インターネットとメディアの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 15:21 UTC 版)
「モルゲロンズ病」の記事における「インターネットとメディアの影響」の解説
モルゲロンズ病の人々はインターネットの情報に基づいて自己診断を下し、似た疾患を持つと信じる人々のオンラインコミュニティでサポートと確信を得ている。2006年、WaddellとBurkeはモルゲロンズ病と自己診断した人々に対するインターネットの影響について、「オンラインで自己診断を試みる多くの人々によって、医師はより困難な立場となっている。多くの場合、こうした試みは善意であるものの間違ったものであり、オンライン上の、多くの場合非科学的なサイトを信じている人は、医師のエビデンスに基づいたアプローチや治療の推奨を信頼することができなくなる可能性がある」と報告している。 Vila-Rodriguezは、インターネットが「奇妙な」病気の信念の拡散と支持を促進していると述べているが、それは「ある信念がその人が属する文化やサブカルチャーの他のメンバーに受け入れられている場合、もはやその信念は妄想とは見なされない」ためである。モルゲロンズ病現象を研究してきた社会学者Robert Bartholomewは、「ワールド・ワイド・ウェブは集団妄想の培養装置になっており、それ(モルゲロンズ病)はインターネットを介して社会的に伝染する病気のようである」と述べている。この仮説によると、寄生虫妄想や他の精神障害を抱える人々は、類似した症状を持つ人のインターネット上の体験談を読んで、自分が「モルゲロンズ病」であると確信するようになる。この現象は集団心因性疾患(英語版)として知られる現象であり、器質的要因のない身体症状が同じコミュニティや社会集団内の複数の人へ広がってゆく現象である。Dallas Observerは、モルゲロンズ病はインターネットとマスメディアを介してミームのように拡散していく可能性があるとし、「もしそうだとすれば、モルゲロンズ病は人々の間で流行し、大衆の関心が失われれば跡形もなく消えてしまう奇妙な病気の1つである」と記している。この記事では、メディアによって拡大した集団妄想との類似点が描かれている。 皮膚科医のCaroline Koblenzerは、MRFのウェブサイトが人々をミスリードしているとし、「明らかに、このサイト(MRF)を発見する患者が増えるにつれて、繊維、綿毛、無関係な細菌、無害なワームや昆虫に対する不毛な研究に貴重な時間とリソースがますます浪費されるようになるだろう」と非難している。2005年のポピュラーメカニクスの記事では、モルゲロンズ病の症状は良く知られており、他の疾患との関連によって特徴づけられているとし、奇妙な繊維が広く報告されるようになったのはわずか数年前からであり、MRFが最初にインターネット上でそれらについて記載して以降である、と述べている。ロサンゼルス・タイムズは、モルゲロンズ病に関する記事で、「近年の症状の急増は、ペンシルバニア州の母親Mary Leitaoによって病気が命名されてからのもので、インターネットに端を発するものである」と記している。 2008年、ワシントン・ポストは、モルゲロンズ病についてのインターネット上の議論には、生物戦、ナノテクノロジー、ケムトレイル、地球外生命体など、モルゲロンズ病の原因に関する多くの陰謀論が含まれていると報告した。The Atlanticは、モルゲロンズ病はクリミナル・マインドで取り上げられたことでポップカルチャーの注目も集めており、モルゲロンズ病患者はモルゲロンズ病を大部分の医師が懐疑的に見ている他の疾患である慢性ライム病(英語版)と関連付け、自身の症状を疑う人を攻撃することで、主流の医療コミュニティから自身をさらに遠ざけている、と付け加えている。
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