デジタル一眼レフカメラの時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:47 UTC 版)
「一眼レフカメラ」の記事における「デジタル一眼レフカメラの時代」の解説
デジタルカメラの時代になってからは、これまで培ってきた一眼レフカメラ開発のノウハウとイメージセンサーや画像処理技術などデジタル技術の融合が行われデジタル一眼レフカメラ(英: Digital single-lens reflex camera 、digital SLR 、DSLR)が開発された。これにより、老舗カメラメーカーが電子機器大手に買収されたり、独自のイメージセンサー技術を持つメーカーがクローズアップされるなど、戦国時代の様相を呈してきた。 そのなかで、オリンパスとコダックがデジタル一眼レフカメラの統一規格フォーサーズシステムを策定・公開し、賛同会社の一つパナソニックがオリンパスと共同開発を行なって新たに参入したがその後撤退、オリンパスのみが残ったが、その後同社もミラーレス一眼カメラへの統合を表明し、両社とも小型軽量化を特徴のひとつとする、マイクロフォーサーズシステムに開発をシフトすることで事実上撤退した。2005年、ソニーは、コニカミノルタとαマウントを採用したデジタル一眼レフをコニカミノルタと共同開発するとの発表を行なったが、2006年1月にコニカミノルタはデジタル一眼レフカメラ事業から撤退、ソニーがαマウントを引き継いだ。さらに韓国サムスン電子グループのサムスンテックウィンがペンタックスとデジタル一眼レフカメラを共同開発、部品の共通調達によるコスト削減が目的であったがその後サムスンは一眼レフからは撤退、ペンタックスはHOYAとの合併統合、リコーの子会社化という経緯を辿りながら、Kマウントと中判645マウントのデジタル一眼レフカメラの多マウント展開を継続している。 またカメラのデジタル化によって、これまでにない新たな機能が一眼レフカメラにも組み込まれることとなる。手ぶれによる映像の乱れを軽減させる手ぶれ補正機能は、一部の交換レンズに組み込まれる方式だけでなく、カメラ本体のイメージセンサーを手ぶれに応じて移動させ取り付けるレンズすべてを対応させる方式などフィルムカメラではできなかった技術が登場し、各社で方式は違うがデジタル一眼レフの一機能として定着している。一眼レフカメラは途中に反射鏡を組み込む構造上、コンパクトデジタルカメラのように背面の液晶モニターを使ったフルタイムライブビュー撮影は不可能とされてきたが、2004年にオリンパスから発売されたオリンパス E-330がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラとして初めてフルタイムライブビュー機能を実現し、以後各メーカーがフルタイムライブビュー機能や一部の機種にバリアングル液晶を搭載するようになる。さらに2008年9月にはニコンがデジタル一眼レフカメラとして初めて動画撮影に対応したD90を発表。その後各メーカーが対応機種を発売しデジタル一眼レフカメラの一機能として定着している。 2008年以降、一眼レフカメラとは異なり光学ファインダーを廃してライブビューのみで撮影を行うレンズ交換式デジタルカメラの新形式が登場し、その後各社からも様々な規格の機種が発売された。 詳細は「ミラーレス一眼カメラ」を参照 そして一時は戦国時代の様相を呈したものの淘汰が進み、後発メーカーの主力製品はこのミラーレス一眼カメラへと移行、現在、デジタル一眼レフカメラはフィルム時代から続くメーカーの製品のみが残っている。具体的には、ニコン、キヤノン、リコーイメージング、シグマ、フェーズワン・ジャパン、ライカ、ハッセルブラッド、ローライの8社となる(2015年12月現在)。 デジタル一眼レフとミラーレス一眼カメラとでは、どちらもレンズ交換が可能であるという共通点があるものの、ファインダー部の有無や構造などをはじめ仕組みでは異なる部分も多い。デジタル一眼レフが勝る点としては、光学ファインダーによるクリアーな視野、位相差方式による高速で動体追従性の高いオートフォーカス、比較的豊富なレンズラインアップ、等があげられるのに対し、ミラーレス一眼カメラでは小型軽量性やデザイン自由度、撮影結果を見ながら撮影可能な電子ビューファインダー、機械部品が少ないことによるコスト面でのメリット等がある。なお、両システムを展開しているメーカーであってもレンズマウントはそれぞれ異なるのが一般的である。
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