保護施策・課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 19:58 UTC 版)
沖縄県八重山郡竹富町(西表島・竹富島など)では「竹富町自然環境保護条例」により「特別希少野生動植物種」に指定されており、町長の許可なく個体を捕獲・採取・殺傷または損傷することが禁止されている。そして環境省は2019年(令和元年)12月25日までに本種を「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定する方針を決め、2020年(令和2年)2月10日以降は売買および販売目的の捕獲(趣味・研究目的の採集・譲渡は規制対象外)が禁止された。 タガメたちが生き続けていくためには化学的に汚染されていないきれいな水質・豊富な餌が揃った環境が必要で、近年でも里山・棚田・ため池などが散在する地域ではタガメが多産するが、そのような自然環境はゲンゴロウなど大型のゲンゴロウ類・モリアオガエル・メダカなど豊富な水生生物が確認できる「ホットスポット」となっている。特に谷戸にある谷津田は圃場整備の対象になりにくく、中干ししても完全に水が抜けない湿田である場合が多いことからカエルが多い環境で、カエル・オタマジャクシを餌とするタガメ・ゲンゴロウにとっても暮らしやすい環境となっている。 また近年は過度な農薬使用が見直され無農薬・減農薬の農法が浸透しつつあり、その影響か愛知県東三河地方ではタガメ復活の兆しも見られるが、近年は前述のような好条件を揃えた地域でも圃場整備が行われたり、大型農機具が使いにくい傾斜地の棚田が後継者不足などにより放棄され、それに伴い不要になったため池も消滅するような事態が起きている。タガメが安定して生息できるような環境は今や山間部でも少なくなりつつあり、その将来は安泰ではなく、「ホットスポット」にある棚田とそこに生息する生物たちの保全が大きな課題となっている。
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