《博士》の正しい読み方
「博士」の正しい読み方
「博士」は「はかせ」または「はくし」と読む。「博士」の意味解説
「博士」の持つ意味は大きく分けて2つある。1つ目は、学問や特定の分野に関する豊富な知識を持つ人。具体例として、「お天気博士」や「漢字博士」などが挙げられる。2つ目は、「学位」の一つ。学位とは、高等教育機関や国の学術評価機関において、教育課程の修了者または同等の能力や業績を示した者に授与される称号。「博士」だけでなく、「修士」や「学士」といった学位もある。それぞれ「学識が豊かな人」は「はかせ」、「学位の正式な呼称」は「はくし」と読む。なぜ「博士」と読むのか・理由
もともと「博士」は、律令制下で大学寮などに属していた教官を指していた。それぞれ「博」は広いこと、「士」は学問によって身を立てる人を表している。しかし、基本的に「博」を「はか」、「士」を「せ」と読むことはない。日本書紀には、応神天皇の御世に百済からきた「博士」が日本に論語などをもたらした、という内容が記されている。よって、諸説あるものの、「はかせ」という読み方の起源は百済語である、という説が有力だ。「博士」の類語・用例・例文
「博士」の類語として、「教授」と「専門家」が挙げられる。「教授」は、大学や研究所といった研究機関における役職の一つ。「教授」が必ずしも「博士」だというわけではない。外部から会社の経営者などが、客員教授に就任する場合もある。「専門家」の意味は、特定の物事について詳しい人。「専門家」になるために資格を取得したり、研究機関に所属したりする必要はない。「(物知りの)博士」とは似ているものの、「(学位の)博士」とは意味が異なる。よって、「教授」と「専門家」は「博士」と同義とは言えない。「博士」は、「博士号をとる」や「博士課程」、「博士の研究所」といった形で用いられている。「博士」を用いた例文として挙げられるのは、「彼女は、海外の大学で博士号をとった。」や「将来は、山田博士の研究所で働きたい。」だ。また、「5歳の弟は、昆虫博士だ。」や「近所のおじいさんのような、物知り博士になりたい。」などとすることも可能だ。
「博士」の英語 用例・例文
「(学位の)博士」は英語で「doctor」という。「Dr.」は「doctor」の略称だ。「Doctor Higashiyama」や「Dr. Nishikawa」のように、人の名前につけて用いる。「博士(工学)」は「Doctor of Engineering」、「博士(薬学)」は「Doctor of Pharmacy」といった様々な種類がある。「博士号」は、「Ph.D.(Doctor of Philosophy)」。自己紹介の際、「I'm Kita Minami, PhD.」のように名前の後につける。「医者、医師」も「博士」と同様「doctor」というが、文脈で判別することが可能だ。「博士(医学)」は「Doctor of Medical Science」。一方、「(物知りな)博士」の場合は、「expert」を使用する。「彼女は料理博士です。」は英語で「She is an expert in cooking.(彼女は料理について詳しい)」という。《博士》の正しい読み方
「博士」の正しい読み方
「博士」の読み方は「はくし」または「はかせ」。文脈によって読み方が使い分けられる。「博士(はくし)」は、学位の呼称。大学院で博士課程を修了した者に授与される学位である。欧米におけるドクター(doctor)の学位に対応する地位であり、学位としては最高位に位置づけられる。称号としての博士の学位を「博士号(はくしごう)」という。
「博士(はかせ)」は、学問や分野に深く精通し熟知している人を評する言い方。たとえば「物知り博士」や「漢字博士」のような言い方で用いられることが多い。
学位としての「博士(はくし)」も、通俗的な文脈では「はかせ」と読まれる場合がある。「博士(はくし)」では分かりにくかろう、という理由から便宜的に「はかせ」と読むような場合は少なくない。
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