N-グライコリルノイラミン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 21:26 UTC 版)
「シアル酸」の記事における「N-グライコリルノイラミン酸」の解説
CMP-Neu5Acのアセトアミド基に酸素原子を1つ付加する酵素であるCMP-Neu5Ac hydroxylase(CMAH)が作用することでCMP-Neu5Gcが合成される。ヒトの糖鎖にはNeu5Gcは遺伝子レベルで存在しないことがわかっている。250 - 300万年前にCMAHの遺伝子のエキソンが消え、フレームシフトしているためである。これはヒト以外の生物ではNeu5Gcが病原体の感染に関わっていることが多く、様々な哺乳類を家畜化する際に家畜と同じ病原体には感染しにくくなるためという説が支持されている。 免疫にも関わっており、ブタなどの生物から臓器を移植した場合はNeu5Gcが含まれる糖鎖に対し抗体を生産し、攻撃を始める。これが異種間臓器移植の最大の障壁になるとも言われている。Neu5Gc自体は毒ではなく大量に経口摂取した場合はほとんどが吸収されずに体外に排出される。
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