「パキスタン」構想とは? わかりやすく解説

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「パキスタン」構想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:13 UTC 版)

ムハンマド・アリー・ジンナー」の記事における「「パキスタン」構想」の解説

アーガー・ハーン3世、チョウドリー・ラフマト・アリー、ムハンマド・イクバールなどのイスラーム指導者は、ジンナーが再びムスリム側の団結とりまとめてくれることを期待してインドへの帰国促した1934年ジンナー帰国してムスリム連盟再編成奔走し始めたジンナー活動にはリヤーカト・アリー・ハーンen)の協力があった。しかし、1937年実施され総選挙では、全国ムスリムのわずか5%しか支持得られかったばかりではなくムスリム多数占めパンジャーブシンド北西辺境州といった地域でも惨敗喫した惨敗原因は、パンジャーブベンガル含めた全国規模でのムスリム置かれ状況政治課題掲げていたジンナーをあくまで個人レベル支持する層はいたが、各地結成され地方政党宗教を軸に結成され政党ではなくあくまでも農民階層権益保護目的としていた。したがって農民支持はこれら地方政党流れた。しかし、インド国民会議派が「大衆との接触運動展開すると、徐々にではあるがムスリム側にもヒンドゥー色が強くなる国民会議派対す疑念生じようになった。その過程で、「パキスタン」構想が現実味をもったものとして急浮上してきたのである。 「パキスタン構想」の端緒は、ムハンマド・イクバールによるムスリムインド国内でまとまった領土を持つことを主張した1930年連盟議長演説である。1933年には、チョウドリー・ラフマト・アリーにより北西インドを「パキスタン」と呼ぶパンフレット配布された。ジンナームスリム連盟全国的に支持集めるため従来考え捨てイクバール提唱した「パキスタン」構想の実現へと方針大きく転換させた。この構想に基づきムスリムが自らの権益護るためにはヒンドゥー多数占め統一インドとは別個の独立国家が必要であるという主張展開された。ジンナーは、ムスリムヒンドゥー明確に別個の民族であり、両者の間には妥協して歩み寄る余地のない決定的相違があるという考えを持つにいたり、このような考えは、後に「二民族論」(Two-Nation Theory)として知られるうになる 。この考えは後にパキスタンインドとは別個の国家として分離独立するさいの基礎理念となったジンナーは、もしヒンドゥー多数派インドと一体となった形で独立した場合そのような国家においてムスリム社会周縁においやられ、最終的にヒンドゥームスリムの間での内戦発展するだろうと宣言したジンナー考え方転換は、イクバールジンナー親密な関係を築いたためであるとされる第二次世界大戦中1940年開催されムスリム連盟ラホール大会において、ラホール決議Lahore Resolution)が採択された。ジンナーは、議長演説で以下のように述べた広く認知されているように、ムスリム少数民族ではない。……国民という言葉いかなる定義に照らしても、ムスリム一国民であり、その故国、その国土、その国家をもたなければならない。われわれは、自由で独立した国民として、隣国人々とともに平和に協調しつつ生活することを願う。我々は、我々の国民が、最善思われる方法により、理想したがい資質生かし精神文化経済社会政治十二分に発展させることを願う。 こうして、ジンナーは「インド亜大陸ヒンドゥームスリム互いに異なった民族である」(二民族論)と宣言しムスリム人口が多数占め地域ヒンドゥー人口多数地域とは別に独立することを目指す決議採択させた。 この様ジンナー主張は、統一国家としての独立目指す国民会議派によって否定され、またマウラーナー・アブル・カラーム・アーザード(en)、ハーン・アブドゥル・ガッファール・ハーン(en)、マウドゥーディーといったイスラーム指導者、あるいは他のムスリム政党ジャマーアテ・イスラーミーからの非難浴びた1943年にはジンナー敵視する政治団体から暗殺されかかり、その際刺傷負った

※この「「パキスタン」構想」の解説は、「ムハンマド・アリー・ジンナー」の解説の一部です。
「「パキスタン」構想」を含む「ムハンマド・アリー・ジンナー」の記事については、「ムハンマド・アリー・ジンナー」の概要を参照ください。

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