保護期間
「(権利の)存続期間」ともいう。知的財産権は,これを有体物の所有権のように永久に保護すると,一般の人々が権利者の許諾を得ずして当該知的財産権の実施や利用・使用をすることが永久にできないこととなってしまい,その結果社会の産業・文化の発展向上が妨げられることになるゆえ,時間的制限を定める必要がある。主なところでは,特許権の保護期間は出願の日から20年(特許67条1項)(ただし始期は設定登録時。以下,産業財産権につき同じ。),その他,実用新案権は出願の日から10年(実用新案15条),意匠権は設定登録の日から20年(意匠21条),商標権は設定登録の日から10年(ただし申請により更新可能。商標19条),著作権は著作者の死後50年(始期は創作時)である(いずれも原則)。
(注:この情報は2007年11月現在のものです)
保護期間
これは、著作者等に権利を認め保護することが大切である一方、一定期間が経過した著作物等については、その権利を消滅させることにより、社会全体の共有財産として自由に利用できるようにすべきであると考えられたためです。
[1] 「著作者人格権」及び「実演家人格権」の保護期間
「著作者人格権」等は一身専属の権利とされているため (第59条、第101条の2))、著作者等が死亡 (法人の場合は解散) すれば権利も消滅することとなります。 つまり、保護期間は著作者の「生存している期間」です。 しかし、著作者の死後 (法人の解散後) においても、原則として、著作者人格権等の侵害となるべき行為をしてはならないこととされています (第60条、第101条の3)。
[2] 「著作権及び著作隣接権(財産権)」の保護期間
ア 著作権
著作権の保護期間は、著作者が著作物を創作したときに始まり、原則として著作者の生存している期間及び死後50年間までです (第51条)。しかし、死後起算が出来ない又は適当でない著作物については、公表起算になっています。具体的には、無名又は変名(一般によく知られている周知の変名を除く)の著作物及び団体名義の著作物は公表後50年まで、映画の著作物は公表後70年まで保護されます(第52条、第53条、第54条)。
イ 著作隣接権(報酬請求権も含む)
実演、レコード、放送及び有線放送については、実演があったとき、レコードを最初に発行したとき、放送及び有線放送を行ったときから50年まで保護されます。
*なお、保護期間の計算は暦年計算で、死亡、公表等した年の翌年の1月1日から起算します。例えば、2005年2月1日に著作者が死亡した場合は、2005に50を加えた2055年の12月31日まで保護されるということです。
保護期間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:16 UTC 版)
ベルヌ条約7条(1)によれば、加盟国は、著作権の消滅までの期間を最低でも著作者の死亡から50年としなければならない。著作者の死後50年まで著作権を保護する趣旨は、著作者本人およびその子孫2代までを保護するためであるとされている。 ただし、より長い保護期間を与えることも認められているため(ベルヌ条約7条(6))、保護期間が50年を超える加盟国も実際に多数存在する。欧州連合諸国、およびアメリカ合衆国は死後70年を適用し(いずれも1990年代に保護期間を延長する法改正を実施)、メキシコ(死後100年)やコートジボワール(死後99年)のように、さらに長期間にわたって著作権を保護する国もある。 日本は1971年1月1日より原則、死後50年を採用していた。その後、2003年の法改正により映画の著作物だけが原則、公表後70年となった。さらに2018年12月30日施行のTPP11法改正により、原則、死後70年となった。
※この「保護期間」の解説は、「著作権の保護期間」の解説の一部です。
「保護期間」を含む「著作権の保護期間」の記事については、「著作権の保護期間」の概要を参照ください。
「保護期間」の例文・使い方・用例・文例
保護期間と同じ種類の言葉
- 保護期間のページへのリンク