《卿》の正しい読み方
「卿」の正しい読み方
「卿」の読み方は主に「きょう」「けい」または「まえつきみ」である。「まちぎみ」「きみ」とも読まれる。「卿」の意味解説
「卿」は、中国や日本の官位制における高位の官職の総称である。元々は中国で、天子や諸侯の臣下の中でも最上位の官職を呼ぶ言葉であった。平安時代の日本において中国の官位制を参考に律令制が導入された際に、「二官八省」と呼ばれる体制が成立した。この「二官」のうち太政官の下に位置する「八省」のトップが「卿」と呼ばれるようになった。この律令制は江戸時代まで続いたが、明治維新後の新政府においても内閣制度が成立するまでの間、律令制から名称を引き継ぐ形で各省の長官職を「卿」と呼称していた。また、呼称としての用法も存在する。日本の三位以上あるいは参議以上、大納言以下の職にある公卿に対しては名前の後ろに「卿」をつける形で敬称として用いられた。時代が下ると、結城秀康が「越前卿」と呼ばれたように、領地に対して「卿」を付け藩主や領主に対する敬称として用いられるケースも増えていった。他には、君主が臣下を呼ぶ際の二人称や、同輩以下の人に対する二人称として用いられるケースも存在する。
なぜ「まえつきみ」と読むのか・理由
「卿」を「まえつきみ」と呼ぶ由来は、天皇の御前にて仕える者、というところから来ている。「前つ君」という呼び名がそのまま「卿」に当てはめられたのである。同じ理由で、「公卿」や「大夫」も同様に「まえつきみ」と読むケースが存在する。時代が下るにつれて、天皇をトップとした政府である朝廷に仕える高官や侍臣を総称して「まえつきみ」と呼称するようになった。この場合も「公卿」「卿」「大夫」のいずれかの字が当てられる。- 《卿》の正しい読み方のページへのリンク