鳳蘭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 19:29 UTC 版)
おおとり らん 鳳 蘭 | |||||
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2014年11月、大阪にて | |||||
本名 |
荘田 蘭(しょうだ らん) (以前は荘 芝蘭〈ツェン・ツーレイ/ジュアン・ジーラン〉) | ||||
生年月日 | 1946年1月22日(78歳) | ||||
出生地 | 兵庫県神戸市 | ||||
国籍 | 日本(以前は中華民国籍) | ||||
身長 | 170cm | ||||
血液型 | A | ||||
職業 | 女優 | ||||
ジャンル | 宝塚歌劇団、演劇 | ||||
活動期間 | 1964年 - | ||||
活動内容 |
1964年:宝塚歌劇団入団 1965年:星組に配属 1970年:星組トップスター就任 1971年:『ノバ・ボサ・ノバ』 1974年:『虞美人』 1976年:『ベルサイユのばらⅢ』 1977年:『風と共に去りぬ』 1978年:『誰がために鐘は鳴る』 1979年:宝塚歌劇団退団、以降舞台女優として活躍。 1982年:菊田一夫演劇賞受賞 2001年:宝塚歌劇団卒業生公演メイン主演を張る 2005年:紫綬褒章受章 2008年:バレエやダンスのスタジオを開校 2010年:毎日芸術賞受賞 2016年:旭日小綬章受章 | ||||
著名な家族 | 荘田由紀(女優) | ||||
公式サイト | 鳳蘭事務所 | ||||
主な作品 | |||||
舞台 ノバ・ボサ・ノバ 虞美人 ベルサイユのばらⅢ 風と共に去りぬ 誰がために鐘は鳴る 映画 ぼくんち | |||||
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もともとは中華民国籍で、本名は荘 芝蘭(ツエン・ツーレイ/ジュアン・ジーラン/Zhuāng zhīlán)であったが、日本国籍を取得して現在は荘田 蘭(しょうだ らん)である。ジャニーズのアイドルグループSexy Zoneの元メンバーであるマリウス葉とは遠縁にあたる[2]。
略歴
- 実家は、兵庫県神戸市垂水区の高級住宅街ジェームス山にあった。出生直前に台風で家が流され、母は避難した知人の馬小屋で出産した。そのため宝塚時代に「キリスト蘭」と呼ばれていた[3]。
- 宝塚歌劇を一度も観たことがなく当時のトップも知らなかった[4] が、友人に誘われ、宝塚音楽学校を受験し合格。入学用のレッスンなどしていなかったためピアノや着物も初めて。大変苦労し、全員初習のタップダンスやバトンは1番だったが、他はずっと下級で、成績は40人中39番か38番だった[3][4]。
- 1964年に宝塚歌劇団に入団。雪組公演『花のふるさと物語[5]』で初舞台を踏む。宝塚入団時の成績は58人中25位[5]。1965年3月20日、星組配属[5] となる。
- 1970年、『僕は君』で安奈淳とともに星組トップスター就任。1974年には、安奈が花組組替・同組でトップ就任のため、それ以降は単独トップとなった。
- 1976年の『ベルサイユのばら III』にはフェルゼン役で出演。
- 1977年の『風と共に去りぬ』のレット・バトラー役、1978年の『誰がために鐘は鳴る』のロバート・ジョーダン役など演じた。
- 専科に異動した後、1979年、星組・東京宝塚劇場公演『白夜わが愛』を最後に8月31日付[5] で退団。
- 退団後は、ミュージカルや演劇を中心に活動。
- 私生活では、1980年に幼馴染で同じ中華民国籍の医師と結婚し二女をもうけるも、1986年に離婚。以降は独身を通している。なお、次女・荘田由紀は文学座所属(2005年入団→2010年座員昇格)の女優。
- 2001年からは、宝塚歌劇団卒業生公演である狸シリーズの中心をつとめるなど、精力的に活動している。
- 2005年、紫綬褒章を受章。
- 北京料理に造詣を持ち、関西圏を中心に展開しているフランチャイズの「北京料理 萬楽」のオーナーをつとめている。
- 2008年からは自ら主宰する、プロ育成クラスのあるバレエやダンスのスタジオを開校。
- 2010年、「COCO」「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」の演技で第51回毎日芸術賞を受賞。
- 同年、宝塚歌劇団の親会社である阪急電鉄開業100周年親善大使に選ばれる。
- 2014年、古巣・宝塚歌劇団創立100周年記念で創設された『宝塚歌劇の殿堂』最初の100人のひとりとして殿堂入り[6][7]。
- 2016年、春の叙勲で旭日小綬章を受章[8]。
- 2017年度 - 2018年度に設置された、アナン学園高等学校ミュージカル科特別講師を務める[9]。
- 2024年3月31日、 鳳蘭レビューアカデミーの幕を閉じる[10]
宝塚歌劇団時代の主な舞台出演
初舞台・星組時代
- 初舞台『花のふるさと物語』(雪組)(1964年3月27日 - 5月5日)(宝塚大劇場公演)
- 『エスカイヤ・ガールス/リュシエンヌの鐘』(星組)(1965年3月25日 - 4月29日)(宝塚大劇場公演)
- 『奥の細道/グッドバイ海賊』(星・雪合同)(1965年7月1日 - 8月2日)(宝塚大劇場公演)
- 『なよたけの恋/ラ・グラナダ』(星組)(1965年10月30日 - 11月30日)(宝塚大劇場公演)
- 『ラ・グラナダ』(踊るジプシー 役)
- 『日本の祭』(さくら祭の花槍の男 役)
- 『夜霧の城の恋の物語』(忘却の村の男 役)
- 『京の川/三人花聟/2人が出会うとき』(星組)(1966年7月1日 - 7月28日)(宝塚大劇場公演)
- 『砂丘/わが歌 君がため』(星組)(1966年10月29日 - 11月30日)(宝塚大劇場公演)
- 『わが歌 君がため』(踊る男 役)
- 『花風流』(山三 役)
- 『さよなら僕の青春』(ヨハン 役)
- 『若者達のバラード』(ローマの青年 役)
- 『虹を追って』(アメリカ大使 役)
- 『ヤング・メイト』(青年 役)
- 『7 -セブン-』(踊る女 役)
- 『シルクロード』(星組)(1969年3月27日 - 4月24日)(三蔵法師、インドのシバの神 役)(宝塚大劇場公演)
- 『椎葉の夕笛/セ・ラ・ビィ』(星組)(1969年9月4日 - 9月30日)(宝塚大劇場公演)
- 『椎葉の夕笛』(紅葉祭の童 役)
- 『タカラヅカ'69』(吟遊詩人 役)
- 『恋に朽ちなん』(舞人春信 役)
星組トップ時代
- 『僕は君』(ボブ 役)
- 『ジプシー伯爵』(ヘルマン 役)
- 『恋人たち』(エミリオ 役ほか)
- 『星の牧場/オー!ビューティフル』(星組)(1971年1月30日 - 2月25日)(宝塚大劇場公演)
- 『星の牧場』(モミイチ役)
- 『いのちある限り』(松嶋新次郎 役)
- 『ノバ・ボサ・ノバ』(オーロ 役)
- 『我が愛は山の彼方に/マイ・ブロードウェイ』(星組)(1971年8月27日 - 9月28日)(宝塚大劇場公演)
- 『我が愛は山の彼方に』(武将朴秀民 役)
- 『いつの日か逢わん』(宇根東吾 役)
- 『愛のコンチェルト -ある小さな星のお話-』(森の王子 役)
- 『美しき日本』(雪王 役ほか)
- 『さすらいの青春』(ペールギュント 役)
- 『花の若武者 -弁慶と牛若-』(鬼若(弁慶) 役)
- 『アラベスク』(ピエロ、旅する若者 役ほか)
- 『シャイニング・ナウ!』(全組合同公演)(1972年12月2日 - 12月12日)(宝塚大劇場公演)
- 『パレード・タカラヅカ』(花組特別出演)(1973年1月1日 - 1月30日)(宝塚大劇場公演)
- 『花かげろう/ラ・ラ・ファンタシーク -あなたに宝石を-』(星組)(1973年3月24日 - 4月25日)(宝塚大劇場公演)
- 『花かげろう』(主天童子 役)
- 『ラ・ラ・ファンタシーク -あなたに宝石を-』(ダイヤモンドの女王 役)
- 『この恋は雲の涯まで』(星組)(1973年8月29日 - 9月27日)(源義経(ジンギスカン) 役)(宝塚大劇場公演)
- 『ゴールデン・サウンド』(星組)(1973年12月5日 - 12月23日)(雪の青年、バラの紳士 役ほか)(宝塚大劇場公演)
- 『清く正しく美しく/虞美人』(星・花合同)(1974年3月23日 - 4月25日)(宝塚大劇場公演)
- 『虞美人』(項羽役)
- 『アルジェの男』(ジュリアン・クレール 役)
- 『ジュジュ -第7銀河系のメルヘン-』(ジュジュ 役)
- 『ブリガドーン』(星組)(1974年10月31日 - 11月27日)(トミー・オールブライト 役)(宝塚大劇場公演)
- 『屋根裏の妖精たち/マイ・ハイ・スイング』(星組)(1975年5月14日 - 7月1日)(宝塚大劇場公演)
- 『屋根裏の妖精たち』(ニール 役)
- 『イマージュ』(月組特別出演)(1975年10月2日 - 11月11日)(宝塚大劇場公演)
- パリ公演(1975年12月12日 - 1976年1月11日)(パレドコングレ劇場公演)
- 『ベルサイユのばら III』(星組)(1976年3月25日 - 5月12日)(ハンス・アクセル・フォン・フェルセン 役)(宝塚大劇場公演)
- 『ベルサイユのばら III』(月組特別出演)(1976年8月5日 - 8月30日)(ハンス・アクセル・フォン・フェルセン 役)(東京宝塚劇場公演)
- 『夕陽のジプシー/ハッピー・トゥモロー』(星組)(1976年10月1日 - 11月9日)(宝塚大劇場公演)
- 『夕陽のジプシー』(ナノッシュ 役)
- 『ハッピー・トゥモロー』(男の子 役)
- 『風と共に去りぬ』(星組)(1977年5月12日 - 6月28日)(レット・バトラー 役)(宝塚大劇場公演)
- 『テームズの霧に別れを/セ・マニフィーク』(星組)(1977年11月11日 - 12月18日)(宝塚大劇場公演)
- 『テームズの霧に別れを』(ロバート・クレメンタイン 役)
- 『セ・マニフィーク』(サロメ 役ほか)
- 『風と共に去りぬ』(星組)(1978年1月11日 - 2月5日)(レット・バトラー 役)(全国ツアー)
- 『風と共に去りぬ(スカーレット編)』(花組特別出演)(1978年2月16日 - 3月22日)(レット・バトラー 役(榛名由梨、麻月鞠緒と役替りで))(宝塚大劇場公演)
- 『誰がために鐘は鳴る』(星組)(1978年5月12日 - 6月27日)(ロバート・ジョーダン役)(宝塚大劇場公演)
- 『いのちある限り』(星組)(1978年9月15日 - 10月1日)(新次郎 役)(宝塚バウホール公演)
- 『布施明 IN TAKARAZUKA』-愛と夢と涙-(1978年9月22日・23日)
- 『宝花集/セ・シャルマン!』(星組)(1978年11月10日 - 12月25日)(宝塚大劇場公演)
- 『宝花集』(ボレロの男 役ほか)
- 『セ・シャルマン!』(バレンティノ 役ほか)
専科時代
- ^ a b 「決定!保存版 '76 ALLスタアLIST 鳳蘭」『スタア』1976年2月号、平凡出版、88頁。
- ^ “鳳蘭&セクゾ・マリウス 遠い親戚だった…マリウスの曽祖父と鳳の子供の曽祖母が…/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online. 2021年1月18日閲覧。
- ^ a b 積水ハウスHP『gm誌』Vol.12、2006年「インタビュー 鳳蘭さん」 2019年8月1日閲覧
- ^ a b 「げきぴあ」2019年6月23日鳳蘭×井上芳雄の対談レポート 2019年8月1日閲覧
- ^ a b c d 監修:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡り続けて(人物編)』、阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日、68-69頁。ISBN 9784484146010
- ^ 村上久美子 (2014年1月11日). “宝塚が八千草薫ら殿堂100人を発表”. 日刊スポーツ 2023年4月16日閲覧。
- ^ 『宝塚歌劇 華麗なる100年』朝日新聞出版、2014年3月30日、134頁。ISBN 978-4-02-331289-0。
- ^ 旭日大綬章に自見元郵政相=北島三郎、富司純子さんに小綬章-春の叙勲 時事ドットコム 2016年4月29日 アーカイブ 2016年4月29日 - ウェイバックマシン
- ^ 学校法人アナン学園2018年(平成30年)度事業報告書(2018年4月1日から2019年3月31日まで)2022年1月15日閲覧
- ^ 鳳蘭レビューアカデミー【緊急なお知らせ】2024年2月20日
- ^ “鈴木亮平、三島由紀夫“最後の戯曲”に挑戦「身も心も全て捧げる」”. ORICON STYLE (2015年9月30日). 2015年9月30日閲覧。
- ^ “市村正親×鳳蘭で「屋根の上のヴァイオリン弾き」日本初演から50年を記念して”. ステージナタリー. (2016年10月20日) 2016年10月20日閲覧。
- ^ “渡辺翔太、森本慎太郎と再び「DREAM BOYS」に挑む「2人で噛みしめながら楽しみたい」”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年7月7日). 2024年7月7日閲覧。
- ^ “市村正親×鳳蘭出演のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」が明治座で”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年5月15日). 2024年5月15日閲覧。
- ^ “平成17年秋の褒章受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 3 (2005年11月3日). 2005年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月15日閲覧。
- ^ 当時サントリーが宝塚歌劇団の主要スポンサーだったこともあり、退団するその年まで同製品のCMに出演していた。またCMソングは同歌劇団の作曲家だった寺田瀧雄の手によるもの。なお当時刊行された宝塚歌劇団の機関誌「歌劇」の閉じ表紙に赤玉パンチの広告が掲載されている。
- 1 鳳蘭とは
- 2 鳳蘭の概要
- 3 宝塚歌劇団退団後の主な出演
- 4 受賞歴
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