イングランドでの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 09:48 UTC 版)
「ペルメル (球技)」の記事における「イングランドでの歴史」の解説
1630年頃、フランス人のジョン・ボニール(仏: John Bonnealle)が、ロンドン・セント・ジェームズ・スクエア(英語版)南側の、セント・ジェームズ・フィールドとの名前で知られる一角に(のち「ペル・メル・フィールド」)、ペルメル競技場を作った。「1年か2年後」(英: "A year or two" later)の1631年頃、ボニールは死去し、王の靴職人だったデイヴィッド・マラード(もしくはマロック、英: David Mallard or Mallock)がこの場所に家を建てたが、1632年の聖燭祭に取り壊しを命じられた。 ペルメル競技場はこの跡地に再建されたらしく、1635年9月30日には、アーチボルド・ラムズデン(英: Archibald Lumsden)が「彼が持つセント・ジェームズ・フィールド内の敷地に、独占的に[ペルメル用の]木槌、球、シャベル、そしてペルメル競技に必要なものを据え付ける権利を与え、またそのために古来からのゲーム規則に従って、彼に必要な金額が支払われる」との認可状が出されている。ラムズデンのペルメル競技場は1660年9月の記録にも登場し、娘のイザベラ(英: Isabella)が「ペルメル競技[場]の維持に425ポンド14シリングをかけた彼女の父に約束したように、セント・ジェームズ・フィールドの自由保有権の一部を」嘆願している。嘆願書に添えられた勘定書きでは、金銭が「球、木槌、シャベル」や「ペルメル[競技場]の修繕」に用いられるとされている。 1661年4月2日付けのサミュエル・ピープスの日記では、「セント・ジェームズ公園に入り、ヨーク公がペルメルを興じていらっしゃるのを観た、スポーツというものを初めて観た」と書き残している。 1630年以前には、この競技がイングランドで行われていたという記録は無い。競技については、1611年発行の仏英辞書に言及があるが、当時実際にイングランドで競技が行われていたという確証は無い。 ペルメル:f. 角の無い箱枠の中で、球を打球づちで打ち、鉄製の高いアーチの中(レーンの両端に立っている)へ打ち込む。より少ない打数で成功するか、取り決めてあった打数で打ち込んだ人物が勝者となる。Palemaille : f. A game, wherein a round box bowle is with a mallet strucke through a high arch of yron (standing at either end of an alley one) which he that can do at the fewest blowes, or at the nu[m]ber agreed on, winnes. — ランドル・コットグレイヴ(英語版) 、A Dictionarie of the French and English Tongues, 1611 両端に鉄製の輪がある、長い小道状の競技場というコットグレイヴの描写は、ロンドンで20年後に行われていた競技の様子とよく合致する。しかし、この文章は1611年のイングランドで競技が行われていたと示唆・確証するものではなく、単にフランス語の単語を英語で定義したものと考えられる。 19世紀初頭にイングランドで行われていたゲームに関する著作家のジョゼフ・ストラット(英語版)はコットグレイヴの記述を引用し、王政復古した王権との関連について述べている。 ペルメル競技はチャールズ2世の治世下には流行していた娯楽で、現在ザ・マルと呼ばれているセント・ジェームズ・パークの通路は、ペルメルを行うのに適した場所だったことから名付けられ、チャールズ2世や廷臣たちは趣味としてよく競技を行っていたという。ペルメル競技のこの名称は、明らかにボールを打つのに用いられた打球づち(木槌)に由来するものである。The game of mall was a fashionable amusement in the reign of Charles the Second, and the walk in Saint James's Park, now called the Mall, received its name from having been appropriated to the purpose of playing at mall, where Charles himself and his courtiers frequently exercised themselves in the practice of this pastime. The denomination mall given to the game, is evidently derived from the mallet or wooden hammer used by the players to strike the ball. — ジョゼフ・ストラット、The Sports and Pastimes of the People of England, 1810 競技は19世紀初頭に入っても、多くの英語辞典で言及が見られることから、この時期でもまだ知られていたことが分かる。サミュエル・ジョンソンが1828年に作った辞書では、「ペルメル」の定義として、「打球槌で打ったボールを鉄の輪に通す競技」(英: "A play in which the ball is struck with a mallet through an iron ring")として、クロッケーとの類似性が明確にされている。
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