口承とは? わかりやすく解説

こう‐しょう【口承】

読み方:こうしょう

[名](スル)口から口へと語り伝えること。「民間に—されてきた説話


口承―葵

作者碓井静照

収載図書中世恥丘みだら―中世ロマン主義短編小説集
出版社ガリバープロダクツ
刊行年月2001.11
シリーズ名ガリバープロダクツベストヒットシリーズ


口承

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/30 00:44 UTC 版)

キルギスカラコルパオキャンプで叙事詩マナス」の一部を演じる伝統的なキルギス人マナスチ

口承(こうしょう、: oral tradition)は、いついだり、語りついだりして、から口へと伝えること、あるいは伝えられたもの。

口頭での伝承(口頭伝承)・口伝(くでん)、口伝え(くちづたえ)での伝承(口伝伝承)ともいう。

口承のうち、限られた選ばれた者だけに、伝承することを口秘という。

口承の内容が石碑に刻まれたもののように永くから変わらず伝わっている、という意味で口碑ともいう。

概要

口承または口伝えの文化は、文字体系のない文明において、人から人もしくは世代を超えての情報伝達の手段であったが、その一方では芸能としての側面も存在し、文字体系が確立されてからも、口承は世界各地で今日も行われている。こういった活動はヒト人間(社会を形成するヒト)として言葉を獲得して以降に自然発生的に見出されるもので、それに関する文化・記録は洋の東西・古今を問わず見出され、普遍的である。

情報を伝える行為のひとつであり、文字文化以前に情報を保持する役割を果たしてきたものでは、踊りのほか儀式など身体を使う様式化した所作、壁画といった図画を用いるもの、意味のある文様を織り込んだ布や結縄などがある。

書き留められる前に口承文学オーラル・ヒストリー(口述された歴史)とが組み合わされた代表的な例として、前8世紀の古代ギリシアの詩人ホメロス叙事詩イリアス』(イーリアス)・『オデュッセイア』(オデュッセイアー)がある。

伝承されるもの

その内容は社会文明が確立される以前のものが多く含まれ、貴重な民俗資料として研究されることが多い。

神話歴史文芸もしくはなどから、生活の術や生活環境情報や知識や知恵。説話昔話伝説世間話)、俗曲・俗謡民謡民俗語彙ことわざ・謎、諺詩・俚諺など多岐にわたる。

研究史

研究分野としての口承は、オスマン帝国治下のセルビアの学者で、グリム兄弟の同時代人ヴーク・カラジッチ(1787-1864)の学績にその起源がもとめられる。カラジッチはグリム兄弟同様「伝承を救う」として、ロマンティックな、また民族主義的な関心のもと、のちにユーゴスラビアに集められた南スラヴ諸地域の同族の伝承の研究を進めた。しばらくして、ただし同じ学術的な動機から、テュルク学者のワシリー・ラドロフ(Vasily Radlov、1837-1918)は、のちにソヴィエト連邦領となるカラキルギスの歌を研究した。

参考文献

関連項目


口承

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/21 04:35 UTC 版)

ケサル王伝」の記事における「口承」の解説

チベット及びその周辺吟遊詩人には、寝ている際に奇妙な夢を見て眠りから覚めると不思議なことに長編であるはずのケサル叙事詩膨大な節を暗唱できる能力授かり、それがきっかけ吟遊詩人となる者がしばしばいる。吟遊詩人中には中断することなく数時間渡って叙事詩暗唱し続けられる者も存在する時には幼い子どもまでもがこの一夜にして詩を深く覚えこむ能力を得る。この並外れてすぐれた暗記能力を可能とする脳のメカニズムどのようなものなのか、研究者関心集まっている。

※この「口承」の解説は、「ケサル王伝」の解説の一部です。
「口承」を含む「ケサル王伝」の記事については、「ケサル王伝」の概要を参照ください。

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