エバーグレーズ農業地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 17:54 UTC 版)
「エバーグレーズの排水と開発」の記事における「エバーグレーズ農業地域」の解説
中部および南フロリダ・プロジェクトはエバーグレーズ農業地域のために47万エーカー (1,900 km2) を設立し、それは開発前のエバーグレーズの27%にあたった。1920年代後半、農業の実験でエバーグレーズの泥に大量の硫酸マンガンを添加すれば、利益の出る野菜を生産できることが示された。この化合物を100ポンド (45 kg) 添加すれば、肥料を1ショートトン (0.91 t) 加えるよりも費用対効果が良かった。エバーグレーズ農業地域の主要作物はサトウキビだったが、芝、豆類、レタス、セロリ、米も生産された。サトウキビは他の作物よりも統合化された産業になった。1940年、農園の連合がUSシュガーと名前を変え、エバーグレーズで生産される砂糖の86%を製造した。1930年代、サトウキビ農家の連合は、奴隷制度を想起させる労働慣習について捜査を受けた。雇用される可能性のある者は主に若い黒人男性であり、仕事に惹かれてアメリカ合衆国全国から集まって来ていたが、訓練、交通、居室と食事、その他の費用が掛かるので経済的な拘束があった。負債を追ったまま辞めると禁固期間を伴う懲罰があった。1942年までに、USシュガーは連邦裁判所から強制労働で告訴されたが、最後は法律の解釈で訴訟取り下げとなった。USシュガーは1960年代初期に始まった米国の対キューバ禁輸措置によって大きな恩恵を受けた。1958年、フィデル・カストロ政権ができる前に、フロリダで47,000エーカー (190 km2) の土地がサトウキビ栽培に使われており、それが1964年から1965年では228,000エーカー (920 km2) に広がっていた。1959年から1962年、地域の砂糖工場は2か所から6か所となり、そのうちベルグレードにある工場は何度か砂糖生産の世界記録を塗り替えた。 エバーグレーズ農業地域の畑は通常1区画40エーカー (160,000 m2) であり、2つの側面が運河に接し、それがさらに大きな運河に繋がれて、作物の必要性に応じてポンプで水を出し入れしている。サトウキビのための水位は、土壌面より20インチ (51 cm) 下で維持されるのが理想であり、サトウキビを収穫した後は、その茎が燃やされる。野菜はサトウキビよりも肥料を必要とするが、その畑は雨季に水浸しになることで、エバーグレーズの昔からある水文学に似ている可能性がある。しかし、サトウキビは乾季に水を必要とする。野菜に使われる肥料は、高い濃度の窒素やリンと共にサトウキビ生産に必要な腐葉土の副産物であり、エバーグレーズ農業地域の南部にある水質保全地域に、エバーグレーズ国立公園からポンプでくみ上げられることが多い。これらの水を大量に取り入れることで、エバーグレーズには外来種も取り込まれてきた。エバーグレーズの生態系の特性で決定的なものは、栄養に富んでいない環境で自立する能力であり、農薬を入れることでその生態系を変えつつある。
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