シリオTT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 10:13 UTC 版)
「シリオ (路面電車車両)」の記事における「シリオTT」の解説
2010年、アンサルドブレーダはイタリアの私鉄であるジェノヴァ・カゼッラ鉄道(イタリア語版)から超低床電車の発注を獲得した。それまで製造されていた「シリオ」は路面電車規格に沿った設計を用いたのに対し、同鉄道は規格が異なる普通鉄道である事から、アンサルドブレーダは両者の規格に適したトラムトレイン用車両としてシリオTT(Sirio TT)を開発した。 編成は両運転台の7車体連接車、設計最高速度は100 km/hを想定しており、車体設計においては従来のシリオで用いられていたクラッシャブルゾーンなどの安全対策を活かし、ヨーロッパにおける鉄道車両の安全基準であるEN 15227(英語版)へ適合させる事となっていた。台車は車軸がある他、枕ばねや軸ばねを搭載する事で騒音や振動を抑える設計であった。そのため台車がある箇所の床上高さは580 mmと高くなっていたが、台車がない部分(床上高さ350 mm)との間に緩やかな傾斜を設ける事で車内の段差がない100 %低床構造が実現していた。 2016年までに最初の車両が完成する予定であったが、同年にジェノヴァ・カゼッラ鉄道は一連のシリオに関するトラブルの影響から発注をキャンセルする事を決定したため、シリオTTの製造は実施されなかった。導入のために捻出した予算については、同鉄道の車両や車庫など施設の近代化に充てられている。 シリオTTの設計上の主要諸元は以下の通りである。 軌間編成軸配置運転台対応電圧参考1,000mm 7車体連接車 Bo'Bo'Bo'Bo' 両運転台 直流3,000V 全長全幅全高床上高さ車輪径固定軸距44,000mm 2,650mm 3,590mm 390mm500mm(台車設置箇所)350mm(乗降扉付近) 620mm 1,700mm 営業最高速度設計最高速度着席定員車椅子スペース立席定員出力50km/h 100km/h 132人 1箇所 240人 530kw
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