『別離』とは? わかりやすく解説

『別離』(1939年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 14:00 UTC 版)

イングリッド・バーグマン」の記事における「『別離』(1939年)」の解説

バーグマン初めアメリカ渡ったのは1939年のことで、アメリカ映画『別離』(1939年)に出演するめだった。『別離』はバーグマン主演した1936年スウェーデン映画間奏曲』の英語版リメイク作品で、ハリウッド映画プロデューサーデヴィッド・O・セルズニックが、バーグマンハリウッド招いて製作した映画である。この映画でのバーグマンの役は、レスリー・ハワード演じる名ヴァイオリニストピアノ伴奏者で、妻子あるこのヴァイオリニストとの恋愛関係落ちていくというものだった自身が英語をろくに話すことができないことと、アメリカ観客からの受けも不明瞭だったため、バーグマンアメリカで出演する映画は『別離』が最初で最後で、すぐにスウェーデンに戻るものと思い込んでいた。バーグマンの夫の医師ペッテル・リンドストロームはスウェーデン残っており、1938年生まれた一人娘であるピアとともにバーグマン帰国待っていたという背景もあった:63。 『別離』の撮影のためにバーグマン1939年5月6日ロサンゼルスへ到着し宿泊先が見つかるまでセルズニックの家に滞在した当時まだ子供だったセルズニックの息子ダニーは、セルズニックがバーグマンについて「英語が話せない、背が高すぎる、名前があまりにドイツ風だし眉も太すぎる」という欠点挙げていたと語っている。しかしながらこのようなセルズニックの懸念外れバーグマン外見も名前も変えることなく、すぐにアメリカ観客たちに受け入れられた:6。『ライフ』誌はバーグマン特集記事で「彼(セルズニック)が彼女(バーグマン)を成功へと導いた」と指摘している。セルズニックはバーグマンが、どこの誰だか分からなくなるくらいに厚化粧を施すハリウッドメイクアップアーティストたちに恐怖心抱いていることを知っており、バーグマンのことを「そっとしておくように指示」した。またセルズニックはバーグマンが持つ天性美貌が「人工的に飾り立てたハリウッド女優たちに勝るとも劣らないことも確信していた。当時のセルズニックは『別離』と並行して『風と共に去りぬ』の製作も手がけていた。このときにセルズニックは広報担当ウィリアム・ハーバートに、バーグマン印象綴った書簡送っている。 バーグマン今まで私がともに仕事をした中で、もっとも優れて誠実な女優だ。何も考えていないように見えるかもしれないが、その仕事ぶりには文句つけようがない。撮影スタジオ離れることもほとんどなく、彼女の控え室撮影間中そこで暮らすことができるんじゃないかと思うくらいに整えられている。彼女は午後6時になると同時に仕事をやめてしまうような女優じゃない『風と共に去りぬ』には4人の映画スター出演していて、みんな最上級控え室占有しているから、彼女にはもっと小さな控え室しか用意できなかった。それでも彼女は今までこんなに豪華な控え室初めてだといって大喜びだったよ。まったく気取ったところのない稀有女優だから、彼女を売り出すときには重々しさ付け加えるようにすべきだね。生来美しさ思慮深さ誠実さは、彼女を伝説的な女優にすることだろう。さらに、このうえなく清らかな性格容貌が、私に彼女との契約決心させた理由だ:135136。 『別離』は大きな興行的成功収めバーグマン一躍人気女優となった。『ライフ』誌の特集記事によると、監督のグレゴリー・ラトフ (en:Gregory Ratoff) はバーグマンを「まったく驚くべき女優であると評した。さらに『ライフ』誌には、撮影現場作業員たちバーグマンのためならば自身仕事後回ししかねないほどに心酔し、さらに共演者スタッフも「すぐに(バーグマンに)信頼を寄せるようになり、彼女の演技方向性台詞まわし細心の注意を払うようになった」と記されている。イギリス人映画評論家ディヴィッド・トムソン (en:David Thomson (film critic)) はバーグマンが「大きな衝撃ハリウッドアメリカ与えた」とし、化粧気のないその容貌が「気高い雰囲気」づくりに貢献した指摘している。『ライフ』誌には、バーグマンハリウッド映画出演してからは、背が高くバーグマン身長は約175cm)「栗色の髪と青い目を持つ女性は、極度に内気ではあるけれど、内心親しみやすく温かで、誠実かつ控えめ笑顔持ち主」という一般的な印象持たせるまでになった記されている。セルズニックはバーグマン独自性高く評価し、その妻アイリーン (en:Irene Selznick) とともに女優バーグマンの全キャリア渡ってかけがえのない友人となっていった:76

※この「『別離』(1939年)」の解説は、「イングリッド・バーグマン」の解説の一部です。
「『別離』(1939年)」を含む「イングリッド・バーグマン」の記事については、「イングリッド・バーグマン」の概要を参照ください。

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