チミジン
分子式: | C10H14N2O5 |
その他の名称: | チミン-2-デソキシリボシド、Thymidine、Thymine-2-desoxyriboside、1-(2-Deoxy-β-D-ribofuranosyl)-5-methyluracil、デオキシチミジン、チミンデオキシリボシド、Deoxythymidine、DThyd、Thyminedeoxyriboside、dT、5-メチルデオキシウリジン、5-Methyldeoxyuridine、1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)チミン(チミジン)、D-チミジン、D-Thymidine、5-Methyl-2'-deoxyuridine、2'-デオキシチミジン、2'-Deoxythymidine、1-(2-Deoxy-β-D-ribofuranosyl)thymine(Thymidine) |
体系名: | 5-メチル-2'-デオキシウリジン、1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-5-メチルウラシル、チミジン |
チミジン
チミジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/16 07:10 UTC 版)
チミジン | |
---|---|
一般情報 | |
IUPAC名 | チミジン |
別名 | dT |
分子式 | C10H14N2O5 |
分子量 | 242.229 |
形状 | |
CAS登録番号 | 50-89-5 |
SMILES | CC1=CN(C(=O)NC1=O)C2CC(C(O2)CO)O |
性質 |
チミジン (Thymidine)[1]はピリミジンデオキシヌクレオシドのひとつである。チミジンはDNAヌクレオシド(記号 dT[2] ), でありDNAの二重鎖ではデオキシアデノシン(dA)と対を形成する。細胞生物学的には細胞周期のG1期/S期初期に同期するために使用される。
構造および性質
チミジンはデオキシリボース (五炭糖の一種) がピリミジン塩基のチミンに接続した構造である。
チミジンはモノ、ジ、トリリン酸化されて、対応するdTMP, dTDP そしてdTTPを生成する。.
固体の形状では白い微細な結晶か結晶性の粉末であり、分子量は242.299、融点は185℃。常温常圧環境下ではチミジンはとても安定である。
チミジンの毒性は知られておらず、生体やDNAウイルスなど天然に存在するDNAの4つのヌクレオシドの1つである。RNAには、チミジンの代わりにウリジン(ウラシルがリボースに接続したもの) が含まれる。ウラシルの化学的性質はチミン、すなわち5-メチルウラシルと非常に似通っている。チミンヌクレオチドは、RNA前駆体ではなく、DNA前駆体であるため、前置辞のdがつけられることがある[3]。
チミジンアナログ
チミジンアナログを以下に示す
- ヨードデオキシウリジン :放射線増感剤、イオン化放射線を照射したときにDNAのうけるダメージ量を増加させる。
- アジドチミジン (AZT) : 抗HIV治療薬。レトロウイルスのRNAが宿主DNAに組み込まれる際の逆転写プロセスを阻害する。
- トリチウム化チミジン:細胞増殖アッセイに広く使用されている。チミジンは細胞分裂時に取り込まれ、取り込み量は液体シンチレータにより測定され、カウントは細胞増殖量に比例する。
- ブロモデオキシウリジン (BrdU):生体組織での細胞増殖の検出に使用される。優れた抗BrdU抗体が利用できるようになったため、免疫組織化学染色によって検出可能である。トリチウムのような放射性同位元素による標識が不要となり、広く普及した。
註
- ^ デオキシリボシルチミン(deoxyribosylthymine)やチミンデオキシリボシド(thymine deoxyriboside)と命名されることもある。
- ^ Abbreviations and Symbols for Nucleic Acids, Polynucleotides and their Constituents N-1.1
- ^ "deoxy"は酸素基を取ったという意味で、デオキシリボースを意味するdとは意味が異なる。しかし、"deoxy"と"d"はよく取り違えられ、チミジンとデオキシチミジンは同一物を意味することが多い。
「チミジン」の例文・使い方・用例・文例
チミジンと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- チミジンのページへのリンク