「実録」という呼称とは? わかりやすく解説

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「実録」という呼称

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 08:38 UTC 版)

実録シリーズ」の記事における「「実録」という呼称」の解説

こうした「実録」という呼称は、イタリアマフィア実態克明に描写した1972年の『バラキ』あたりから用いられるようになったと書かれた文献もあるが、『バラキ』と『仁義なき戦い第一作公開1ヵ月しか違わず、『キネマ旬報1972年11月下旬号の『バラキ』の特集でも「実録」という言葉使われていない1972年7月『ゴッドファーザー』日本公開され間もなく東映岡田茂社長が「『ゴッドファーザー』は、東映任侠映画大掛かりにしただけの作品事実避けて通らず克明に描いたところに大衆引きつける魅力がある。便乗企画といわれればそれまでだが、東映でも日本版マフィア映画作るべきだ」と指示し、"和製ゴッドファーザー"として『仁義なき戦い』の製作を決定した。これが日本の「実録ヤクザ映画」の実質的なスタートであるが、『キネマ旬報1972年9月下旬号の「世界映画作家」という記事岡田は「時代動きに応じて変わっていくが1972年の今求められているのは"実話性"の強いものではないか。『ゴッドファーザ』にしてもしかり。私は"実態映画"という名で呼ぶが、こういうものはスターシステムとは別の魅力発揮される東映でもこうした"実態映画"を大作構え作っていきたい小さな作品にしたのでは魅力はない。同じやくざものでも『博奕打ち外伝のような作品スター並べた伝統的なものとして今後もつくり、一方で仁義なき戦いのようなものを大がかり撮って行きたい政界題材にするのもいい、警察内部実態でもいい、週刊誌話題になるバー内部面白いだろう。これなどは新しい形の"女性映画"になりうると思う」などと話し、この時点で、この後展開される東映実録路線」のコンセプトを既に着想しており、さらに『キネマ旬報1972年10月上旬号のインタビューでは「私は日本アクション映画には限界があると思う。実際ギャングがいないのだから、現実虚構接点が薄いわけだ。欧米のそれをマネても当たらない土壌が違うんで観客バカにしちゃってる。日本アクション日本中にあるものから考えなければならない。私もいろいろやったがやはり当たらなかった。欧米日本ではヤクザ実態違い過ぎるんだ」などと話しており、「任侠映画」から「実録映画」への転換構想していた。1972年春の看板スター藤純子引退で、「任侠映画」に翳り見え路線転換悩んでいた岡田暗中模索の中で閃いたのが「実録路線」「実録シリーズであった。このインタビューでは岡田は"実録"という言葉使っていないが、1972年9月1日東映笠原和夫に『仁義なき戦い』の脚本執筆依頼したとき、笠原は「"実録"という言葉初め聞いた。それで会社はいよいよロッセリーニをやるのかと思った」と話しており、『ゴッドファーザー』日本公開され1972年7月から間もない同年夏の時点で、東映関係者は"実録"という言葉使っていたと考えられる用語として定着するのは1972年11月21日東映本社で『仁義なき戦い』の製作発表が行われ、"実録映画路線"の第一弾として発表してからで、「従来任侠映画的なヤクザ美化したものでなく、実録の持つ迫力をドキュメンタリー・タッチのドラマとして、ヤクザの裏面を衝撃的に描く」と説明した1972年暮れから『仁義なき戦い第一作公開近づくにつれ、何もの宣伝ポスターアド(広告)などを製作して新聞掲載したり、劇場内に次回告知として貼り付けたが、このポスターなどに、"実録シリーズ第一弾"、"日本の実録超大作"などと惹句キャッチコピー)を入れて盛んに煽った実録ものは、覗き見趣味的効果もあり、異様なパワー持って観客新鮮な感覚与えた

※この「「実録」という呼称」の解説は、「実録シリーズ」の解説の一部です。
「「実録」という呼称」を含む「実録シリーズ」の記事については、「実録シリーズ」の概要を参照ください。

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