シリウス戦役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:18 UTC 版)
地球統一政府主導の宇宙開発で、西暦2391年に超光速航行の実現、2404年恒星間移民政策の開始など宇宙フロンティアの開発が進み、空前の繁栄を謳歌した。しかし西暦2580年頃から人類生存圏の拡大が急速に鈍化し、2630年には完全停滞に陥る。宇宙での新規惑星開発事業が技術と距離の壁により限界により活力が失われる中で、地球政府の官僚機構及び軍部の肥大化に伴い、各植民星からの搾取は過酷を極め、地球と植民星間の経済的な不公平が大きく顕在化した。地球は資本主義の名の元に搾取した富を使用して軍事力を強化し続け、植民星は己を虐げる兵士達を強引に養わされ続けた。植民星側は地球軍の縮小や地球資本の内政干渉の禁止、植民星側の自治の確立などを地球政府と汎人類評議会に求めていたが、あくまでも自分達の既得権益を守ろうとする地球側はこれに応じず、汎人類評議会の議席七割を地球から選出させる事で植民星側の意見を黙殺。更に貧困の原因を植民星人の能力欠如に帰するとして、その責任を押し付けたため、植民星人の地球に対する憎悪が高まっていた。 しかし、徐々に植民星側が結束して要求を突きつけるようになったため、地球政府は謀略で植民星の不満を押さえつけようと画策。反地球派の代表的存在であるシリウス政府を公敵に仕立て上げ、シリウスこそが地球にとって代わり人類を支配せんと企んでいると宣撫工作を始めた(シリウスの軍事力と野心を声高に触れ回る事で、シリウスを恐れた植民星が地球にすり寄る事を期待し、同時にシリウスを地球にとって制御可能な公敵として仕立て上げる事を企図したとされる)。ところがこれが裏目に出て、地球に対する反感のあまりに植民星側の多くは「地球の専横に対する希望」として次々とシリウスに急接近し、地球にとって事態は急速に悪化する。 この事態に窮した地球政府は反地球陣営盟主の地位を手にし始めていたシリウスに対して軍事力による懲罰を加える事で一気に幕引きを図り、西暦2689年にシリウスが植民惑星の警備隊を集めて合同訓練の際に重火器の供与を約束した事を口実に先制攻撃を行った。植民星連合軍は反撃できぬままに大敗し、シリウス主星であるシリウス星系主星第6惑星ロンドリーナを制圧、ラグラン市事件を含む徹底した掃滅と略奪を行った。だが、その中から、後に「ラグラン・グループ」と呼ばれる4人が脱出に成功、2691年2月28日、プロキシマ系第5惑星プロセルピナで一堂に会した彼らによって反地球惑星の市民啓蒙や低開発惑星の飛躍的な経済発展に成功、同時に地球軍に対抗可能な軍事組織「ブラック・フラッグ・フォース(BFF)」が結成された。以後、数々の戦闘に勝利し、2703年、地球の孤立化に成功。反地球連合軍は2704年、地球の地表全域に対して無差別の全面攻撃(事実上の大量殺戮)を敢行し勝利した。
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