「予想外」が連鎖したドライバー移籍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 22:54 UTC 版)
「2018年のF1世界選手権」の記事における「「予想外」が連鎖したドライバー移籍」の解説
サマーブレイクを迎えた頃、ドライバー市場の動きも活発化して多くのドライバーの去就が注目を浴びたが、今年は多くの電撃移籍が発生した。特に優勝を狙える3強チームのうち、メルセデスは早々にハミルトンとボッタスの続投を発表。フェラーリはベッテル、レッドブルはフェルスタッペンの契約が残っているため3強のシートで確定していないのは2席であった。 その確定していない1人であったリカルドはサマーブレイクまでレッドブル残留が確定的と報じられていたが、来季よりルノーと2年契約を結んだことを正式に発表して衝撃を与えた。チームメイトはニコ・ヒュルケンベルグ。これによりルノーは契約の残るヒュルケンベルグとリカルドで確定、トロ・ロッソから1年間のレンタル移籍となっていたサインツが押し出されたため古巣へ戻る形でレッドブルへ昇格する報道もあったが、マクラーレンのアロンソが8月14日に引退を発表、サインツはその後任として迎えられることによりレッドブルとの関係を終えた。結果、リカルドの後任にはトロ・ロッソのガスリーがデビュー2年目にして抜擢され、そのガスリーの後任はレッドブル・ジュニアチームにライセンスポイントの条件を満たせるドライバーが不在ということもあり、前年途中でトロ・ロッソから解雇され、フェラーリの開発ドライバーに転身していたダニール・クビアトの再起用が決定。トロ・ロッソのもう1席は前述の影響でブレンドン・ハートレイの続投という見方もあったものの、特筆すべき成績を残せていなかった事もあり、シーズン中から解雇の噂が絶えず、その過程で多数の候補者の名前が挙がった末、アレクサンダー・アルボンの起用が決定。これによりハートレイは1年でシートを失い、そのままF1を去るかと思われたが、マシンの開発能力が評価され、フェラーリが2019年の開発ドライバーとして起用したことを発表。結果的にクビアトと入れ替わる形となった。 フェラーリのもう1席は、ライコネンがこの年は5年振りの優勝などベッテルやメルセデス勢を脅かすほどの活躍を見せた。その一方でフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に在籍し同年ザウバーからデビュー後に評価を上げたシャルル・ルクレールに来季のシートを明け渡す、との報道が流れ始めたのに対しライコネンは実質ノーコメントを貫いていた。そんな中、ルクレール起用の最先鋒だった会長のセルジオ・マルキオンネが急逝。一旦はライコネンのフェラーリ残留の見方が有力となったが、生前のマルキオンネが締結したと言うルクレールとの仮契約の一件や彼自身の年齢の観点からライコネン引退説までもが流れる。発表予定日から遅れて9月11日にフェラーリはルクレールとの契約を正式発表。それに合わせ、ザウバーがライコネンの契約を正式発表された。ただしライコネン曰く、フェラーリ放出決定後にザウバーとの交渉を開始し、2020年までの2年契約が成立したことによるもので、双方のシートがトレードという形となったのはあくまで結果論と語っている。この余波を受けたのがザウバーのマーカス・エリクソンで、これまでエリクソンはスポンサーとの強固な関係を生かして来季も残留確定と見られていたが、アルファロメオとフェラーリの繋がりからザウバーのレギュラードライバー2人のうち1人をフェラーリが指名できるとされており(ライコネンはフェラーリ放出が決まった直後にザウバーが独自に契約した)、その枠にFDA所属のアントニオ・ジョビナッツィを起用したため、リザーブドライバーに降格となった。 フォース・インディアは当初2名とも残留が有力視されていたが、チームの買収元がランス・ストロールの父親率いるコンソーシアムだったためストロールの移籍が早々と確実視されたほか、チーム消滅の危機から救ったペレスも残留が確定的であったため、バックアップの薄いオコンは他チームへの移籍を狙うこととなるが、支援元であるメルセデスを始めほとんどのシートが埋まっていたほか、オコン自身がメルセデス育成ドライバーという点が障害となって移籍先が見つからず、次年度はメルセデスのリザーブドライバーとなった。 ウィリアムズはストロールが上記の理由でチームを去る事が確定的となったため、その後任が誰になるか注目を浴びた。その中でリザーブドライバーを務めるクビサの復帰が何度も噂されたが、ウィリアムズが最初に契約を発表したのはメルセデス育成ドライバーのジョージ・ラッセルであった。そしてシーズン終盤になりシロトキンに代わってクビサの起用が発表され、2010年以来となる9年振りのF1復帰が決まったことから、シロトキンは1年でF1を去ることになった。
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