「乳房よ永遠なれ」の映画化とその影響とは? わかりやすく解説

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「乳房よ永遠なれ」の映画化とその影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:13 UTC 版)

中城ふみ子」の記事における「「乳房よ永遠なれ」の映画化とその影響」の解説

乳房よ永遠なれ (映画)」も参照 女優であり、当時映画監督にもその活躍の場広げていた田中絹代は、「乳房よ永遠なれ」を読んで感動し映画化進め決心をした。田中絹代これまで監督として2本の映画恋文』『月は上りぬ』を撮っていたが、田中絹代本人映画化決めたわけではなく完成した映画脚本手掛けた成瀬巳喜男小津安二郎影響が強いものであった。しかし3本目の作品として選んだ乳房よ永遠なれ」は、監督田中絹代脚本田中澄江、そして主人公は当然、中城ふみ子映画では下城ふみ子)と、女性女性を撮るという当時としては画期的な映画として制作始まった脚本執筆担当した田中澄江は、執筆にあたり乳房よ永遠なれとともにふみ子歌集乳房喪失」、「花の原型」を読んだ各作品ふみ子の姿から田中澄江はまず、常に彼女が問題としてき日本的な結婚あり方問題テーマのひとつとなっていたことを見た。そしてふみ子作品とは、普遍的な女性の生活を基盤したものであると判断した。そして「乳房よ永遠なれ」の映画化について田中絹代監督としては当時日本映画では他にほとんど居なかった女性監督として自立目指す意気込みとともに、「女の立場から女を描いてみたい」との思いがあった。 映画の中では、当時妻もの、母ものと言われ映画のように、自らを犠牲にして子どものために尽くし、夫からの冷たい扱いに耐え続け女性像、いわば受動的な女性像描かれてはいる。しかし映画主題積極的に男を求める、誰かのためにではなく自分のために生きようとするふみ子の姿であった。しかも映画におけるふみ子性愛ロマンチックな姿ではなく肉感的描かれ積極的に男を求め姿勢ふさわしくあくまでふみ子主体のものであった監督田中絹代は、これまで俳優として男性社会の中で生き死んでいく役を演じ続けそのような中で一種男性不信を抱くようになっていた。「女の立場から女を描いてみたい」との田中絹代願いは、映画乳房よ永遠なれ」において、主体的に性を楽しむ、自分のために生きる女性像として結実した日本映画におけるこのような女性像は、「乳房よ永遠なれ」のふみ子初めての例であった映画主役であるふみ子月丘夢路演じたこれまで誰も演じたことが無いタイプ主役演じることに月丘は強い意欲見せ札幌医科大学附属病院病室訪れふみ子亡くなったベッド触れてみたりもした。封切された週は東京都内トップ観客動員となり、地元にあたる札幌では通常1万5千人程度である観客動員数が6記録するなど、映画興行的に成功収めた当時の映画専門誌評にも、「ここに、はじめて日本にも女流監督作った作品現れといって良い」との評がなされ、キネマ旬報1955年ベストテン投票では16となった一方ふみ子の師の一人である野原嶺は、映画描かれふみ子現実よりも自由奔放かつエロチックであり、イメージ誤解生まれ原因となった語った実際映画上のふみ子像は現実のものとはかけ離れた面があった。また映画公開絡んでふみ子前夫中城博が映画会社相手詐欺事件起こし、その上北海道新聞ふみ子のことを批判する手記載せた更には全国的にふみ子に関する真偽不明記事報道されもして、家族関係者はそれらに悩まされることになったこのような状況ではふみ子短歌について、冷静な分析鑑賞評価を行うことは無理であり、情に絡んだ賞賛批判が続くことになった

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