《反物》の正しい読み方
「反物」の正しい読み方
「反物」の正しい読み方は、「たんもの」である。なお、「反」という字には、「そ(る)」・「はん」・「たん」、また、「物」には「もの」・「ぶつ」などの読みがあるが、「そもの」や「はんもの」、「はんぶつ」と「反物」を読むのはいずれも間違いである。「反物」に、「たんもの」以外の正しい読みは存在しない。「反物」の意味解説
「反物」は、和服用の織物の総称である。着物を仕立てる前の布は、巻いた状態で保管・販売するのが一般的である。そして、この巻き物状態の布のことを「反物」と呼ぶ。円筒の芯に巻かれていることが多く、主に小紋や紬、付け下げ、浴衣のような着物の素材として使われる。また、同じ柄を繰り返すデザインのものが多いのも特徴である。なお、この「反物」の「反」は布の長さを表す単位である。着物一着作るのに必要な生地が一反にあたる。ただし、その表現は、布の大きさに関係なく使われる。八掛や帯地のような一反に満たない短い布であっても、和服用の織物であれば「反物」と呼ぶ。なぜ「反物」と読むのか・理由
「反物」の語源は、着物一着分を作れる布のことを長さ単位「反(たん)」を使って表したことに由来している。そのため、単位の読みである「たん」と、着物の「もの」から、「たんもの」と読まれるようになったと言われている。「反物」の類語・用例・例文
「反物」の類語には、「生地(きじ)」や「織物(おりもの)」、「呉服(ごふく)」などがある。ただ、いずれの語の意味も、厳密には「反物」とは異なる。前者2つは布地を表す言葉であるが、和服用以外の布もその意に含まれる。また、「呉服」という語は、「反物」を表す語として使えるが、「反物」には含まれない着物や和服を表現する言葉としても使われる。なお、例文としては、「この反物を使えば、一人分の着物を仕立てられる。」、あるいは「この反物は染めが美しく非常に気に入ったが、値段が高くて気軽に買えない。」、「お土産に反物を買って帰ると、妻の機嫌が途端に良くなる。」などがある。「反物」の英語用例・例文
「反物」を英語に直訳すると、「roll of cloth」と表せる。ただし、この表現に、「反物」が持つ「和服用」という意味は含まれない。和服という意味をより正確に伝えたい場合、「textile for Japanese clothes」などと表せば良い。なお、例文としては「This textile for Japanese clothes is well dyed.」と表現すれば「この反物は染めが好い。」という意味になるが、より簡単に「This cloth is well dyed.」と表現しても、ほぼ同じ意味が伝わる。ただし後者は、和服用以外のあらゆる布地に対して使えてしまう表現である。《反物》の正しい読み方
「反物」の正しい読み方
「反物」の正しい読み方は「たんもの」である。「はんぶつ」「はんもの」「そりもの」などとは読まない。
「反物」の意味解説
「反物」は、着物(和服)の生地に用いられる織物のことであり、特に着物1着を仕立てる分量(=一反)として用意されている状態の織物のことである。布一反は巻き物のように軸に巻いた状態で取引された。これが典型的な反物である。なぜ「反物」を「たんもの」と読むのか・理由
「反物」を「たんもの」と読む理由は、普通に訓読みするためであり、特殊な事情があるわけではない。布の長さの単位としての「反」は「たん」と読む。これは慣用読みである。「反」で扱うから反物(たんもの)。「物」は「そういう種類のもの」という意味で接尾辞的に用いられることのある語で、「恋愛もの」「歴史もの」のような表現にも通じる。
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