《受け取ってください》の敬語
「受け取ってください」の敬語表現
「受け取ってください」は、ビジネスや普段の生活において、お土産やプレゼントなど相手に何かを受け取って欲しい時に使う言葉です。「受け取ってください」という言葉は、文末に「ください」という尊敬語の丁寧な表現を使用されていますが、敬語表現としては十分とは言えません。「受け取ってください」の敬語表現としては、「お受け取りください」「お受け取りくださいませ」「お受け取りいただけますか」などの使用が適当でしょう。接頭語の「お」を「受け取る」の前に付けることで、「受け取る」という相手の動作を敬った丁寧な表現となります。文末は、いずれも尊敬語や謙譲語を用いており、全体として適切な敬語表現となっています。
「受け取ってください」の敬語の最上級の表現
「受け取ってください」の敬語の最上級の表現としては、「お受け取りいただけますと幸いに存じます」があります。「お受け取りいただけますと幸いに存じます」は、大きく分けて「お」「受け取る」「いただく」「〜と」「幸い」「存じます」の6つにわけられます。前述のように接頭語の「お」を「受け取る」という動作に付けて相手の動作を敬った丁寧な表現とします。「いただく」は「もらう」の謙譲語です。「ください」は「くれ」の尊敬語ですが、乱暴に表現すると「受け取ってくれ」という意味になります。「受け取って欲しい」という気持ちを表した方が優しい表現となり、「お受け取りいただきたい」といった「いただく」という言葉を用いると、やわらかい表現で相手に配慮した敬語表現になります。「〜と」という仮定を表す表現も、「受け取ってくれ」という自分の一方的な気持ちにならずに、「もしも受け取ってもらえたら」というやわらかく相手に配慮した意味合いを持たせることができます。「幸い」に関しても、自分の気持ちをやわらかく伝えることで丁寧な印象を与えることができます。文末の「存じます」は、思うという意味の「存ずる」の謙譲語に「ます」という丁寧語がついた言葉で、自分をへりくだって相手を敬う丁寧な表現となります。
なお、「幸せ」という言葉を「幸甚」と表すことも可能です。「幸甚」の場合は、口語よりも文語での使用が適しているので、メールや手紙での使用が望ましいでしょう。
「受け取ってください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「受け取ってください」の敬語をビジネスメールや手紙で使用する場合には、受け取って欲しいものによっても適切な敬語表現が変わってきます。相手に依頼されて自分が送るもの(注文品など)なのか、自分から率先して送るもの(お礼の品など)なのかなど、状況に合わせた敬語表現を心がけましょう。「本日は〇〇のご注文をいただき、誠にありがとうございます。営業の〇〇が明日貴社の訪問予定とのことで、その際ご注文の品を持ってまいります。どうぞお受け取りくださいますようお願いいたします。」
「この度は2人の祝儀にあたり、親戚の皆様から多くのお祝いを賜り誠にありがとうございました。お礼のしるしとして心ばかりの品を贈りさせていただきましたので、お受け取りいただけますと幸甚に存じます。」
「サンプル品とカタログを送らせていただいております。ご多忙中のことと存じますが、どうぞお受け取りいただきますようよろしくお願いいたします。」
「受け取ってください」を上司に伝える際の敬語表現
「受け取ってください」の敬語表現を上司に伝える場合には、メールや手紙の場合と同様に、受け取って欲しいものによって使用する敬語表現が変わってきます。自分から渡すものなのか、他者から受け取ったものを渡すのかで敬語表現は変わってきます。なお、他者からのものを渡す場合は、報告を含めて簡潔な言葉で表すことが望ましいでしょう。「〇〇部長、〇〇商事に依頼されていた見積書とサンプル品が届きましたので、お受け取りください。」
「〇〇課長、この度の出産にあたって過分なお祝いを頂戴しましてありがとうございました。ほんの感謝の気持ちですが、お受け取りいただけると幸いです。」
「〇〇部長、来年の行事の予定表が出来上がりましたのでお持ちしました。お受け取りをよろしくお願いします。」
「受け取ってください」の敬語での誤用表現・注意事項
「受け取ってください」の敬語表現は、相手に「受け取ってもらう」という意図で使用する言葉ですが、言葉の表現方法によっては「受け取る」という動作を強要されていると感じさせてしまう場合もあるので注意が必要です。仕事などの業務の流れとして物のやり取りをする際は、「お受け取りください」のように簡潔な言葉で伝えることが望ましいこともあります。しかし、プレゼントやお礼の品や手紙といった自発的にものを差し出す際には、相手の都合を考えた内容を含ませて言葉を伝えることが適切でしょう。相手に配慮を入れつつ「受け取って欲しい」という思いを込めた敬語表現を用いることで、相手が「気持ちよく受け取ることができる」ようになりますし、しっかりと相手を敬った関わりができていると言えるでしょう。「受け取ってください」の敬語での言い換え表現
「お受け取りいただきたく存じます」「お受け取りくださいますようお願いいたします」
「お受け取りいただければ幸いです」
「お受け取りくださいますか」
「ご査収ください」
「ご検収ください」
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