アラカンと鞍馬天狗とは? わかりやすく解説

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アラカンと鞍馬天狗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 01:40 UTC 版)

嵐寛寿郎」の記事における「アラカンと鞍馬天狗」の解説

マキノ撮った1927年の初作『鞍馬天狗異聞角兵衛獅子』から、1956年の『疾風鞍馬天狗』までの実に30年長きにわたりアラカン40本もの『鞍馬天狗映画主演している。もっともこれは確認漏れもあり、アラカン自身は「46本のはずだ」と述べている。一方、「庶民スタア」だったアラカン批評家からは「アラカンといえばB級娯楽版、お子様ランチ」などと差別され一面もあった。 アラカン当たり役鞍馬天狗』を引き受けた理由として、杉作という子供キャラクター挙げ、「昔から、子供の出る芝居は必ず当たるんですね。“先代萩ありますやろ。チャップリンの“キッドありますやろ。子供が出るので、こりゃいけると思いまして、出さしてもらいます返事しました。子供使うの得や。思ったとおり大当たりとりました」と語っている。 長三郎時代からアラカン殺陣軽快で「スポーツ剣戟」と評されたこともあった。マキノ雅弘アラカン殺陣について「わりあいリアル伸び良かった」と語っている。稲垣浩によると、立ち回り相手に刀(竹光)をパチーンとぶつけることで有名だった一度立ち回りの際に気合い六尺棒竹光真っ二つに斬ったこともあったという。 鞍馬天狗立ち回りについては決し下着見せなかった。「女形をやってましたから、これが結果としてよかったのでしょう女形裾さばきちゅうもんチャンバラと合うんですワ。でも私には、人を斬ったるという気がありました竹光だから斬れへん。周り弟子がかためましたから、遠慮いりまへん。弟子にはずいぶん怪我さしてます。でも他人に怪我さしてません」と語っている。 そんなアラカンが一番怖かったのは大河内傳次郎だったという。「私の時に限って真剣使うんですワ。一番仲良かったけど、やっぱり気構えが違うんですな。いつも大河内さんは近藤勇の役で、しかもあの人近眼でっしゃろ。怖かったですよ」。 1928年に寛寿郎が「マキノ御室撮影所」を退社したが、これは『角兵衛獅子功名帖』を「鞍馬天狗最終作」と会社側が勝手に決めてしまったことが最大理由であった。また理由これだけではなく折しもこの年マキノ省三伊井蓉峰主役起用して忠魂義烈 実録忠臣蔵』を制作しアラカン出演したが、新派大物である伊井尊大な態度監督指示聞かない勝手な演技などの我がままを、マキノたちスタッフ招聘した手前どうにもできずに容認していたことを目の当たりにし、このことへの不満も、アラカン退社決意固めさせた要因であったという。 その後戦中戦後の混乱空白乗り越えて、約30年わたってアラカン数々の『鞍馬天狗』を制作し演じていたが、1954年原作者大佛次郎が自ら『鞍馬天狗映画の製作乗り出したこの際アラカンに不満を言い鞍馬天狗役を封印させたが、大佛の手掛けた小堀明男主演据えた新鞍馬天狗』は結局日本映画史に残るとまで言われるそれどころか、作家として大佛自身評価にまで傷がつく程の)大失敗作に終わり、『新鞍馬天狗』で映画館被った損失補填というとんだあおりを食らってアラカン代理で2本出羽目になっている。このときも「言うたら悪いが、生きて天狗はわてがつくった。」とアラカンは、暗に大佛次郎非難している。 人物伝としては、この奇骨人物愛した竹中労による『鞍馬天狗おじさんは - 聞き書きアラカン一代』がある。晩年インタビューによると原作者の「天狗が人を斬りすぎる」という意見に対してアラカンは「活動大写真」(アラカン表現としての立場から同意していない。

※この「アラカンと鞍馬天狗」の解説は、「嵐寛寿郎」の解説の一部です。
「アラカンと鞍馬天狗」を含む「嵐寛寿郎」の記事については、「嵐寛寿郎」の概要を参照ください。

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