ハドロンの弦理論とは? わかりやすく解説

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ハドロンの弦理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:23 UTC 版)

弦理論」の記事における「ハドロンの弦理論」の解説

レッジェ理論 1950年代から1960年代渡って強い相互作用をするかつてなく高いスピン粒子多く発見された。そして、それらはすべて基本粒子ではないことが明らかになった。坂田昌一らは、それらの粒子複合粒子として理解するモデル提唱した坂田模型)。坂田模型は、1960年代になってマレー・ゲルマンおよびジョージ・ツワイクによるクォーク模型へと発展し実験との矛盾解消された。クォーク模型は、複合粒子構成する基本粒子チャージ分数にすること、およびそれらの基本粒子はまだ観測されていない粒子であると考えることによって完成した坂田模型は、すでに観測されていた陽子中性子およびラムダ粒子基本粒子考えていた)。一方、ジェフリー・チューのアプローチ分数チャージ導入せず、仮説上の点様の基本粒子ではなく実験的に計測可能なS-行列要素にのみ焦点当ており、坂田模型クォーク模型よりも主流みなされていた。チューは、ハドロンには基本粒子はなく、お互いその他のハドロン粒子構成しあっていると考えていた(ブートストラップ模型)。 1958年イタリアの若い理論家トゥーリオ・レッジェは、ハドロン散乱実験において、共鳴状態静止質量2乗スピン角運動量との間に直線関係があることを見出した直線レッジェ軌道)。そして、量子力学における束縛状態はこの角運動量のレッジェ軌道によって分類できることを発見した。この考えはMandelstam、Vladimir Gribov (en) およびMarcel Froissart (en) による相対論的量子力学として一般化された。このとき使用され数学的方法は、アルノルト・ゾンマーフェルトおよびKenneth Watson (en) によって十年前発見されていた。 ジェフリー・チューおよびSteven Frautschi (en) は中間子直線状のレッジェ軌道作ることを認識したレッジェ理論によれば直線状のレッジェ軌道を持つこれらの粒子散乱大きな角度指数関数的に急速に落ち込むというとても奇妙な振る舞いすることが示唆された。そして、散乱振幅レッジェ理論要請により漸近的な形を取るような複合粒子理論構築することが望まれた。大きな角度においてその相互作用の力は急速に落ち込むので、その散乱理論いくぶん全体論的 (holistic) でなければならない推測された。粒子が点様でない場合散乱は、高エネルギー大きな角度偏差を導く。 双対共鳴模型 この種の最初理論である双対共鳴模型は、ガブリエーレ・ヴェネツィアーノによって構築された。1968年にヴェネツィアーノが発表したこの共鳴モデルは、レッジェ軌道説明する公式を「散乱振幅」として表現した(ヴェネツィアーノ振幅)。それにはsチャンネルとtチャンネルという二通り記述が可能であった。しかし、その双対性物理的な意味不明であった。 ヴェネツィアーノは、オイラーベータ関数をレッジェ軌道上粒子について4粒子散乱振幅データ記述するために使うことができるであろうと記した。ヴェネチアーノ散乱振幅木庭二郎およびホルガー・ベック・ニールセンによってすぐにN粒子散乱振幅一般化された。これは現在、Miguel Virasoro (en) およびJoel A. Shapiro (en) によって閉じた弦として認識されているものに当たる。強い相互作用双対共鳴模型1968年から1974年までは主要な研究テーマであった弦理論 1970年南部、サスキンド、ニールセンによって独立発表されたハドロンの弦理論は、このsチャンネルとtチャンネル双対性説明可能なモデルとして登場した。彼らは、核力表現したオイラー形式モデル振動する一次元の弦とする物理的解釈提示した。この理論では、長さ10-15mオーダー一次元の弦が回転振動しており、モードエネルギー異なる弦の運動が、それぞれ異なハドロン粒子として観察されるまた、上記のsチャンネルとtチャンネルトポロジー的に同一のものと見なす事ができる。 南部ブルーバックスにおいて、一般にわかりやすい説明行っている。1964年ゲルマンツワイクによって提唱されクォーク概要説明を以下に示す。 点としての粒子ではなく、弦(ひも)の端部相当するとみなす。 ハドロンは3個(バリオン)または2個(メソン)のクォークから構成されていると考えられているが、ハドロンから単体クォーク分離する事はできないクォークの閉じ込め)。これは、弦理論によってこれを定性的説明可能である。 仮に弦(ひも)を切断する事ができたにせよ、「弦(ひも)の先端」を単独取り出す事は不可能であり、切断された弦(ひも)にはいつまで端部存在する1974年ジョン・シュワルツおよびJoel Scherk (en) 、そして独立米谷民明は、弦振動ボース粒子の様な振る舞い研究し、それらの性質厳密に重力仮説上の重力の"メッセンジャー"粒子である重力子)の性質合致することを発見した物理学者たちはこの弦理論発展余地過小評価していたため、シュワルツおよびScherkは弦理論流行するのに失敗した議論していた。この議論結果ボソン弦理論弦理論として最初に多く生徒教えられることとなり、後の発展つながった

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