ミケランジェロ・ブオナローティ ミケランジェロ・ブオナローティの概要

ミケランジェロ・ブオナローティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/26 03:43 UTC 版)

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ミケランジェロ・ブオナローティ
Michelangelo Buonarroti
Miguel Ángel, por Daniele da Volterra (detalle).jpg
ダニエレ・ダ・ヴォルテッラが描いたミケランジェロの肖像画
生誕 Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni
(1475-03-06) 1475年3月6日
Flag of Florence.svg フィレンツェ共和国カプレーゼ
死没 1564年2月18日(1564-02-18)(88歳)
教皇領ローマ
著名な実績 彫刻、絵画、建築、著述
代表作ダビデ像
アダムの創造
ピエタ
システィーナ礼拝堂天井画
運動・動向 盛期ルネサンス

ミケランジェロは存命中から非常に優れた芸術家として高い評価を得ており、現在でも西洋美術史上における最高の芸術家の一人と見なされている[2]。ミケランジェロが制作した絵画、彫刻、建築のいずれをとっても、現存するあらゆる芸術家の作品のなかで、最も有名なものの一つとなっている[2]。長寿を保ったミケランジェロの創作活動は前述以外の芸術分野にも及ぶ膨大なもので、書簡、スケッチ、回想録なども多く現存している。また、ミケランジェロは16世紀の芸術家の中で最もその記録が詳細に残っている人物でもある。

ミケランジェロの彫刻で最も有名と思われる『ピエタ』(1498年 - 1499年、サン・ピエトロ大聖堂)と『ダヴィデ像』(1504年、アカデミア美術館)は、どちらもミケランジェロが20歳代のときの作品である。また、ミケランジェロ自身は絵画作品を軽視していたが、西洋美術界に非常に大きな影響を与えた2点のフレスコ画システィーナ礼拝堂の『システィーナ礼拝堂天井画』と祭壇壁画『最後の審判』を描いている。さらに建築家としてもフィレンツェのラウレンツィアーナ図書館英語版で、マニエリスム建築の先駆けといえる様式で設計を行っている。また、74歳のときにアントニオ・ダ・サンガッロ・イル・ジョヴァネの死去をうけて、当時改築中だったサン・ピエトロ大聖堂の主任建築家に任命された。このときミケランジェロは従前の設計を変更し、建物西側(奥)はミケランジェロの設計どおりに建てられた。ただし、主ドーム部分はミケランジェロの死後になって、別の設計に変更されて完成している。

システィーナ礼拝堂天井画』の『ユディトとホロフェルネス』の部分拡大画像。描かれているホロフェルネスは、ミケランジェロの自画像といわれている。

ミケランジェロは、存命中にその伝記が出版された初めての西洋美術家であるという点でも、際立った存在といえる[3]。伝記のうちの一つがジョルジョ・ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』で、ヴァザーリはミケランジェロをルネサンス期の芸術における頂点として絶賛し、その作品は何世紀にもわたって西洋美術界で通用するだろうとしている。ミケランジェロは存命中から「神から愛された男 (Il Divino )」と呼ばれることすらあり[4]、当時の人々からは偉人として畏敬の念を持って見られていた。ミケランジェロの作品に見られる情熱的で独特の作風は後続の芸術家たちの模範となり、盛期ルネサンスの次の西洋芸術運動であるマニエリスムとなって結実していった。




  1. ^ ミケランジェロの父はミケランジェロの誕生日は1474年3月6日と記録している。ただし、この記録は当時フィレンツェで用いられていた年記法によるもので、ローマで採用されていた年記法では1475年となる。
  2. ^ ミケランジェロが学問を学ぶために親元を離れた年齢は文献ごとに相違がある。ド・トルナイは10歳とし、アスカニオ・コンディヴィの伝記を翻訳したセジウィクは7歳としている。
  3. ^ ヘラクレス像を購入したのはストロッツィ家である。1529年に一族のフィリッポ・ストロッツィがこの彫刻をフランス王フランソワ1世に売却した。1594年にはアンリ4世フォンテーヌブローの別宅に持ち込んだ記録があるが、1713年にその別宅が破壊されて以降、行方不明となっている。
  4. ^ ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』には、このエピソードに関する記述はない。パオロ・ジョヴィオの『ミケランジェロの生涯』には、ミケランジェロがこの彫像を古美術品として売却しようとしたことを示唆する記述がある。
  5. ^ 現在はフィレンツェのバルジェロ美術館が所蔵している。
  6. ^ 『キリスト昇天』はキリストとともに多くの天使などが描かれていた作品で、現在ではキリストを描いた部分はローマのクイリナーレ宮殿に、その他の部分はバチカン美術館サンピエトロ大聖堂聖具室に収蔵されている。
  7. ^ 以前はギルランダイオの工房作といわれており、ミケランジェロの作品ではないかとする説は2度否定されていた。
  1. ^ a b Web Gallery of Art, image collection, virtual museum, searchable database of European fine arts (1100–1850)”. wga.hu. 2008年6月13日閲覧。
  2. ^ a b c “Michelangelo biography”. Encyclopædia Britannica. http://www.britannica.com/EBchecked/topic/379957/Michelangelo 
  3. ^ a b Michelangelo. (2008). Encyclopædia Britannica. Ultimate Reference Suite.
  4. ^ Emison, Patricia. A (2004). Creating the "Divine Artist": from Dante to Michelangelo. Brill. ISBN 978-90-04-13709-7. http://books.google.com/?id=1EofecqX_vsC&pg=PA144&lpg=PA144&dq=michelangelo+%22il+divino%22. 
  5. ^ a b J. de Tolnay, The Youth of Michelangelo, 11
  6. ^ メルロ, クラウディオ 『ルネサンスの三大芸術家』 坂巻広樹訳、PHPエディターズ・グループ、42頁。ISBN 4569608833
  7. ^ a b C. Clément, Michelangelo, 5
  8. ^ A. Condivi, The Life of Michelangelo, 5
  9. ^ a b A. Condivi, The Life of Michelangelo, p.9
  10. ^ R. Liebert, Michelangelo: A Psychoanalytic Study of his Life and Images, p.59
  11. ^ C. Clément, Michelangelo, p.7
  12. ^ C. Clément, Michelangelo, p.9
  13. ^ J. de Tolnay, The Youth of Michelangelo, pp.18 - 19
  14. ^ a b A. Condivi, The Life of Michelangelo, p.15
  15. ^ Will the Real Michelangelo Please Stand Up?”. 2009年12月14日閲覧。
  16. ^ a b J. de Tolnay, The Youth of Michelangelo, pp. 20 - 21
  17. ^ A. Condivi, The Life of Michelangelo, p.17
  18. ^ a b J. de Tolnay, The Youth of Michelangelo, pp.24 - 25
  19. ^ A. Condivi, The Life of Michelangelo, pp.19 - 20
  20. ^ J. de Tolnay, The Youth of Michelangelo, p.26 - 28
  21. ^ Catterson, Lynn. "Michelangelo's 'Laocoön?'" Artibus et historiae. 52. 2005: p. 33
  22. ^ ナショナル・ギャラリー公式サイト
  23. ^ Giacometti, Massimo (1986). The Sistine Chapel.
  24. ^ Shearman 1986b, pp.38 - 87
  25. ^ O'Malley 1986, pp.92 - 148
  26. ^ a b c Stanley, Diane (2000). Michelangelo. Harper Collins. ISBN 0-688-15085-3. 
  27. ^ a b Michelangelo: artist and man. Dir. Michael Crain. Perpetual Motion Films, 1994. VHS.
  28. ^ a b Copplestone, Trewin (2002). Michelangelo. Wellfleet Press. ISBN 0-7858-1461-2. 
  29. ^ The Genius of Michelangelo. Dir. William E. Wallace. The Teaching Company, 2007. DVD.
  30. ^ Michelangelo sketch for St Peter's dome foundThe Guardian)
  31. ^ Preston, John (2010年6月1日). “The Vatican Archive: the Pope's private library”. The Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/culture/books/7772052/The-Vatican-Archive-the-Popes-private-library.html 
  32. ^ “Michelangelo 'last sketch' found”. BBC News. (2007年12月7日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7133116.stm 2009年2月9日閲覧。 
  33. ^ Budd, Denise (2010年). “Michelangelo's first painting (exhibition review)”. Metropolitan Museum of Art. New York: thefreelibrary.com. 2012年6月26日閲覧。
  34. ^ Medicean-Laurentian Library. Encyclopædia Britannica. 2007.
  35. ^ 池上英洋 『神のごときミケランジェロ』 新潮社2013年、21頁。ISBN 978-4-10-602247-0
  36. ^ James Beck, Antonio Paolucci, Bruni Santi Michelangelo. The Medici Chapel, Nhames and Hudson, New York,1994
  37. ^ Peter Barenboim, Sergey Shiyan, Michelangelo: Mysteries of Medici Chapel, SLOVO, Moscow, 2006. ISBN 5-85050-825-2
  38. ^ Peter Barenboim, "Michelangelo Drawings – Key to the Medici Chapel Interpretation", Moscow, Letny Sad, 2006, ISBN 5-98856-016-4
  39. ^ a b Condivi, The Life of Michelangelo, p. 106.
  40. ^ Paola Barocchi (ed.) Scritti d'arte del cinquecento, Milan, 1971; vol. I p. 10.
  41. ^ Condivi, The Life of Michelangelo, p. 102.
  42. ^ a b Hughes, Anthony: "Michelangelo.", p.326. Phaidon, 1997.
  43. ^ Scigliano, Eric: "Michelangelo's Mountain; The Quest for Perfection in the Marble Quarries of Carrara." Archived 2009年6月30日, at the Wayback Machine., Simon and Schuster, 2005. Retrieved 27 January 2007
  44. ^ "Michelangelo Buonarroti" by Giovanni Dall'Orto Babilonia n. 85, January 1991, pp. 14–16 (イタリア語)
  45. ^ Rictor Norton, "The Myth of the Modern Homosexual"., page 143. Cassell, 1997.
  46. ^ A. Condivi (ed. Hellmut Wohl), 'The Life of Michelangelo,' p. 103, Phaidon, 1976.
  47. ^ Opere di Michelangelo


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