《受け取り》の敬語
「受け取り」の敬語表現
「受け取り」の敬語表現ではまず、美化語をつけて「お受け取り」の形にします。そのうえで、「お受け取りになる」「お受け取りくださる」「お受け取りいただく」といった敬語に直すのが基本です。「受け取り」の敬語の最上級の表現
「受け取り」の敬語の最上級では、丁寧語を用いて「お受け取りになられます」「お受け取りくださいませ」「お受け取りいただきます」などの言い回しにします。また、「なにとぞお受け取りになられますよう」「ぜひお受け取りくださいませ」などの形で、敬意を強調する手法もあります。「受け取り」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「お受け取り」に丁寧語を付け加えた文章は、ビジネスメールや手紙で頻繁に使われている敬語です。特に、お客様や取引先など、社外の人に対して用いられることが多いといえます。以下、例文です。「失礼ですが念のため、確認のご連絡をさせていただきました。先週に発送した荷物は、お受け取りになられたでしょうか」「お受け取りになられました資料について、間違いがございました。添付のファイルにて、修正点をご説明させていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「ご注文の品に加え、特典も同封しております。ぜひともお受け取りくださいませ」
「弊社にて、完成品をひとまず預かっております。明日中にはお受け取りいただきますよう、くれぐれもよろしくお願いいたします」
「受け取り」を上司に伝える際の敬語表現
上司とのやりとりでも、「お受け取り」を使った敬語は普通に使われています。むしろ、「受け取り」のままでは失礼にあたるので注意しましょう。また、「なにとぞ」「くれぐれ」などの強調の語句も効果的です。「お受け取り」とは上司の行動について示している表現なので、丁寧さをはっきりと示すほうが無難です。「受け取り」の敬語での誤用表現・注意事項
「お受け取り」を用いた敬語は、目上の人が主語のときに使用しましょう。なぜなら、自分の行動に対して美化語の「お」をつけるのは、間違いになる場合が多いからです。「私はお受け取りになりました」といった文章にしてしまうと、自分で自分の行動を美化していることになります。敬語表現は自分がへりくだるか、相手に敬意を込めるかが基本です。仮に自分が「受け取り」をするのであれば、「受け取りをいたしました」「受け取りをさせていただきました」など、謙譲語を用いるようにしましょう。なお、「お受け取りになる」「お受け取りくださる」「お受け取りいただく」といった3種類の敬語については、使い分けの基準が諸説あります。ただ、ビジネスシーンでは無理に使い分ける必要はありません。なぜなら、これらの言葉は主語が目上の相手である以上、ほとんど意味が変わらないからです。前後の文章で「いただく」が登場していたなら、「お受け取りになる」や「お受け取りくださる」を使うなど、状況に応じて使い分けましょう。
「お受け取りくださる」は結びに相応しいフレーズで、「お受け取りいただく」は感謝の意を示す語句との意見もあります。しかし、これも明確なルールではなく、守らなかったからといって間違いになるわけではありません。重要なのは、主語が目上の相手であり、「お受け取り」と敬語が続いている点です。
「お受け取り」を用いた敬語の注意点は、過剰に丁寧な印象を与えないことです。「お受け取りになる」「お受け取りくださる」「お受け取りいただく」といった表現は、いずれもかなり丁寧なニュアンスを含んでいます。そして、日本語ではあまりにも丁寧さを強調すると、かえって相手を見下しているような雰囲気になってしまいます。相手との関係性を考えつつ、ほどよく丁寧な文章にすることも大切です。
たとえば、親しい相手への文章では「くれぐれもお受け取りになられますようお願い申し上げます」とまで、敬意を示す必然性はありません。「お受け取りしてもらえますか」くらいの言い回しでも、相手が不愉快になる可能性は低いでしょう。敬意の加減が難しいときは、「失礼ながら」「お手数ですが」といったクッション言葉を前置きに使うのもひとつの方法です。
「受け取り」の敬語での言い換え表現
「お受け取り」を用いた敬語に近い語句として、「ご査収いただく」「ご笑納いただく」「受理いただく」「受領いただく」などが挙げられます。いずれもおおまかな意味は「お受け取りになる」「お受け取りくださる」「お受け取りいただく」と変わりません。ただ、より具体的に状況を制限する言い回しです。「ご査収いただく」はビジネスシーンで、「ご笑納いただく」はギフトの贈呈で使います。「受理いただく」は申請について、「受領いただく」は金銭についての言葉です。それぞれのシチュエーションで、「お受け取り」よりもはっきりと行動を示したいなら、これらの言葉に置き換えましょう。そのほか、贈り物に対しての「お納めいただく」や、文章に対しての「お目通しいただく」などもよく知られている敬語表現です。これらのフレーズはビジネスシーンでも定型化しており、違和感なく使えます。「お受け取り」を言い換えたい場合に用いてみましょう。
《受け取り》の敬語
「受け取り」の敬語表現
「受け取り」を敬語表現にする場合、どの立場で言い換えるかということがポイントになります。受け取る相手を主体にするのであれば尊敬語、自分が受け取るなら謙譲語、聞き手やその場にいる人に敬意を示すなら丁寧語を使って表現します。たとえば相手を直接敬うのであれば尊敬語の「お受け取り」、これを「受け取る」と動詞にするなら、尊敬語の一般形「お…になる」を用いて「お受け取りになる」となります。受け取る本人が自分であれば「拝受」、動詞にする場合は、「拝受する」か謙譲語「もらう」の特定形を用いて「いただく」「頂戴する」などと言い換えます。「受け取り」を丁寧に「受け取ります」と言えば、特定の相手ではなく、その場にいて聞いている人すべてに敬意を示す意味になります。「受け取り」の敬語での誤用表現・注意事項
受け取る主体を相手に置いて敬語を使う場合は「お受け取りになる」という尊敬表現になりますが、よりいっそう敬意を込めて言おうとするあまり「お受け取りになられる」としてしまうような場合があります。これは誤った言い方です。尊敬表現の「お…なる」がすでに敬語として成立しているのに、さらに尊敬の助動詞「られる」を用いることで、一つの文中に二つの敬語の重なりを禁じる二重敬語の誤りを犯してしまっているからです。また、受け取る主体を自分にして「拝受する」という謙譲表現を使う場合、謙譲語の一般形「お(ご)…する」を用いて「ご拝受する」と表現してしまうケースもあります。これは「拝受」がすでに謙譲表現であるため、敬語が重なってしまうことになり、不適切な言い回しです。例外はありますが、原則として一文には一つの敬語という基本を忘れないようにしましょう。「受け取り」の敬語での言い換え表現
「受け取り」は「受領」「査収」「領収」などと言い換えることができます。受領は「金品などを正式にもらう」という意味合いで、「する」の謙譲語「いたす」をつけて「ご送付の品、確かに受領いたしました」などと敬語表現にすることができます。査収は、「中身をよく確かめて納める」という意味で、「お送りした内容をご査収ください」などと使います。「ご査収」の「ご」が尊敬語で相手への敬意を表します。査収と同様に金品などを受け取り納める意味の「領収」も「上記の金額、まさに領収いたしました」などと使用します。「受領」は受け取る主体が自分であることが多い言葉なので、謙譲語「いたす」をつけて敬語表現にします。このほかにも、丁寧語を使って簡単に「受け取りました」「いただきました」と表現することもできますが、これも敬語表現として十分に成立しています。- 《受け取り》の敬語のページへのリンク