ウエス
ウエス Rag
ウエス
布状の廃棄物。衣類の不用物はボロとして回収業者に払い出してきているが昔それらは主として機械工場などで油のふき取り用に使われてきた(現在も一部はその用途に使われている)。その目的のために、衣類を洗濯して一定のサイズに切ったものをウエスと呼んでいたので、現在もボロ全部をウエスと呼ぶ。
ウエス
ウエス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 17:37 UTC 版)
ウエスは、汚れの拭き取り、不要物の吸収、表面の磨き、緩衝材など使用される故繊維またはそれに類する素材を原料とする拭い布[1]。大量使用・大量消費を前提としており布巾や雑巾とは区別される[2](後述)。国際的にはRag,あるいはWiping Rag,と表記される[1]。
概要
一般に「ウエス」は工場や事業場などで機械や設備の油や水を拭き取るために用いられる布[2]、機械器具類の清掃に用いられる布切れを指す[3]が、一口にウエスといっても用途、素材、色、厚み、大きさなどによって様々な種類がある[4]。ただ布巾や雑巾とは異なり、大量使用・大量消費を前提としており、例えば蒸気機関を動力とする蒸気船では大量のウエスを消費し最終的には燃料として利用された[2]。
広義には、ボロウエス(布ウエス、リサイクルウエス)のほか、新品の生地から製造され洗浄して繰り返し使用されるレンタルウエス、紙製の紙ウエス、不織布を原料とする不織布ウエスなどを含む[1]。
このうち故繊維を原料とするウエスは、古着や反毛とともに故繊維市場の三大用途の一つとされる[1]。ウエスの語源は、Waste(英語ウェイスト:無駄・くず・ぼろ・廃棄物)で、これが訛ってウエスと呼ばれるようになった[1][2][5]。このほかに拭うことを意味する英語のwipeに由来する「ワイパー」の名も用いられる[1]。
主として、一般の家庭から回収された衣料の中からウエスに適したものを選別し[6]、古着や古布を再利用(再使用)して生産される[7]。基本的には綿素材のものが選ばれる[6]。古着や古布を用いるのは、古布の方が油をよく吸う性質があるからである[7]。
かつて、ウエスは欧米向けの主力輸出商品であり[8]、1935年(昭和10年)の統計では日本の主要輸出品目第10位に位置していた[8]。その後も、戦後の混乱期を除き高度成長期までウエス業は盛んだったが[8]、日本での生産費用が上昇し、欧米でもウエス製造が始まったため、ウエス製造は行われていない[8]。なお、レンタルウエスや紙ウエスは昭和40年代後半に登場した[1]。
ウエスの種類
広義のウエス
先述のように広義には、ボロウエス(布ウエス、リサイクルウエス)のほか、新品の生地から製造され洗浄して繰り返し使用されるレンタルウエス、紙製の紙ウエス、不織布を原料とする不織布ウエスなどを含む[1]。なお、使用済みではなく工場系の端切れ物に由来する加工品をバージンウエスという[2]。
ボロウエス
ボロウエスは、主に家庭で洗い晒され、吸収性の高まった古繊維を人手や簡単な工具で裁断したものである[1]。
汚れが目立ち、汚れをよく吸収する素材であるほど上級品とされ、具体的には白色のメリヤス編みの綿素材が最上級とされる[2]。これ以外では色が薄いものから濃いものへ、綿を多く含むものから少ないものへランクは下がる[2]。
以下は品目による分類である。
- 白綿ウエス - 主にワイシャツやシーツを原料古繊維とするウエス(色は白、生地は平織物または綾織物)[1]
- 綿色ウエス - 主にネルシャツ、Tシャツ、デニム地を原料古繊維とするウエス(濃色で生地は織物または編物)[1]
- 綿縞ウエス(二色ウエス) - 主にパジャマや浴衣を原料古繊維とするウエス(薄色で生地は平織物または綾織物)[1]
- 白メリヤスウエス - 主にTシャツを原料古繊維とするウエス(白色で生地は編物)[1]
- タオルウエス - 主にタオルを原料古繊維とするウエス(白は様々で生地ははタオル織)[1]
環境評価
ウエス(ボロウエス)は、吸収性の高まった古繊維を人手や簡単な工具で加工したもので、紙やプラスチックのようにリサイクル時に大量のエネルギーを投入しない特性を持つ[1]。また、「繊維製品(衣料品)のLCA調査報告書」(経済産業省繊維課、2003年)は、古着ウエスとバージンウエスの比較を消費エネルギーと環境負荷の2つの原単位で比較し、古着ウエスは環境・資源面で優位であるとしている[2]。
ところが、ウエスの中でも故繊維は逆境にあるとされ、以下の点が指摘されている[1]。
- 大企業や中小企業の工場では機械油や印刷インクなどをウエスで拭っていたが[1]、「工場からのごみゼロ」のスローガンのもとで見かけのゼロエミッションを達成するためにレンタルウエス等への代替が進んだ[1][2]。
- ボロを原料とするウエスはリユースに極めて近かったが、ポリプロピレンを原料とする不織布ウエスに代替された[1]。
日本の経済産業省では業界の実態把握のため「ウエスの需要開拓事業」のプロジェクトを実施している[1]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 日本繊維屑輸出組合. “経済産業省平成16年度環境問題対策調査等委託事業 ウエスの利用実態調査と需要開発のためのモデル事業報告書”. 国立国会図書館. 2025年8月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 日本繊維機械学会 繊維リサイクル技術研究会 回収分別分科会編. “循環型社会と繊維~衣料品リサイクルの現在、過去、未来~”. 日本繊維機械学会. 2025年8月30日閲覧。
- ^ 『建築大辞典 第2版 普及版』彰国社 p.116 1993年
- ^ “ウエスものがたり【第四回】ウエスの種類”. ナカノ株式会社. ナカノ株式会社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ “繊維リサイクルの歴史【003】ウエスのはじまり”. ナカノ株式会社. ナカノ株式会社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ a b “ウエスものがたり【第五回】ウエスができるまで-選別作業”. ナカノ株式会社. ナカノ株式会社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ a b “ウエスものがたり【第二回】日本文化が生み出したウエス”. ナカノ株式会社. ナカノ株式会社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ a b c d “ウエスものがたり【第三回】日本の主要輸出品目だったウエス”. ナカノ株式会社. ナカノ株式会社. 2022年6月28日閲覧。
関連項目
ウエス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:53 UTC 版)
ダスターの父であると同時に師匠であり、クマトラのかつての養育係でもある。
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「ウエス」の例文・使い方・用例・文例
- ドレスのウエストの部分をゆるくしてください
- その小麦は私のウエストと同じ高さだ
- ウエストがくびれた体つき
- このドレスをウエストのところで大きくしてください
- わたしはウエストが90センチある
- 店員は私のウエストを測った
- ウエストがほっそりしている
- あなたのウエストはどれくらいですか
- 私のウエストは26インチです
- 浴衣の右側を体に巻き、反対側を合わせます。次に帯をウエストのあたりで締めます。
- 私が持っているズボンのほとんどは、ゴムを入れて伸縮自在にしたウエストのものです。
- 三大スポット市場とは、日本渡し条件の取引が行われている極東市場、アメリカのミッドウエスト市場、ヨーロッパのロッテルダム市場のことだ。
- その女性はウエストのサイズを測っています。
- この服はウエスト部分を引き締められている。
- 彼女はズボンのウエストを少し詰めなければならない。
- 彼女のウエストは24インチある。
- 彼はウエストさんを出迎えに空港に来ていました。
- ノースウエスタン大学の研究者、アイリーン・ペパーバーグは、オウムは人の口まねをするだけでなく言葉の意味を学ぶことができることを発見しつつある。
- ちょっとウエストがきついね。
- これはウエストが少しゆるすぎます。
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