興行的成功
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 22:20 UTC 版)
相良智弘によれば、日本映画のヒットの目安は日本映画製作者連盟が10億円以上の映画を発表するという理由から総興行収入10億円となる。キネマ旬報によれば、1999年までは配給収入10億円以上が大ヒットの基準だったが、近年では制作コストの増加により総興行収入10億円を最低ラインとし、総興行収入30億円以上が大ヒットの基準である。 アメリカでのヒットの目安は総興行収入1億ドル以上、年間トップ10を狙える大ヒットは2億ドル以上となっている。 ミニシアターで公開されるアート系作品については、総興行収入5000万円以上で大ヒット、1億円を超えれば年間1位を狙えるメガヒットといった基準が存在したが、シネマコンプレックス全盛の2014年現在は基準が存在しないとも相良智弘は語っている。 日本映画の場合、配給収入から配給会社が宣伝費および配給実費(フィルム配給の時代はプリント費がかなり高額を占めた)をトップオフし、そこから契約で設定された比率の配給手数料を差し引いた残りが製作会社(または製作委員会)の取り分となる。したがって配給収入がトップオフ分に達しない場合は、どれだけ高予算作品であっても劇場興行においては製作会社には1円も入らないことになる。仮に製作費10億円の映画に宣伝費等として2億円がかけられ、配給収入/興行収入が50%、配給手数料が30%と設定されていた場合、30億円の興行収入でも製作会社は1.5億円の赤字になる。製作費を5億円に抑えた場合、興行収入が20億円で製作費が回収されることになる。実際はTV放映料、ビデオ販売収入などの二次収入が見込まれるため、採算点はもう少し低くなる。 山崎貴監督は2014年のインタビューの中で、予想される興行収入が15億円ならば、DVDでの収益を見込んでも製作費を5億円に抑えると発言している。
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