エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/21 21:30 UTC 版)
「エバーグレーズの復元」の記事における「エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の再評価」の解説
フロリダ州には現在も日々1,000人の新しい住民が移って来ており、復元や湿地の回復を予定されている土地は、州がそれに入札するチャンスを持つ前に売り買いされることが多い。不動産の競争力ある価格付けが、州の買収能力を超えて進められている。フロリダ州が土地を買収し建設の資金手当てを援助しているので、エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の下のプログラムは、州予算の削減に対して脆弱である。2008年6月、州知事クリストは、フロリダ州がU.S.シュガーを17億ドルで買収すると発表した。このアイディアは、砂糖のロビイストがU.S.シュガーによるリンが含まれた水をエバーグレーズに汲み上げるやり方に対する規制を緩和させようと、クリストを説得しようとしたときに生まれた。ロビイストの1人に拠れば、「まさにその瞬間」ということであり、クリストは「砂糖がエバーグレーズを汚染し、我々がエバーグレーズを浄化するために金を払っているとするなら、砂糖を取り除いたらどうだろう?」と言ったことになっている。アメリカ合衆国で最大のサトウキビによる砂糖の生産者が6年間操業を継続し、その所有権がフロリダ州に移ると、エバーグレーズの187,000エーカー (760 km2) が未開発のままに残され、排水前の状態に戻されることになる。 2008年9月、連邦政府に科学と政策に関する助言を行う非営利機関の全米研究評議会 (NRC) が、エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の進行状況に関する報告書を提出した。この報告書は、予算付け、計画、官僚仕事における問題のために、復元は「不十分な進行状況」と述べていた。全米研究評議会報告書は、エバーグレーズを進行が無ければ、さらに危険に曝されると「世界の貴重な生態系」と呼び、「エバーグレーズの復元における現在の遅れは改善を遅らせているだけでなく、生態系の衰退を続けさせている」と言っていた。樹木の島の縮退、絶滅を危惧される猛禽類、すなわちエバーグレーズ・スネイルカイトや、セイブル岬ハマヒメドリの個体数減少を引き合いに出した。エバーグレーズ国立公園にまで達する水が無いというのは、計画の遂行にあたって「最もやる気をなくさせる話の1つ」と特徴づけていた。全米研究評議会は、州と連邦政府のレベルで計画の改良を推奨し、毎年エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の各プロジェクトの見直しを行うことや、修復のためにさらなる土地の取得を推薦した。エバーグレーズの復元は2009年アメリカ再生及び再投資法の一部として、市民サービスと建設の仕事を与えると同時に議会で認められた修繕プロジェクトを実行することを意図し、連邦予算で9,600万ドルが割り当てられた。・ 2010年1月、運河C-111に対する工事が始まった。この運河は1960年代に灌漑された農地から排水するために建設されたものであり、エバーグレーズ国立公園から水が逃げないようにしておくために再建された。他にも復元のための2つのプロジェクトが2010年に開始することが予定された。クリスト州知事は同月に、エバーグレーズの復元に5,000万ドルを割り当てると公表した。同年4月、連邦地区裁判所の判事が、州と連邦政府は年限を守れないと痛切に批判し、浄化作業も「氷河の歩み」のように鈍く、政府は環境法の執行を「理解しがたい」と無視していると表現した。
※この「エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の再評価」の解説は、「エバーグレーズの復元」の解説の一部です。
「エバーグレーズの環境復元事業 (CERP) の再評価」を含む「エバーグレーズの復元」の記事については、「エバーグレーズの復元」の概要を参照ください。
- エバーグレーズの環境復元事業 の再評価のページへのリンク