウエビのように近親交配を重ねる生物も知られているが、極めて少数であり、独特の生態を発達させている。 一方で、遺伝学者パトリック・ベイトソンが鳥類で示したように、多くの動物は近親個体とあまりにかけ離れすぎていない個体をつがい相手として好む。ベイトソンは日本のウズラを用いた実験で、一緒に育てられたきょうだいだけではなく血縁が全くない個体も交配相手として避けられ、いとこが交配相手に選ばれる確率が高いことを発見した。この場合の究極要因はかけ離れすぎた相手との配偶が異系交配のリスクを高めるためだと推測されている。また、生殖に関係ない範囲においてはボノボやチンパンジーで性的に未熟な息子と母親の交尾が観察されることもある。動物がどのようにして近親者を認知しているかについて明らかになっていることは少ないが、幼年時に共に育った個体や親を近親者と認識することをウェスターマーク効果と呼び、ヒトも含めたいくつかの哺乳類で同様の効果が知られている。 どちらにせよヒト以外の生物には、言語がないことと、破った場合の制裁が観察されていないことから、制度としてのタブーを観察することができないこともあり、インセスト・タブーとしてではなくインセスト・アボイダンス(近交回避、インセスト・アヴォイダンス)と称される。
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ヒト以外の生物
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「ノカルジア症 (ヒト)」の記事における「ヒト以外の生物」の解説
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