にいののぼんおどりとは? わかりやすく解説

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新野の盆踊

名称: 新野の盆踊
ふりがな にいののぼんおどり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 新野高原盆踊りの会
指定年月日 1998.12.16(平成10.12.16)
都道府県(列記): 長野県
市区町村(列記): 下伊那郡阿南町新野
代表都道府県 長野県
備考
解説文:  新野の盆踊は、毎年八月十四日から十六日の、それぞれの夜から翌朝にかけて、地域人びとが、三味線太鼓などの楽器伴奏伴わない古風な踊り夜を徹して踊り最後十七日の早朝には、鉦と太鼓打ちながら精霊送り出す行事も行う。なお、八月二十四日は、夜から翌朝にかけて踊りだけが行われる。
 阿南町新野は、長野県南部愛知県との県境にひらけた盆地で、この盆踊は、新野地区本町東町の、両側商店が並ぶ通り会場にしている。通りなかほどに「音頭台」と呼ばれる四角組み上げその上にそれぞれの歌を歌い出す「音頭取り五、六名が上がる踊り手は、音頭台を中に通り沿って細長い大きな輪になり、音頭取りの歌を受けて、それに続く歌詞歌い返し踊りながら進んでいく。
 踊りは、「すくいさ」「音頭」「高い山」「おさま(おさま甚句)」「十六」「おやま」と「能登」の七種で、このうち能登」は、十七日と二十五日早期にだけ踊る。毎夜踊りは、まず「すくいさ」で踊り出し、あとは「すくいさ」を含めて六種踊り交互に自由に変えながら繰り返し踊る。それぞれの踊りは、最初歌の歌詞決まっていて、踊りの名前は、その歌詞から取られている。あとに続く歌詞は、おおよそ決まっているものもあるが、地元伝承されている数多く歌詞を、自由に歌っていく。
 踊り動作は、いずれもゆっくりとしたもので、右手に扇を持つものと、何も持たないものがあり、扇を持つのは「すくいさ」「音頭」「おさま」「おやま」である。また踊り手は、踊りながら進んでいくが、その方向が左回りであるのは「すくいさ」と「十六」で、あとは逆方向に進む。
 この盆踊準備は、十三日昼過ぎから、音頭台の組み上げや、事務所準備通りなかほどにある「市神様【いちがみさま】」と呼ばれる小さな祠の清掃、また通りの西はずれに祀られている「お太子様【たいしさま】」と呼ばれる祠の清掃などから始まる。なお、音頭台は「市神様」の前に設営される。夜になると各家の門前で、盆の迎火焚かれるまた、音頭取りなど、特に盆踊と関係の深い新盆の家があると、その家の庭などに、盆踊りの会の人びと集まり踊る。
 十四日の昼に、お墓親類縁者が行き、「百八【ひやくはつ】タイ」と呼ばれる多く小さな木片を燃やす「タイとぼし」を行い先祖等を供養する夜になると踊り先立ち音頭台の横の「市神様」に、盆踊りの会の役員等集まり神事が行われ、その後音頭台上音頭取り歌い出し踊り始まり翌朝まで続く。
 十五日も夜になると踊りが始まる。家々では夜の一二時過ぎ精霊【しようりよう】送りを行う。まず新盆家々が、松明先頭に、家の近く水辺に、供物新盆の家だけに供えられる切子灯籠などを持っていき、念仏あるいは唱【とな】え事【ごと】を行って供物などを燃やす。新盆精霊送り終わったころを見計らい、各家々でも同様に精霊送りがある。
 十六日夜になると、踊り始め前に新盆家々から、残しておいた切子灯籠持ち寄られ音頭台の周囲下げられ踊りが始まる。十七日の早朝迎えると、踊りが続くなかで、切子灯籠下ろされ市神様の前に役員等集まり市神和讃【わさん】」と呼ばれる唱え事があるその後それぞれの切子灯籠を棹から下げ役員等先頭行列作り踊りの場から「お太子様」に向かい、前で「お太子和讃」と呼ばれる唱え事があり、終わると鉄砲あるいは花火打ち上げ合図する。なお、この和讃には「なんまいだんぼ、なんまいだんぼ」という念仏考えられる言葉があり、行列は、鉦と太鼓打ち、この言葉唱えながら進んでいく。この次第は盆に精霊迎え、後に踊り送り出す盆踊の古い姿をうかがわせる
 行列踊りの場に戻るころに、踊りは「能登」に変わっているが、行列通過したころから踊りをやめることになっていて、踊りをやめた踊り手一部が行列の後ろ加わり行列徐々に長くなりながら踊りの場を通過し東方地区の境とされる所へ向かう。行列前には、一〇人ほどが互いに肩を組み小さな輪を作り行列進行妨げるように騒ぐ。地元では踊りが終わるのを惜しむために進行妨げるというが、行列先々に、いくつも輪ができていく。
 地区の境とされる場所に着くと、切子灯籠積み上げ神事の後に、鉄砲あるいは花火合図に、周囲人びといっせいに大声をあげ、灯籠に火を点けて燃やす。一同は「秋唄」と呼ばれる唄を歌いながら帰路につくが、その間後ろ振り返ってはいけないとされている。
 なお、二十四日踊りは、地元で、かくし盆あるいは「うらあ(俺・私)」の盆の踊り気楽に踊るものという。同様に夜から明け方まで行い締めくくりに「能登」を踊るが、関連行事はない。

新野の盆踊

名称: 新野の盆踊
ふりがな にいののぼんおどり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 新野高原踊りの会
選択年月日 1978.01.31(昭和53.01.31)
都道府県(列記): 長野県
市区町村(列記): 下伊那郡阿南町新野本町
代表都道府県 長野県
備考
解説文:  新野の盆踊は、毎年八月十四日から十六日の、それぞれの夜から翌朝にかけて、地域人びとが、三味線太鼓などの楽器伴奏伴わない古風な踊り夜を徹して踊り最後十七日の早朝には、鉦と太鼓打ちながら精霊送り出す行事も行う。なお、八月二十四日は、夜から翌朝にかけて踊りだけが行われる。
 阿南町新野は、長野県南部愛知県との県境にひらけた盆地で、この盆踊は、新野地区本町東町の、両側商店が並ぶ通り会場にしている。通りなかほどに「音頭台」と呼ばれる四角組み上げその上にそれぞれの歌を歌い出す「音頭取り五、六名が上がる踊り手は、音頭台を中に通り沿って細長い大きな輪になり、音頭取りの歌を受けて、それに続く歌詞歌い返し踊りながら進んでいく。
 踊りは、「すくいさ」「音頭」「高い山」「おさま(おさま甚句)」「十六」「おやま」と「能登」の七種で、このうち能登」は、十七日と二十五日早期にだけ踊る。毎夜踊りは、まず「すくいさ」で踊り出し、あとは「すくいさ」を含めて六種踊り交互に自由に変えながら繰り返し踊る。それぞれの踊りは、最初歌の歌詞決まっていて、踊りの名前は、その歌詞から取られている。あとに続く歌詞は、おおよそ決まっているものもあるが、地元伝承されている数多く歌詞を、自由に歌っていく。
 踊り動作は、いずれもゆっくりとしたもので、右手に扇を持つものと、何も持たないものがあり、扇を持つのは「すくいさ」「音頭」「おさま」「おやま」である。また踊り手は、踊りながら進んでいくが、その方向が左回りであるのは「すくいさ」と「十六」で、あとは逆方向に進む。
 この盆踊準備は、十三日昼過ぎから、音頭台の組み上げや、事務所準備通りなかほどにある「市神様【いちがみさま】」と呼ばれる小さな祠の清掃、また通りの西はずれに祀られている「お太子様【たいしさま】」と呼ばれる祠の清掃などから始まる。なお、音頭台は「市神様」の前に設営される。夜になると各家の門前で、盆の迎火焚かれるまた、音頭取りなど、特に盆踊と関係の深い新盆の家があると、その家の庭などに、盆踊りの会の人びと集まり踊る。
 十四日の昼に、お墓親類縁者が行き、「百八【ひやくはつ】タイ」と呼ばれる多く小さな木片を燃やす「タイとぼし」を行い先祖等を供養する夜になると踊り先立ち音頭台の横の「市神様」に、盆踊りの会の役員等集まり神事が行われ、その後音頭台上音頭取り歌い出し踊り始まり翌朝まで続く。
 十五日も夜になると踊りが始まる。家々では夜の一二時過ぎ精霊【しようりよう】送りを行う。まず新盆家々が、松明先頭に、家の近く水辺に、供物新盆の家だけに供えられる切子灯籠などを持っていき、念仏あるいは唱【とな】え事【ごと】を行って供物などを燃やす。新盆精霊送り終わったころを見計らい、各家々でも同様に精霊送りがある。
 十六日夜になると、踊り始め前に新盆家々から、残しておいた切子灯籠持ち寄られ音頭台の周囲下げられ踊りが始まる。十七日の早朝迎えると、踊りが続くなかで、切子灯籠下ろされ市神様の前に役員等集まり市神和讃【わさん】」と呼ばれる唱え事があるその後それぞれの切子灯籠を棹から下げ役員等先頭行列作り踊りの場から「お太子様」に向かい、前で「お太子和讃」と呼ばれる唱え事があり、終わると鉄砲あるいは花火打ち上げ合図する。なお、この和讃には「なんまいだんぼ、なんまいだんぼ」という念仏考えられる言葉があり、行列は、鉦と太鼓打ち、この言葉唱えながら進んでいく。この次第は盆に精霊迎え、後に踊り送り出す盆踊の古い姿をうかがわせる
 行列踊りの場に戻るころに、踊りは「能登」に変わっているが、行列通過したころから踊りをやめることになっていて、踊りをやめた踊り手一部が行列の後ろ加わり行列徐々に長くなりながら踊りの場を通過し東方地区の境とされる所へ向かう。行列前には、一〇人ほどが互いに肩を組み小さな輪を作り行列進行妨げるように騒ぐ。地元では踊りが終わるのを惜しむために進行妨げるというが、行列先々に、いくつも輪ができていく。
 地区の境とされる場所に着くと、切子灯籠積み上げ神事の後に、鉄砲あるいは花火合図に、周囲人びといっせいに大声をあげ、灯籠に火を点けて燃やす。一同は「秋唄」と呼ばれる唄を歌いながら帰路につくが、その間後ろ振り返ってはいけないとされている。
 なお、二十四日踊りは、地元で、かくし盆あるいは「うらあ(俺・私)」の盆の踊り気楽に踊るものという。同様に夜から明け方まで行い締めくくりに「能登」を踊るが、関連行事はない。



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