持続的発展が可能な南フロリダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/21 21:30 UTC 版)
「エバーグレーズの復元」の記事における「持続的発展が可能な南フロリダ」の解説
エバーグレイズ・ フォーエバー法が成功し、水銀濃度は下ったにも拘わらず、1990年代に南フロリダ都市圏における生活の質が下がったために、エバーグレーズへの注目度が高くなった。都市圏住民が次第に持続的発展が不可能なほど自然資源を消費していることが明らかになった。1995年にロウトン・チルズ州知事に提出された「持続的発展が可能な南フロリダに向けた知事の委託」と題する報告書が、州都地方政府の直面している問題を浮き彫りにしていた。この報告書は、南フロリダのエバーグレーズ、フロリダ湾、その他水域の自然の質の低下が、観光業(12,000人の就職機会と年間2億ドルの収入)や、危機にある商業漁業(3,300人の就職機会と年間5,200万ドルの収入)からの収入を著しく減らす可能性があると述べていた。さらに、過去に環境を酷使し無視していたことがこの地域に「急激な岐路」をもたらし、南フロリダの住人が汚染された大気と水で健康被害に直面する、としていた。さらにごみごみとして危険な都市圏の状態が、州の評判も傷つけるとも言っていた。過去20年間で人口は90%も増加したが、登録された自動車は166%増加していたとも記していた。水の質と有用性は、「繰り返される水不足が...年間53インチ (1,346 mm) の降水がある亜熱帯環境で、喉の渇きで死んでいく自然体系という皮肉を生んでいる」とも記していた。 しかし、エバーグレーズの復元は、国政において超党派の大義になった。リン濃度を減らし、その他水質を改善するために必要な変更の資金として、砂糖に対して1ポンド1ペニー(2 セント/kg)の税が提案され、議論を呼んだ。州民はこの税を支持することを求められ、この問題に対処するために環境保護団体は1,500万ドルを払った。砂糖のロビイストはそれを否定する広告に2,400万ドルを支出して成功した。フロリダ州の歴史でも最も費用の掛かる住民投票の命題となった。復元のための費用をどうやって手当てするかが、政治的な闘争の場となり、解決策も無いままに立ち往生したように見えた。しかし、1996年の選挙年で、共和党上院議員ボブ・ドール(カンザス州)が、エバーグレーズのために土地を取得する費用2億ドルを連邦議会からフロリダ州に渡すよう提案した。民主党員のアメリカ合衆国副大統領アル・ゴア(テネシー州)が、連邦政府はエバーグレーズ農業地域の土地10万エーカー (400 km2) を購入し、復元のために移管すると約束した。政治折衝によってその数字は5万エーカー (200 km2) まで減らされたが、ドールもゴアもその姿勢が議会によって認められた。
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