シクラメンの花言葉
シクラメンの花言葉の由来
#(1)シクラメンの特徴からつけられたという説シクラメンの花は繊細で美しい。大輪の花を咲かせる咲くわけではなく、どちらかといえば大人しく慎ましやかに花を咲かせる。つまり、花そのものが、どこか遠慮がちで内気な印象を与えやすい。シクラメンは雨を避けるために花を下向きにして咲く。その姿も、恥じらいがちな雰囲気に寄与している。さらに、シクラメンはほとんど香りがしない。芳香で存在を主張することをせず、ひっそりと佇む。こうしたシクラメンの雰囲気が、「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」といった言葉を連想させるとの説がある。
#(2)ソロモン王の伝承からつけられたという説
古代イスラエルのソロモン王の伝承も、シクラメンの花言葉と関連が深い。ソロモン王は派手好きで、立派な神殿を建て、たくさんの女性たちと暮らしていた。ほとんどの富を手に入れたソロモン王はしかし、自分にふさわしい王冠だけは見つけられていなかった。そこで、ソロモン王は花を使って冠を作ろうと考える。ところが、どの花もソロモン王の冠になってはくれない。
ソロモン王ががっかりしてたたずんでいると、シクラメンが恥じらいながらやってきて「自分を王冠にしてほしい」と頼んできた。そのときに、シクラメンは恥ずかしさのあまり赤く染まったのだという。こうして、ソロモン王は美しい王冠を手に入れた。シクラメンもまた、「遠慮」や「はにかみ」といった花言葉で語り継がれるようになったのだ。
ちなみに、この伝承には別のパターンもある。花たちのほうから、ソロモン王に「王冠にしてほしい」と名乗り出たというあらすじだ。しかし、ソロモン王はなかなか気に入る花を見つけられなかった。そうした中、自分からアピールもせず、そっと咲いているシクラメンにソロモン王は心を奪われた。ほかの花たちが積極的に自己主張してきたのが逆に、シクラメンのつつましさを引き立てたのだ。ソロモン王はシクラメンに「王冠になってほしい」と頼んだ。こうしてシクラメンは王冠になり、花を称える目的で「遠慮」や「はにかみ」といった花言葉が生まれたという説もある。
#(3)お礼を言われてうつむいた姿からつけられたという説
ソロモン王に関するエピソードでは、もうひとつのパターンがある。ソロモン王が王冠を探し、最終的にシクラメンが名乗り出るまでは同じ展開だ。このとき、王冠になってくれたことでソロモン王が感謝すると、シクラメンは照れてうつむいてしまった。それ以来、シクラメンは下向きに咲く花となってしまった。そして、シクラメンを象徴する「遠慮」や「はにかみ」という花言葉につながっていったとの説もある。
#(4)開花する時期からつけられたという説
シクラメンは冬に咲く花として知られている(シクラメンの開花時期は10~4月がピークである)。誰もがあまり出歩かなくなる冬の間、ひっそり咲く花に、人は健気でつつましいイメージを重ねていった。やがて、これらの連想が「内気」「はにかみ」といった花言葉に派生した。
シクラメンの英語の花言葉
英語でシクラメンは「cyclamen」と書く。英語圏におけるシクラメンの花言葉は「timid hope(遠慮しながらの期待)」「shyness(内気、はにかみ)」などだ。これらは日本の花言葉と大きく変わらない。ただ、英語圏では「resignation and good-bye(退職と別れの際に贈る言葉)」との花言葉もある。そのため、欧米では送別会や葬式などでシクラメンが飾られることも多い。シクラメンの色別の花言葉の解説
#赤いシクラメンの場合「愛情」が赤いシクラメンの花言葉だ。花びらが燃え盛る情念のように見えることから、「愛情」の意味になったのだと考えられる。
#白いシクラメンの場合
「清純」が白いシクラメンの花言葉である。白いシクラメンの花びらは美しく、純粋な印象を見る人に与えるだろう。そのイメージから花言葉が生まれた。さらに、「誠実」「思いやり」など、白いシクラメンには非常にポジティブな花言葉が重ねられてきた。
#ピンクのシクラメンの場合
「内気」「はにかみ」など、ピンクはシクラメン全般の花言葉を含んでいる。その理由は、淡く色づく花びらが、恥じらいながら頬を染めているように見えるからだ。一方で、ピンクのシクラメンには「憧れ」という意味もある。
#青のシクラメンの場合
希少種ではあるものの、シクラメンは青い花を咲かせることもある。その場合は、「遠慮」「恥じらい」といった花言葉を含む。
#紫のシクラメンの場合
「想いが響きあう」「絆」が紫のシクラメンの花言葉だ。前向きで明るい意味なので、紫のシクラメンは贈り物に適している。
シクラメンの本数別の花言葉の解説
本数によってシクラメンの花言葉が変わることはない。もしも花言葉を意識してプレゼントにするのであれば、シクラメンの本数よりも色を考える方が得策だ。シクラメンは色によって花言葉を変える花だからである。シクラメンの怖い花言葉
#誤解されやすい花言葉欧米でシクラメンは「resignation and good-bye」という花言葉を重ねられ、別れや解散の象徴にされてきた。その結果、シクラメンは退職や葬式で頻繁に見かける花となり、ネガティブなイメージを抱いている人もいる。さらに、シクラメンは地面にしっかりと根付く花である。このことから、「病気が根付く」「(病床に)寝付く」といった連想がなされるようにもなった。別れに関連した花言葉と絡め、シクラメンを「死や病気を思わせる花」とみなす人もいる。
実際には、シクラメンが鉢植えで贈りやすい花だったうえ、「誠実」「思いやり」などの花言葉が名残惜しい感情を表現するのにぴったりだったから、別れの花になったと考えられる。決して怖いエピソードがあるわけではないのにもかかわらず、シクラメンは誤解されやすい花になってしまった。
#日本でも怖い花とされてきたシクラメン
ソロモン王の言い伝えを知れば分かるように、シクラメンの「遠慮」「気後れ」といった花言葉は特に批判的な意味合いではない。むしろ、控えめな性格を称賛する意図があるといえるだろう。それにもかかわらず、日本ではシクラメンの花言葉をネガティブに受け取り、「怖い」と感じている人もいる。なぜなら、日本語では「シクラメン」という字面が「死(シ)」「苦(ク)」を連想させるからである。こうした語呂合わせから、シクラメンの花言葉は本来の意味を超えて、怖く解釈されてしまうことがあるのだ。
確かに、「遠慮」や「気後れ」といった言葉はポジティブな面ばかりではない。遠慮や気後れのせいで損をする人もいる。そこに「死」「苦しみ」という字面のイメージが重なれば、「シクラメンの花言葉は怖い」といわれても不思議ではないだろう。
#赤いシクラメンには要注意
プレゼントにする際、注意したいのが赤いシクラメンである。赤いシクラメンは燃えるような「愛情」を意味する花として、恋人や夫婦間でのプレゼントに選ばれてきた。一方で、赤いシクラメンは「嫉妬」の意味も含む。行き過ぎた愛情は相手を束縛し、「嫉妬」に変わってしまうとの考えからだ。そのため、場合によっては赤いシクラメンをパートナーに贈ると、批判的な意味になってしまうこともありえる。相手が実際に嫉妬深い性格なら、なおさら適切ではないだろう。どうしても赤いシクラメンを贈りたいなら、「清純」「誠実」の意味を持つ、白いシクラメンと一緒にするのが得策だ。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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