勝瑞城館跡とは? わかりやすく解説

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勝瑞城館跡

名称: 勝瑞城館跡
ふりがな しょうずいじょうかんあと
種別 史跡
種別2:
都道府県 徳島県
市区町村 板野郡藍住町
管理団体
指定年月日 2001.01.29(平成13.01.29)
指定基準 史2
特別指定年月日
追加指定年月日 平成19.02.06
解説文: 徳島県板野郡藍住町勝瑞は、室町時代後半阿波国守護細川氏守護所置いた地で、阿波国政治・経済文化の中心地として栄え戦国時代阿波国支配実権握った三好氏もこの地に城館構えた阿波細川氏三好氏は、細川政元三好長慶らの要請をうけて、勝瑞から畿内近国へたびだび出兵した。守護所勝瑞は、天正10年(1582)に長宗我部氏攻略受けて焼亡し、江戸時代徳島城下町営まれる急速に衰退した。勝瑞城館跡は、旧吉野川吉野川中富川囲まれ標高2.5mの微高地上に占地し、三好存保長宗我部氏侵攻対抗するために築城したと考えられる勝瑞城跡と、三好氏居館跡推定される勝瑞館跡からなる
 勝瑞城跡は、東西105m、南北90mの不整方形呈し周囲に幅約14mの水濠が巡る。大部分三好氏菩提寺見性寺境内地となっていることから、細川氏守護館跡で、三好氏居城継承されたと考えられていたが、藍住町教育委員会平成6年から発掘調査実施したところ、1580年頃の築城短期間廃絶したことが判明した。この調査結果承けて、町教育委員会勝瑞一帯地籍図微地形調査実施し勝瑞城跡の約150m南西側の微高地東西隣接する箇所方形地割り確認した
 町教育委員会徳島県教育委員会は、平成9年度から12年度にかけて西側方形区画発掘調査行い、幅約12mの濠に囲まれた、東西120m南北150m方形館跡であることを確認した館内南西部では庭園遺構とこれに面する会所跡と推定される桁行7間、梁間間半礎石建物跡を検出した北西部でも館の主が日常生活を営んだ常御殿一部推定される桁行5間以上、梁間4間の礎石建物跡を検出した会所跡の建物跡焼土層に覆われており、出土遺物年代から天正10年長宗我部氏阿波侵攻による焼亡推定される。濠と庭園遺構構築年代16世紀後半推定され三好義賢阿波国支配実権握った天文21年(1552)頃に時期的に符合する焼土層の中からは多量京都系のかわらけ青磁白磁染付碗皿、天目茶碗武具類銭貨などが出土している。
 西側方形区画は、東西約1丁、南北約1丁半相当し山口市大内館跡に匹敵することから守護クラス居館跡考えられる。勝瑞城館跡は、阿波国戦国時代政治・経済文化中心となった三好氏居館跡とそれを守る平城跡であり、遺構遺存状態も良好である。四国及び畿内近国勢力ふるった三好氏本拠地であり、三好氏長宗我部氏抗争舞台としても重要である。よって史跡指定し保護図ろうとするものである
  勝瑞城館跡は旧吉野川吉野川中富川囲まれ標高約2.5mの微高地上に立地する二つ城館遺跡からなる勝瑞城跡は、三好存保長宗我部氏侵攻対抗するために築城したと考えられ周囲水堀土塁巡らす。その南西すぐに位置する勝瑞館跡は、三好氏居館跡推定されるものであり、このたび追加指定図ろうとするのは既指定地東側隣接地部分である。
勝瑞館跡発掘調査の成果地籍図にみえる地割などから、東西120m南北150m方形居館推定され、その東側隣接地居館存在推定されていた。史跡指定後、東側隣接地発掘調査進めたところ、幅13mほどの南北を介して大規模な庭園遺構礎石建物新たに確認された。庭園の池は東西約40m、南北約30mにひろがる。この池は東西15m、南北20mほどの部分と、これに取り付く「つ」の字状に屈曲した幅約5mの溝状の部分にわかれる。前者北岸直線的に三段上の石積みがあり、汀には拳大の礫を敷き詰めた州浜認められる吉野川南岸地域産出する緑泥片岩や、海蝕痕のある石も用いられている。池の北方約20mの位置礎石建物がある。礎石一部存在しないものがあり、全体規模不分明ながら東西8間、南北6間程度推測される
庭園礎石建物出土遺物からみて16世紀中葉造営され後半廃絶したことが知られる。この西側の既指定地部分にある庭園会所推定される遺構同時に機能していたと考えられる遺構内容からみて、このたび確認され東側区画居館中枢部の可能性もあり、勝瑞館跡当初推定されていたよりも大規模であり、内容も豊富であることが判明した。よって、この部分史跡追加し保護万全を期そうとするものである



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