タイ族における名前とは? わかりやすく解説

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タイ族における名前

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 14:28 UTC 版)

タイの人名」の記事における「タイ族における名前」の解説

タイ人名字を使うことは近代にはいるまでなかった。一方で名であるが、伝統的に仏教同時にアニミズム信仰していたタイ人は、生まれたときに動物の名前(たとえば牛など)を付けることで災厄逃れることが出来ると考えていた。サンスクリット=パーリ語未だ浸透していない時にはタイ語外来語ではない単語)を使う道しかなかったため、名の多く単音節で付けられた。後に動物だけでなく動物以外の単音節の単語使われるようになった王族・貴族においては前述平民同様の方式で名が付けられたが、仕官するバンダーサック呼ばれる官位と、ラーチャティンナナーム呼ばれる王によって与えられた名前が通用名として利用され本名はあくまで幼名あだ名として使われるとどまった。たとえば山田長政タイ官吏となった日本人ではあるが、官吏となったためオークヤーバンダーサック)・セナーピムック(ラーチャティンナナーム)という名前が使われタイ記録には山田長政表記はない。ところで、貴族のこの名前は昇進などで新たに名前が変えられることが多かったから、非常に流動的であった近代チャクリー王朝初期においては貴族・ブンナーク家などで家系を示す名前(ブンナーク)が名の後ろ冠されることもあり、また代々国主勤めているような家系ではそのムアン(国)の名前の前に「ナ」をつけて(たとえば、ソンクラー国主場合ナ・ソンクラーの様にして)家系を示す様な名字的なものがあった。後にラーマ6世によって1913年名字法が出されると、平民官僚差別なく名字を持つことが定められた。この時、名字持っていなかったタイ人どのような名字作るかで混乱きたした。これに対しラーマ6世(ワチラーウット)は自らサンプル作り官僚配布したり、官僚らが自分作成した名字積極的に承認するなどし名字導入積極的に奨励した一方で地方でも有力者サンプル作成しアイディア浮かばないものに配布した多くサンスクリット・パーリ語多用された(むろん純タイ語使われた)。これにより、タイ国民はすべて名字を持つようになった。この時に生まれた風潮は、他人と同じ名字にするのを避けということである。このためタイでは同じ姓を持つ他の家系は非常に珍しいと言われる。なお姓であるが他人を呼ぶときに姓を使うことはタイではまず持っておらず、普通は公式な場所では名、カジュアルな場面であだ名使われ、姓の役割個人特定というところにある一方で名にも変化があった。前述したように一音節の名が名字発布後にも伝統的に使われていたが、義務教育普及や姓とのバランスなどから、都会では名前に関してサンスクリット・パーリ語新たに名前を付けるときに積極的に使われるようになった一方で音節の名は特定のグループ内では非常に使いやすいので、あだ名として新たに位置づけられた。そのため、このあだ名は(本名単音節である場合除きタイ人であれば誰でも持っているのである。英語からの外来語多くなった現在では、外来語の名は避けられる傾向にあるものの、あだなとしては単音節の単語がよく使われ例として、ケーキアイスゴルフなどの語がよくあだ名として使われる1962年以降名字法や名称に関連したすべての法律廃止して仏暦2505年個人名法が成立した。名の付けるときは国王の名前と類似したもの下賜されたことのないラーチャティンナナーム、意味のない単語10音節以上を持つ語などを用いる以外、自由に名前を付けることが許されている。姓に関しては、以前結婚により夫の姓を名乗ることが義務付けられていたが、2004年タイ憲法裁判所から「夫の姓を名乗るとする条項違憲である」違憲判決なされたその後2005年個人名法の12条が改正され結婚した組の姓について男性の姓を名乗る」、「女性の姓を名乗る」、「新たに名字作成する」、「それぞれ自らの姓を名乗る夫婦別姓)」の方法認められている。

※この「タイ族における名前」の解説は、「タイの人名」の解説の一部です。
「タイ族における名前」を含む「タイの人名」の記事については、「タイの人名」の概要を参照ください。

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