ネットでの反響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 02:49 UTC 版)
「川崎市中1男子生徒殺害事件」の記事における「ネットでの反響」の解説
上述のように日本では少年犯罪は原則的に匿名報道となるため、インターネットが普及してからはネットユーザーが「犯人探し」を行うようになり、事件と無関係の人物が犯人またはその仲間として扱われ、個人情報が電子掲示板やSNSなどに書き込まれる問題がたびたび起きており、今回の事件でも発生後から複数の事件と無関係の人物が真偽不明のまま「これが犯人らしき人物の写真。拡散希望」などと名指しされ、顔写真や氏名・住所・家族構成が拡散される事態となった。ある中学生(当時)の少年はニコニコ生放送の配信において被害者の通夜会場やXの自宅に行き、Xの氏名などの個人情報を口頭で伝えたりXの家族が帰宅するシーンを撮影したりしている。犯人の仲間扱いされた者の中には、脅迫や誹謗中傷を受け、外出、特に人混みに恐怖を感じるようになった者もいる。真偽不明のまま書き込まれているこれらの投稿は名誉毀損罪や脅迫罪にあたる可能性があるとされる。「ツイッターのリツイート(共有)機能を使えば指先1つで簡単に内容を転載できるが、投稿内容が訴訟で名誉毀損と判断された場合、コピーして投稿しただけでも書き込みと同様に扱われることが判例で示されている」と弁護士の久保健一郎は語っている。 前述のように週刊新潮がXの実名と顔写真を報じたことに対してはインターネット上で、「『週刊新潮』よくやった!!」「それだけのことをしたんだからもう仕方ない」「再発予防と抑止力につながる」といった賛成の声が多く上がっている一方、「ただの集団リンチじゃないのか?」「刑が確定するまで、犯罪者ではない(無罪推定の原則)」「世論を代表する制裁者を気取っているのか」といった疑問の声も上がっている。Xを匿名で報じたライバル誌の週刊文春も、「18歳主犯Xは懲役5年? 時代遅れの少年法を改正せよ」とタイトルを打って10ページにもわたって事件を特集し、「ネット上では実名などが氾濫している」として、少年法はネットの規制には触れておらず、時代に即した法改正をすべきだとの識者コメントを紹介した上で、先進国でも少年を20歳で区分しているのは日本ぐらいで、18歳に引き下げるのは妥当だとの専門家の見方も伝えている。 また、Xの更生は望めないとして、ネットユーザーの間でXの死刑を望み、署名で賛同を集めようとする声があり、3月7日時点で2000を超える署名を集めた。しかし、少年の更生や反省を反映していないとして提案に反対する声もある。
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