オンライン小説以外の悪役令嬢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 05:54 UTC 版)
「悪役令嬢」の記事における「オンライン小説以外の悪役令嬢」の解説
悪役令嬢のようなポジションのキャラクターが実際の乙女ゲームでよく登場していたわけではなく、なろう系で独自に発展したスタイルで、本来の乙女ゲームで主人公に卑怯な真似をするのは端役であり、悪役といえたり破滅の最後を迎えるようなことはほとんどなく、敵役は最終的に和解して友達になり、本当は善人で良い子なヒロインより魅力的なこともある。乙女ゲームを知らない人にも悪役令嬢をわかりやすくするために実際には登場しないような悪役らしい存在を出している可能性があり、同ゲームで一番の常識人はヒロインでも男キャラでもなく悪役令嬢のようなキャラだとの指摘がある。 以前から『シンデレラ』の主人公の姉、『キャンディ・キャンディ』のイライザ、『小公女』のラビニアなど、少女を主人公にした作品にはヒロインをいじめる女性キャラクターが登場するが、シンデレラの姉は失明するパターンがあるものの、イライザやラビニアは大きな罰を受けない。 乙女ゲームの悪役令嬢としてnumanは『AMNESIA』のリカ(イッキルート)、凶悪ではなく当て馬感が強いとしながらも『ワンド オブ フォーチュン』のシンシア・ウィットフォードを挙げている。最初の乙女ゲーム『アンジェリーク』のロザリア・デ・カルタヘナや『アルバレアの乙女』のファナのようにライバルキャラはいるが、いじめをすることなく正々堂々とヒロインと戦うキャラである。『ワンド オブ フォーチュン』のシンシア、『ときめきメモリアル Girl's Side』の須藤瑞希のようにヒーローを巡って参戦するキャラもいるが登場時間が短く存在感が薄く、それは乙女ゲームで複数のヒーローがいてルートも複数で、うち1人のライバル役でしかないためである。『耽美夢想マイネリーベ』は成金お嬢様、ぶりっ子腹黒公爵令嬢、男勝りでクールなお嬢様という明確な悪役令嬢のライバルたちとヒロインが戦う。作中では悪い噂を流されたり、ライバルがヒーローに媚薬を盛ってかっさらうこともある。ヒロインも手紙に小細工をしたり、誘いに乗らなかったライバルを「使えないヤツ」と貶したりしている。『ファンタスティックフォーチュン』のミリエールのようにヒーローを憎いんでいる悪役令嬢もいる。 漫画では『ガラスの城』(わたなべまさこ)はヒーローは不在だが妹である主人公のマリサが実は伯爵令嬢であると知った姉のイサドラがそれに成り代わり、マリサを召使としていじめ、主人公を憎んでいる。『伯爵令嬢』(細川智栄子あんど芙~みん)では記憶喪失になったコリンヌに成り代わり、スリだったアンナが令嬢となり、アンナはコリンヌの命を狙う。『花より男子』(神尾葉子)はお金持ち学校に通う庶民のヒロインがリリーズたちにいじめられていたが、次第に周りに認められていくというのが悪役令嬢ものの原点の1つともいえ、『謙虚、堅実をモットーに生きております!』の劇中作の漫画『君は僕のドルチェ』の高道若葉と鏑木雅哉の関係性が『花より男子』の牧野つくしと道明寺司をイメージした可能性がある。ただ、同作には強力なライバルポジションはいない。『メイちゃんの執事』(宮城理子)はヒロインのメイのライバル、詩織が悪役令嬢といえ、同作のようにお嬢様学校、庶民ヒロイン、執事が存在する『執事様のお気に入り』(津山冬、伊沢玲)がある。 テレビドラマ『家なき子2』の木崎絵里花は財閥令嬢でぶりっ子、ヒーローのことが好きでヒロインを嫌っていたが最終的にヒロインの友達に下剋上されフェードアウトした。 悪役女性を主人公に据えた作品としては1991年から1995年まで刊行された『お嬢さまシリーズ』(森奈津子)がある。 史実ではマリー・アントワネットは「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言ったとされている台詞はまさに悪女のようで、最期はギロチン刑に処されるのも悪役令嬢ものへの影響が考えられる。悪役令嬢は多数の人によって集合知的に作り上げられた架空のオリジナルともいえ、なろう系のテンプレート設定の多くはルーツがはっきりとせず、なんとなく自然発生的に形成されてよくあるパターンになったが明確なさきがけはとなる作者はおらず、お約束だけが存在するのである。
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