探鉱とは? わかりやすく解説

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探鉱

読み方たんこう
【英】: exploration

一般に地下有用鉱物――正確には、それが経済的な採掘対象なる程度に集中的に存在している、鉱床といわれるもの――の存在箇所探し出す活動を探鉱という。これまで数十年にわたる探鉱の経験とその考察から、石油天然ガス鉱床あり方についてはおおよそ次のようなことが分かっている。すなわち、その生成の源になった物質堆積盆地たいせきぼんち}と呼ばれる広域水成岩分布地域地下広く分布し、それから十分な地温のある地下深部石油・天然ガス生成し生成されたものは地下地層中を地層水とともに平的、垂直的に移動していく過程で、地層幾何学的形状物理的性質の変化によって地層水分別され滞留するような箇所至ってそこに集積されたものが鉱床である。なお、石油と天然ガスは、根源生成移動集積機構はほとんど同様で、随伴ガス石油中に存して石油鉱床中にあり、非随伴ガス生成条件の差で、油にならずにガスになったのであるこのため石油の探鉱とガスの探鉱とは本質的に異なるところはなく、一般に石油の探鉱に伴って油層ではなくガス層発見されることがあるのが実情である。上記のような鉱床あり方から、石油・ガスの探鉱に当たっては、まず石油・ガス生成移動舞台である堆積盆地あり方調査し評価する概査ないしは盆地評価といわれる段階がある。その手段としては、地質学的調査並びに物理探査中でも広域の概査に適した磁力探査重力探査および地震探査の概査法が用いられる地質学的調査としては、地表地質調査文献調査などのほかに、層序試錐そうじょしすいが行われることもあり、また地層石油・ガス生成条件適否調べる地化学的調査も必要である。盆地評価次に現場作業としては同時にオーバーラップして行われることが多い)行われるのが、石油・ガス鉱床存在する可能性のある地質構造所在ない形状など調べ構造評価であり、この段階では地震探査精査結果が最も重要な判断材料となる。ここまであくまでも石油・ガス鉱床存在の可能性にかかわる条件調査であり、いわば間接探鉱であって鉱床油・ガス層)の存否そのもの坑井掘削して掘り当てないとわからない。これが試掘であり、これがいわば直接探鉱の手段である。試掘油・ガス層に遭遇すれば、産油ガス能力を含む油・ガス層の特性にかかわる情報を得るためにできるかぎり調査を行うが、また油・ガス層を発見できなかった場合も、その坑井資料からできるだけ地質的・地化学的情報収集し同一地質構造内の地点あるいは他の構造鉱床存在の可能性考えられれば次井の掘削を行う。いずれの国においても坑井掘削を行うには、政府または土地所有者から鉱業権という排他的な権利を得る必要がある一般に一つの国または地域内で一つ会社またはそのグループ同時に与えられる鉱業権広さ数百 km2 から数万 km2 程度で、一つ堆積盆地全体一つ会社または会社グループ最初から最後まで長期にわたり組織的に探鉱し尽くす、というようなことは国営独占場合以外では希有のことであり、通常一つ会社または会社グループ与えられ鉱区について、数年間かけ、数坑ないし十数坑の試掘行い数千ドル費やしてなお油田の発見に至らなければ探鉱は打ち切られる。石油・ガス鉱床存在舞台である水成岩分布地域は、海洋下にまで広がっているところが多いので、海洋での物理探査作業技術並びに海洋掘削装置発達並行して最近では海域での石油探鉱が盛んになっている。海域での坑井掘削陸上に数倍する費用がかかる。上述たような手順のっとり、間接探鉱に基づいて試掘すべき地点選定した後に試掘行って油・ガス層に遭遇し、出油・ガスを見るいわゆる試掘成功率平均する20%前後になっているのが実情であり、さらに探掘によって油層規模評価して採算性のある油田判定し開発移行するのは、そのうち数分の1とされている。したがって石油・ガスの探鉱という事業は現在の技術システムの下でも極めて不成功危険率の高い事業といわなければならない。なお、一般には探鉱とは、試掘油層発見するまでと思われがちだが、実務的には、探掘によって油層評価しその経済的開発可能性判定するまでが探鉱である。




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