『吾妻鏡』・『曽我物語』とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『吾妻鏡』・『曽我物語』の意味・解説 

『吾妻鏡』・『曽我物語』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 01:31 UTC 版)

藍沢原」の記事における「『吾妻鏡』・『曽我物語』」の解説

文献上の初出『吾妻鏡』文治元年1185年2月16日源頼朝が「藍沢原」の地で、源範頼北条義時らへ平氏攻撃一致協力するよう書き送った記録されている。 十六日甲午。(中略今日武衛歴二覧山沢一之間。於二藍沢原一。付二参州季重一被遣二御書一。又被下二御書北条小四郎殿。斎院次官比企藤内。同藤四郎等一。是征二平家一之間。各可二同心一由也。 — 『吾妻鏡』巻四、文治元年2月16日条、国立国会図書館デジタルコレクション『吾妻鏡』第1、コマ番号95現代語訳2月16日今日源頼朝武衛兵衛府)は各地山野河川視察してまわった。その途中藍沢原で、鎌倉から廻送されてきた源範頼参州三河守)の書状見て、自ら付け足し書いたまた、別の書状したため北条義時小四郎)・中原親能斎院次官)・比企朝宗藤内)・比企能員藤四郎)に差し出した手紙の内容は、平家征伐するまで皆、心を一つにして協力するべし、との内容だった。 藍沢原優れた猟場として人気があり、しばしば「藍沢屋形」と呼ばれる移動式狩猟基地設営し巻狩楽しんだことなどが、鎌倉時代様々な文書記録されている。 建久4年1193年5月には、源頼朝率い御家人団がこの地で巻狩行ったことが『吾妻鏡』『曽我物語』などに記される『吾妻鏡』5月8日条「将軍家富士野藍沢夏狩りを覧給わんがため、駿河国へ赴かしめ給ふ」、5月15日条「藍沢の御狩り、事終わって富士野御旅館入御す。」など。)。『曽我物語』では、頼朝一行を追う曽我兄弟が、小田原から西へ足柄峠越えて相沢」を目指すか、南の箱根山越えていくかで意見分かれる二人殿原田村大道に打臨みつつ、鎌倉殿は合沢の狩倉へ入らせ給ひぬと聞えければ、十郎云ひけるは、「足柄山超えて今一日も疾く行かむ」と云へば、五郎は、「筥根路へ懸らむ」と云ふ。 — 『曽我物語兄弟、筥根路に向かう、(東洋文庫)『真名本 曽我物語 2』p71、平凡社1988年現代語訳曽我兄弟二人は、鎌倉街道着いた源頼朝鎌倉殿)は合沢の狩猟場に入ったという情報入った。兄の曾我祐成十郎)は、「(西へ向かい足柄山足柄峠)を越えて急行しよう」と主張した。弟の曾我時致五郎)は、「(南へ向かい箱根山越えて行こう」と主張した結局曽我兄弟幼い頃世話になった箱根権現社別当(僧)に面会するため、箱根経由の道を選ぶ。その間源頼朝藍沢原での巻狩終え次の狩猟地である富士野移動する兄弟箱根下った三島でその報せ聞き富士野へ向かう。そして富士野曾我兄弟の仇討ち起きる。富士の巻狩り参照正治2年1200年)閏2月8日には源頼家が(『吾妻鏡』)、嘉禎3年1237年7月25日仁治2年1241年9月14日にも、北条経時らが巻狩行ったと伝わる(『吾妻鏡』・『古今著聞集』)。 京都から鎌倉下向する者にとっては、藍沢原東国に入る前の最後平地だった。承久の乱1221年)では、後鳥羽上皇重臣として鎌倉幕府への反抗主導した藤原宗行藤原光親らが捕縛され鎌倉護送される途上承久3年1221年7月14日に「藍沢原」で処刑された(『吾妻鏡』承久3年7月14日条)。御殿場市新橋付近がその地であると伝わる。

※この「『吾妻鏡』・『曽我物語』」の解説は、「藍沢原」の解説の一部です。
「『吾妻鏡』・『曽我物語』」を含む「藍沢原」の記事については、「藍沢原」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『吾妻鏡』・『曽我物語』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『吾妻鏡』・『曽我物語』」の関連用語

『吾妻鏡』・『曽我物語』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『吾妻鏡』・『曽我物語』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの藍沢原 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS