オペレーションウルフとは? わかりやすく解説

オペレーションウルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 14:00 UTC 版)

オペレーションウルフ
OPERATION WOLF
ジャンル 3Dガンシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 タイトー
発売元 タイトー
人数 1人
メディア 業務用基板
(1.81メガバイト
発売日 AC
1987年11月
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
ESRBE10+(10歳以上)
コンテンツアイコン CERO:暴力
ESRB:Use of Tobacco, Violence
デバイス ライトガン
2ボタン
筐体 アップライト型筐体
CPU MC68000 (@ 12.000 MHz)
Z80 (@ 4.000 MHz)
サウンド YM2151 (@ 4.000 MHz)
MSM5205 (@ 384.000 kHz)×2
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
320×240ピクセル
60.00Hz
パレット8192色
テンプレートを表示

オペレーションウルフ』 (OPERATION WOLF) は、日本のタイトーが制作し、1987年11月に稼働されたアーケードガンシューティングゲーム[1]

1988年に北米および欧州にて各種ホビーパソコンに移植された他、1989年にはファミリーコンピュータPC/AT互換機に移植され、1990年にはFM TOWNSPCエンジンセガ・マスターシステムに移植された。アーケード版は後に欧州にてPlayStation 2およびXboxWindows用ソフト『Taito Legends』(2005年)に収録された他、日本ではPlayStation 2用ソフト『タイトーメモリーズII 下巻』(2007年)に収録された。2008年には北米と欧州にてWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにてNES版が配信された。

後に続編となるアーケードゲーム『オペレーションサンダーボルト』(1988年)が稼働され、以後『オペレーションウルフ3』(1994年)、『オペレーションタイガー』(1998年)とシリーズ化された。

概要

エレメカが廃れ、ビデオゲームが主流となって以降のアーケードゲームにおける「ガンシューティングゲーム」というジャンルを確立した作品であると同時に、1980年代後半から1990年代前半にかけて主流だった、いわゆる「マシンガンタイプ」のガンシューティングゲームのパイオニアである。ボタンを操作しての特殊攻撃という概念も本作から生まれたものである。売り上げの面でも、上述した斬新なゲーム性やテロリストの手から人質を救出するというわかりやすい舞台設定などから、国内のみならず海外でも大ヒットを記録している。

弾丸が無制限に使えるわけではなく、撃ってはいけない標的(人質)の存在もあるため、機関銃とはいえ「考え無しにぶっ放す」ことはできない。銃はフルオート射撃のみだが、トリガーストロークが長かったので慣れたプレイヤーはトリガーコントロールでセミオート射撃等を行い、弾薬の節約やボディアーマーを着た敵に対して頭部を狙撃するという芸当も可能であった。ちなみに、弾丸が尽きた場合は数秒後に1発だけ補充され、これを撃つと再び数秒後に1発だけ補充される。弾丸が尽きた状態でゲームオーバーになると、通常と異なり捕虜として捕らえられることになる。

本作の筐体には台上に銃が固定されたタイプがほとんどであったが、銃が分離していてケーブルで接続されているだけの筐体も一部で存在し、実銃さながらに腰だめで構えたり片手で振り回す射撃も可能であった。また、専用特殊筐体だけでなく同社の『NYキャプター』(1985年)や『バイオレントシューティング』(1986年)の筐体を流用したり改造したものも存在する。また、筐体を小児向けにコンパクトにした『ちびっこオペレーションウルフ』も存在する(ゲーム内容に関しては原典と同一で、表現規制もない。SC向けの為、出荷時の料金設定が50円1プレイと廉価になっている。続編のサンダーボルトもちびっこシリーズがリリースされた)。

ライトガン方式で検出するため、ゲーム中は検出用の画面を頻繁に表示することで激しく画面フラッシュが発生する。このため、ポケモンショックを経た現在、現役での稼働は非常に難しい。イーグレットツー ミニ版では、起動時に注意喚起のメッセージが表示される。

ゲーム内容

本作には、画面正面にウージーを模したモデルガンを据え付けられた専用の特殊筐体が採用されており、そのトリガーを引くと画面内では弾丸がフルオートで発射されるほか、銃口左側にあるボタンを押すと、破壊力の高いロケット弾が発射される。どちらも弾数に制限があり、アイテムを取ることによって補給しながらゲームを進行する。敵の攻撃を受けるか非戦闘員を撃つことによりダメージが蓄積されていき、ダメージゲージが最大になったり、弾丸がなくなるとゲームオーバーになる(収容所や空港では、捕虜を全滅させてしまった場合もゲームオーバーとなる)。

ゲーム開始時は4ステージの中から1つを選択し、特定のステージをクリアすることで第5ステージ(収容所)、第5ステージをクリアすることで第6ステージ(空港)が現れる。通信所ステージを攻略しなかった場合はステージが進むごとに敵の数が増えていったり、弾薬庫ステージや集落ステージを早めに攻略すると回復アイテムや弾薬が出現しやすくなるといった要素も含まれている。また、ステージ移動間で敵の待ち伏せに遭い、銃撃戦になることもある。空港ステージをクリアした時点で捕虜を1人以上脱出させることができていれば、1周クリアとなる。最低で3ステージクリアすれば良いが、基板の設定によっては決められた順番で全6ステージをクリアしなければならない。

ほとんどのプラットフォームでは1人プレイ専用だが、PCエンジン版はマルチタップとパッドを増設することで2人同時プレイが可能となり、それに伴って敵数などのバランスも調整される。また、ファミリーコンピュータ版は光線銃対応ソフトになっている。

ストーリー

南米チェリゴ国にクーデターが発生し、政府要人が次々と捕らえられていった。前大統領エンリコとアメリカ大使館館員達は収容所へと送られ、処刑時間が迫っていた。これに対し、アメリカ大統領CIA長官は「オオカミ作戦」(オペレーションウルフ)を発令。優秀な傭兵による人質救出作戦が開始された。

移植版

タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
Operation Wolf 1988年 Amiga
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
MSX
ZX Spectrum
Ocean Software英語版 Ocean Software フロッピーディスク
カセットテープ
-
オペレーションウルフ 1989年3月31日
1989年5月
ファミリーコンピュータ タイトー タイトー 2メガビットロムカセット[2] -
Operation Wolf 1989年8月 PC/AT互換機 Banana Development タイトー フロッピーディスク -
オペレーションウルフ 1990年4月1日 FM TOWNS ビング ビング CD-ROM -
オペレーションウルフ 1990年8月31日 PCエンジン NECアベニュー NECアベニュー 4メガビットHuCARD[3] NAPH-1010
Operation Wolf 1990年 セガ・マスターシステム タイトー セガ ロムカセット 7039
Taito Legends英語版 2005年10月14日 PlayStation 2
Xbox
Windows
タイトー タイトー DVD-ROM PS2:SLES-53438
タイトーメモリーズII 下巻 2007年3月29日 PlayStation 2 タイトー タイトー DVD-ROM SLPM-66713 アーケード版の移植
Operation Wolf 2008年2月4日
2008年3月14日
Wii タイトー ダウンロード
バーチャルコンソール
- NES版の移植
イーグレットツー ミニ
アーケードメモリーズVol.2
2023年12月21日 イーグレットツー ミニ 瑞起
※本体の開発元
タイトー SDカード - アーケード版の移植
追加SDカードに入っている10作品の1つとして収録。
オペレーション・
ナイトストライカーズ
2025年8月7日 Nintendo Switch
Windows
エムツー タイトー ダウンロード
ニンテンドーeショップSteam
3099790 アーケード、FC、NESとSMS版の移植
ナイトストライカー』『オペレーションサンダーボルト』と『スペースガン』のカップリング

評価

評価
レビュー結果
媒体 結果
オールゲーム (AC)[4]
Computer and Video Games 85% (CPC)[5]
91% (ST)[6]
92% (C64)[7]
90% (SMS)[8]
92% (ZX)[9]
Crash 91% (ZX)[10]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー 25/40点 (FC)[11]
ファミ通 22/40点 (FC)[12]
24/40点 (PCE)[13]
IGN 2/10点 (Wii VC)[14]
NintendoLife 1/10点 (Wii VC)[14]
Sinclair User 90% (ZX)[15]
Your Sinclair 9/10点 (ZX)[16]
ファミリーコンピュータMagazine 18.10/30点 (FC)[2]
月刊PCエンジン 80/100点 (PCE)
マル勝PCエンジン 27/40点 (PCE)
PC Engine FAN 20.42/30点 (PCE)[3]
(総合306位)
The Games Machine 82% (Amiga)[17]
89% (CPC)[5]
77% (ST)[6]
79% (C64)[7]
81% (MSX)[18]
90% (SMS)[8]
89% (ZX)[19]
ACE 984/1000点 (CPC)[5]
894/1000点 (C64)[7]
894/1000点 (ZX)[20]
Commodore User 84/100点 (Amiga)[17]
90/100点 (C64)[7]
Zzap!64 66/100点 (Amiga)[17]
91/100点 (C64)[7]
Atari ST User 7/10点 (ST)[6]
Commodore Force 80/100点 (C64)[7]
Aktueller Software Markt 6.5/12点 (C64)[7]
Mean Machines 53/100点 (FC)[11]
Eurogamer.net 3/10点 (Wii VC)[14]
受賞
媒体 受賞
第2回ゲーメスト大賞 年間ヒットゲーム16位[21]
Crash Crash Smash
C+VG CVG Hit
アーケード版
  • 1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメスト読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、同書ではガンシューティングがビデオゲーム誕生以前より存在する歴史あるものという前置きをした上で、「それをビデオゲームに応用させてジャンルを切り開いた作品となったのがこの『オペレーションウルフ』である」と本作が同ジャンルの元祖である事を指摘した[22]。また本作のトリガーによって銃弾が発射される事やボムが使用できるシステムが、後の同ジャンルのゲームでもほぼ変更されない事から、「すでに完成の域に達していたことがいえるだろう」と完成度の高さを称賛した[22]。さらにフィールドに出現する民間人は狙撃してはいけないルールや標的を撃つ事で銃弾が補充される点などにおいても完成度の高さを指摘している[22]。その他、演出に関して肯定的に評価した上で「メーカーの個性が出ていた」と総括した[22]
ファミリーコンピュータ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」ではの合計22点[12]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り18.10点(満30点)となっている[2]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.06 2.86 2.89 3.20 2.82 3.27 18.10
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点[13]、『月刊PCエンジン』では75・90・75・85・75の平均80点、『マル勝PCエンジン』では6・7・8・6の合計27点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り20.42(満30点)点となっている[3]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で306位(485本中、1993年時点)となっている[3]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.64 3.24 3.33 3.61 3.04 3.58 20.42

続編

脚注

  1. ^ Operation Wolf”. The International Arcade Museum. 2013年10月3日閲覧。
  2. ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、221頁。 
  3. ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、72頁。 
  4. ^ Operation Wolf for Arcade (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  5. ^ a b c Operation Wolf for Amstrad CPC (1988)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  6. ^ a b c Operation Wolf for Atari ST (1988)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g Operation Wolf for Commodore 64 (1988)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  8. ^ a b Operation Wolf for SEGA Master System (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  9. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=C+VG/Issue086/Pages/CVG08600025.jpg
  10. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=Crash/Issue59/Pages/Crash5900019.jpg
  11. ^ a b Operation Wolf for NES (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  12. ^ a b オペレーションウルフ まとめ [ファミコン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
  13. ^ a b オペレーションウルフ まとめ [PCエンジン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
  14. ^ a b c Operation Wolf for Wii (2008)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  15. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=SinclairUser/Issue080/Pages/SinclairUser08000027.jpg
  16. ^ http://www.ysrnry.co.uk/articles/operationwolf.htm
  17. ^ a b c Operation Wolf for Amiga (1988)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  18. ^ Operation Wolf for MSX (1988)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年6月4日閲覧。
  19. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=TheGamesMachine/Issue13/Pages/TheGamesMachine1300059.jpg
  20. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=ACE/Issue15/Pages/ACE1500042.jpg
  21. ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、22 - 23頁、ISBN 9784881994290 
  22. ^ a b c d 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、127頁、 ISBN 9784881994290 

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オペレーションウルフ」の関連用語

オペレーションウルフのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オペレーションウルフのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオペレーションウルフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS