「科学革命」の提唱とは? わかりやすく解説

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「科学革命」の提唱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 04:42 UTC 版)

ハーバート・バターフィールド」の記事における「「科学革命」の提唱」の解説

バターフィールドは、1949年著作近代科学誕生』The Origins of Modern Science において、近代画する時代区分点として、従来ルネサンス宗教改革よりも、17世紀近代科学成立という事象をあて、これを産業革命ならって科学革命」と呼称した。 16世紀から17世紀にかけて、天文学上の発見契機従来宇宙観世界観転換し近代科学成立へとつながったそれまで天動説から地動説へパラダイム転換し力学上の大発見相次いだバターフィールド考えによればこうした科学革命」の中心人物は、ニコラウス・コペルニクスポーランド)、ヨハネス・ケプラードイツ)、ガリレオ・ガリレイイタリア)、アイザック・ニュートンイングランド)の4名であった地動説は、単に惑星位置の計算方法変更とどまらず当時宇宙観そのもの大きな影響与えたまた、ガリレイによる自由落下運動の法則など力学的な発見は,中世における目的論的自然観物体それぞれの目的向かって運動するというアリストテレス的な自然観)に変更をせまるものであり、ニュートンによるニュートン力学発表は、これまで地上のもの」と「天上のもの」とを二分してきたキリスト教世界観くつがえした一方多く技術革新原動力となって18世紀における蒸気機関の開発さらには産業革命へとつながった実験など、誰にでも再現可能な方法によって自説正しさ証明するという方法がとられはじめたのもまた、この時代からである。それ以前経験知軽視して論理もっぱら重視する哲学的真理追究され、科学的な証明方法観察はあまり重要視されてこなかった。ガリレイは球を転がし振り子往復させ、読者に同じ実験再現させることによって自説正しさ証明したし、ケプラールドルフ星表作り天動説よりも地動説のほうがより精密に惑星運行計算できることを明示した。これらの手法は哲学にも大きな影響与えたバターフィールドは、『近代科学誕生』のなかで「この革命科学革命)は近代世界近代精神真の生みの親として大きく浮かび上がってきた」と述べ科学革命意義歴史的重要性説き近代科学成立ヨーロッパだけでなく世界当てはまる普遍的時代区分として、より妥当なものと考えた。この、科学革命近代嚆矢とする時代区分は必ずしも今日採用されてはいないが、「科学革命」ないし「17世紀科学革命」という用語そのものは、当該時代象徴するタームとして多く科学史家・一般史家採用されている。 なお、『近代科学誕生』はまた、一般史家わかりやすく叙述した科学史概説書としても好著とされている。

※この「「科学革命」の提唱」の解説は、「ハーバート・バターフィールド」の解説の一部です。
「「科学革命」の提唱」を含む「ハーバート・バターフィールド」の記事については、「ハーバート・バターフィールド」の概要を参照ください。

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