サイコ・ザク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 06:48 UTC 版)
漫画・OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。高機動型ザクIIに「リユース・P(サイコ)・デバイス」(以下 "RPD")を搭載した実験機(型式番号:MS-06R)。 制式名称は「リユース・P・デバイス装備 高機動型ザク」だが、名称が長いことからリビング・デッド師団旗艦「ドライド・フィッシュ」を指揮するバロウズ艦長による発案で「サイコ・ザク」と呼称され、同師団所属のダリル・ローレンツが搭乗する。塗装は赤とオレンジを基調としており、デザインはR-2型をベースとしているが、機体のベースがR-1(A)型かR-2型のどちらかであるかは明言されていない。 パイロットの神経の電気信号を直接機体に伝達させるRPDを搭載しており、さらに各部の増加スラスターによって高機動時の運動性が向上している。関節部にはシーリング処理が施され、動力パイプにも同様の措置が行われている。バックパックは大型化されて2基の長大なロケットブースターが増設され、そこに装備された多数の武装で継戦能力の延長と攻撃力の増強が図られたハイエンド機として完成している。バックパックにはサブアームが2基搭載され、武器の交換や保持した武器の使用を可能としている。武装はマガジン式に変更されたザク・バズーカ3基、ジャイアント・バズ1基(hg版では2基付属)、ザク・マシンガン、ヒートホーク、シュツルムファウスト3基に加え、ザク・マシンガンとザク・バズーカのマガジンを4つずつ搭載しているほか、OVA版では武装が変更されており、ビーム・バズーカ、ジャイアント・バズ2基、ザク・マシンガン2基、シュツルム・ファウスト3基、ヒートホークに加え、ザク・マシンガンのマガジンを4つ搭載している。また、超大型のロケットブースターが追加装備されている。 実験段階ではフレームのみで運用され(名称は「リユース・P・デバイス実験用高機動型ザクII」)、実験機の下半身を義足のダリルが、上半身を両肩から義手のショーン・ミタデラが動作試験を担当することによって行なわれた結果、実験機は実戦投入レベルに到達し、ダリルの訓練期間もほぼ皆無の状態で実戦配備される。性能を完全に引き出すにはパイロットの四肢の義肢化が必要であるため、ダリルは物語開始時点で失っていた両足、直前の戦闘で失った左腕に加え(漫画版とOVA版では、左手を失う経緯が違い、漫画版では、リビングデッド師団とムーア同胞団の艦隊戦で、OVA版ではフルアーマー・ガンダムとの戦闘で失っている。)無事であった右腕を軍の命令で切断させられる(これにより、ダリルは曹長から少尉へ二階級特進)。 1年戦争末期の0079年12月、本機はサンダーボルト宙域において単機でムーア同胞団艦隊に壊滅的な被害をもたらすことに成功したうえ、イオ・フレミングの駆るフルアーマー・ガンダムにも死闘の末、勝利する。最終的に本機は戦闘による損傷で爆発・消失してしまうが、ダリルは「白い悪魔を倒した英雄」と称賛される。その後、開発主任のカーラ・ミッチャムの精神障害(幼児退行)によって戦後の公国軍残党でのRPDの開発は頓挫する。
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