アリストテレス 対応説とは? わかりやすく解説

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アリストテレス 対応説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 16:16 UTC 版)

「真理」記事における「アリストテレス 対応説」の解説

アリストテレスは、プラトン同じく真理永遠普遍なものとしながらも、プラトンイデア個物から離れて実在するとしたことを否定して批判的に承継し、真理認識する体系的構造整備し、後に「真理の対応説」と呼ばれる真理論展開し後世大きな影響力をもった。 まず、彼は、学問体系整備始め、「論理学」は確実な知識手に入れるという目的のための「道具」(organon)であるとする。論理学においては、「Pは○か○でないかのいずれかである(○であり、かつ○でない、ということはない)」という形をした文は○の内容に関係なく正しい。真理到達するためには知識確実なものなければならないが、そのための道具性能をまず問題にした。彼のこのような着眼点現代真理論における記号論理学発展準備したものともいえる。 ついで、彼は、学問を、「理論」(テオリア)、「実践」(プラクシス)、「制作」(ポイエーシス)に三分した上で理論学を「自然学」と「形而上学」、実践学を「政治学」と「倫理学」、制作学を「詩学」に分類した。そして、その著書『形而上学』において、形而上学存在するものについての「第一哲学」であり、始まり原理についての知であるとし、「PはQである」という命題は真か偽かのどちらかであり、有を無、無を有と論証するのが虚偽であり、有を有、無を無と論証するのが真であるとした。そこでは、存在者の「有・無」という「存在論」が基礎にあり、これを「論証する」という「判断」が支えている。判断は真であることによって知識となるから、そこでは、真理とは思惟実在一致定義され真理論認識論存在論ロゴスにおいて一体不可分のものとして語られていた。 そして、彼は、プラトンイデア区別してエイドス形相)とヒュレー質料)の概念をとなえ、その上で世界生起する現象には「形相因」と「質量因」があるとして、これを分け前者をさらに「動力因」、「目的因」に分け都合4つ原因アイティアaitia)があるとした(『形而上学』Α巻・『自然学第2巻第3章等)。これを四原因説という。例えば、家という存在者の形相因は家の形そのものであり、質量因は木・等の材料であり、動力因大工であり、目的因は住むことである。その上で存在者を動態的見たとき、潜在的には可能であるものが素材として可能態であり、それとすでに生成したもので思考具体化した現実態とを区別した例えば、家を作るため大工が木を切り倒して切り出して材木作っても、家はまだ完成しておらず、それは可能態であって現実態ではない。壁や瓦などの材料組み合わさってになって初め現実態となる。 彼は、すべての存在者が可能態から現実態への生成のうちにあり、すべて現象四つの原因があるという。すべての現象目的たどっていくともうこれ以上遡ることができない究極目的存在するはずである。それは、すべての存在動力因であるが、自らは動く必要がなく、自らのことだけを思惟すればよく、他のものを思惟しない質料もたない純粋形相として最高の現実性備えたもの(不動の動者)があるはずである。これを彼は「神」呼んだ。 アリストレスの学問体系は、その後中世スコラ学引き継がれ近代認識論成立するまでは長らく支持されていたが、その後現代にいたるまで唯物論的見地から主張され模写説素朴実在論)・反映説(マルクス主義)や観念論的見地から主張され構成説など様々なバリエーションの対応説が主張された。バートランド・ラッセル前期ウィトゲンシュタイン言語論研究成果受けて修正されているものの、対応説の一つ数えることができる。

※この「アリストテレス 対応説」の解説は、「真理」の解説の一部です。
「アリストテレス 対応説」を含む「真理」の記事については、「真理」の概要を参照ください。

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