ユー・ノウ・マイ・ネーム
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/09 09:19 UTC 版)
「ユー・ノウ・マイ・ネーム」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビートルズの楽曲 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英語名 | You Know My Name (Look Up the Number) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リリース | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
規格 | 7インチシングル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A面 | レット・イット・ビー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
録音 |
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ジャンル | ノベルティ[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
時間 | 4分21秒 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | アップル・レコード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「ユー・ノウ・マイ・ネーム」(原題 : You Know My Name (Look Up The Number))は、ビートルズの楽曲である。1970年3月にシングル盤『レット・イット・ビー』のB面曲として発売された。1967年5月と6月に行なわれた3回のセッションで取り上げられた後、1969年4月に行なわれたセッションで完成した。本作で、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズがサクソフォーンを演奏した。
背景・曲の構成
「ユー・ノウ・マイ・ネーム」は、ジョン・レノンが電話帳に着想を得て書いた楽曲。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「未完成だった曲の1つで、ポールと一緒にコメディ・レコードに仕上げた。彼の家で待っていたら、ピアノの上に電話帳が置いてあって、そこに"You know my name, look up the number"って書いてあった。実際に書かれてたロゴみたいなものを、自分の中で置き換えちゃったんだ。曲は4部構成で…こんな感じにコードが変わるんだけど、発展させることなくジョークで終わってしまった」と語っている[2]。
マッカートニーは本作について、ビートルズのレコーディングに関する分析者であるマーク・ルイソンに「ビートルズのシングルのB面を聴いてくれる人だけが『ユー・ノウ・マイ・ネーム』みたいな曲を知ってる。この曲は僕の大好きなビートルズ・ナンバーなんだ」[3]と説明しており、「すごくおかしな曲で、なにもかも突飛だった。もしもジョン・レノンみたいなやつがスタジオに来て『新曲ができた!』と言ったらどんな反応をする?もちろん僕は『どんな歌詞だい?』と聞いた。そしたら彼は『You know my name look up the number』と答えた。僕が『…他には?』と聞いたら、彼は『いや、これだけさ。これをマントラみたいに繰り返すんだよ!』と答えた」[3]と振り返っている。
本作のラウンジ調のセクションでは、レノンが映画『ジョン・レノンの 僕の戦争』で一緒に仕事をしたデニス・オデールの名前が登場する[4]。本作では、ナイトクラブの歌手の名前として使用されており、マッカートニーがデニス・オデール役を演じている[5]。
レコーディング
「ユー・ノウ・マイ・ネーム」の最初のレコーディング・セッションは、1967年5月17日、6月7日、8日に行なわれ、メンバー全員が参加した[6]。6月8日のセッションに[7]は、ザ・ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズがサクソフォーン奏者として参加した[7][8][3]。
1969年4月30日にマル・エヴァンズの協力のもと、レノンとマッカートニーがボーカル・トラックを作成し、サウンド・エフェクトが加えられるまで、本作は未完成のまま手つかずとなっていた。なお、最後のセッションとなったこの日はジョージ・ハリスンとリンゴ・スターは同席していない。同日のセッションで、セカンド・エンジニアを務めたニック・ウェッブは「当時のジョンとポールは、あまり仲が良くなかったけど、この曲のためにスタジオのフロアに出て、1本のマイクを囲んで一緒に歌っていたよ。この時も『彼らは古い4トラック・テープを使って、この古風な曲におかしな断片を録音して、何をやってるんだ』と思っていたけど、やってみると楽しい曲だった」と振り返っている[9]。
本作のレコーディングについて、マッカートニーは、「僕らは2年か3年をかけて取り組んだ。20分くらいのものになって、どうにかしようと思ったけどどうにもならなかった。だから一旦中断してまた挑戦することにした。いつ終わるのかなんてわからない、めちゃくちゃで楽しいセッションだったよ。僕が『You know my name〜』って(ジャズっぽく)歌って、ジョンと一緒にスキャットも入れたんだ。マルがスコップを持ってて、それで砂を掘ってる姿が今でも思い浮かぶ。そんな感じで賑やかにレコーディングをやっていたんだ。偉大なメドレーとかではないけど、すごくユニークだった」と振り返っている[3]。
リリース
当初「ユー・ノウ・マイ・ネーム」は、プラスティック・オノ・バンドのシングル曲として発売される予定だった。レノンは本作と「ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン」[注釈 1]を発売したいと考え、アップル・コアにこの2曲をプラスティック・オノ・バンドのシングルとして発売するように手配した[10]。レコーディングに参加したブライアン・ジョーンズがプールで溺死してから4か月後にあたる1969年11月26日[11]、レノンは「ユー・ノウ・マイ・ネーム」を編集により、6分8秒もある演奏をシングルに適した4分19秒に短縮した。シングルには「Apples 1002」というカタログ番号が割り当てられ、イギリスでの発売日が1969年12月5日に決定したが、発売日直前に取りやめとなった[10]。
本作は1970年3月にビートルズのシングル盤『レット・イット・ビー』のB面曲として発売されたが、レコードのラベルには「You Know My Name (Look Up My Number)」と誤ったタイトルが記載されていた。なお、イギリスで発売された同シングル盤の溝には、プラスティック・オノ・バンドのシングル盤のカタログ番号がわずかながら確認できる[12]。
本作は1978年に発売されたボックス・セット『ザ・ビートルズ・コレクション』のボーナス・ディスク『レアリティーズ』でアルバム初収録となった[13]。CD作品では1988年に発売された『パスト・マスターズ Vol.2』で初収録となった[14]。
なお、本作は1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に、拡張版ステレオ・ミックスが収録されるまで、モノラル・ミックスしか存在しなかった[15]。
クレジット
- ジョン・レノン - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、スポークン・ボーカル、ギター、マラカス、サウンド・エフェクト
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ピアノ、ベース、ハンドクラップ、サウンド・エフェクト
- ジョージ・ハリスン - リードギター、ヴィブラフォン
- リンゴ・スター - ドラム、ティンバレス、ボンゴ
- ブライアン・ジョーンズ - アルト・サクソフォーン
- マル・エヴァンズ - 効果音
脚注
注釈
出典
- ^ Unterberger, Richie. “You Know My Name (Look Up the Number) - The Beatles | Song Info”. AllMusic. All Media Group. 2019年1月5日閲覧。 “Not that it's at all like "Revolution 9," but it's almost as avant-garde in a way, as a novelty-humor piece that, rather than riffing on one joke too much, becomes a downright weird multi-sectioned orgy of goofiness.”
- ^ Sheff 2000, pp. 204–205.
- ^ a b c d Lewisohn 1988a, p. 15.
- ^ Harry 2000, p. 810.
- ^ Womack 2016, p. 567.
- ^ Lewisohn 1988a, pp. 112, 116.
- ^ a b Lewisohn 1988a, p. 116.
- ^ a b MacDonald 2005, pp. 259–260.
- ^ a b Lewisohn 1988a, p. 175.
- ^ a b Lewisohn 1988a, p. 194.
- ^ Harry 2000, p. 583.
- ^ Lewisohn 1988a, pp. 194, 196.
- ^ Lewisohn 1988a, p. 200.
- ^ Lewisohn 1988b, p. 10.
- ^ Lewisohn 1996, p. 39.
参考文献
- Harry, Bill (2000). The Beatles Encyclopedia: Revised and Updated. London: Virgin Publishing. ISBN 0-7535-0481-2
- Lewisohn, Mark (1988a). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1
- Lewisohn, Mark (1988b). Past Masters, Volume Two (Media notes). The Beatles. London: Apple Records. 90044。
- Lewisohn, Mark (1996). Anthology 2 (booklet). The Beatles. London: Apple Records. 31796。
- MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3
- Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4
- Womack, Kenneth (2016). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. ABC-CLIO. ISBN 1-4408-4427-5
外部リンク
- You Know My Name - The Beatles
「You Know My Name (Look Up the Number)」の例文・使い方・用例・文例
- 部下の者がよく働いてくれる(My men work well, serve me well―と言わずして)
- 大観衆は「オバマ!」と叫び始めましたが,大統領が「My fellow citizens(国民のみなさん)」と最初の3語を言うとすぐに叫ぶのをやめました。
- 閉鎖区域を通る路線の4 番Central行きと11 番Uptown行きの市バスは、月曜から金曜の午前8時から9時と、午後4時から6時の間、改正された時刻表に基づいて運行する。
- 第二次世界大戦中に兵士によってしばしば使われた頭字語:Situation Normal All Fucked Up(状況はいつも通りすべてがめちゃくちゃ)の意味
- VedasとBrahmanasを当てにするMimamsaと対照的にUpanishadsに根づいている6つの正統の哲学体系か観点の1つ
- 例えば,「On Jack Up」は機体がジャッキで持ち上げられて,地面から浮いていることを意味します。
- botherの単純過去系と過去分詞系
- 先行詞がthis,that,these,thoseの場合はwhichを用いるのが普通です。
- ウェストミンスター寺院 《the Abbey ともいう》.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- ビザンチン教会, 東方正教会 《the Orthodox (Eastern) Church の別称》.
- 【文法】 相関接続詞 《both…and; either…or など》.
- 【文法】 相関語 《either と or, the former と the latter など》.
- 名詞相当語句 《たとえば The rich are not always happier than the poor. における the rich, the poor など》.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the corn exchange 穀物取引所.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- 前置詞付きの句, 前置詞句 《in the room, with us など》.
- 相互代名詞 《each other, one another》.
- 世界の屋根 《本来はパミール高原 (the Pamirs); のちにチベット (Tibet) やヒマラヤ山脈 (the Himalayas) もさすようになった》.
- 王立植物園 《the Kew Gardens のこと》.
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