SPORT HYBRID SH-AWD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 00:30 UTC 版)
SPORT HYBRID SH-AWD(スポーツ・ハイブリッド・エスエイチ-エーダブリューディー)は、本田技研工業が開発したフル・ハイブリッドシステムである。
名称のSH-AWDは、Super Handling All-Wheel-Drive(スーパーハンドリング オール-ホイール-ドライブ)の略。
概要
SPORT HYBRID SH-AWDは、燃費性能の追求のみに捉われた従来型のハイブリッド・システムとは異なり、ツインモーターユニット(TMU)に内蔵された2つの電気モーターによるトルクベクタリングがもたらす高い回頭性やコーナーリング性能と燃費性能の両立を目指したシステムである[1]。 モーターを内蔵したデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を変速機に用いたガソリンエンジンと上記モーターおよびTMUを動力源としたハイブリッド・システムであり、エンジンとモーターが並行して駆動するパラレル型のフル・ハイブリッドに分類される。電力は、自動車の制動時や巡航運転時に発生するエネルギーを回生(余剰エネルギーをモーターが発電機となって回収)しバッテリーに充電するため、充電する作業は必要としない。エネルギー補給はガソリンの給油のみである。
同社の従来型トルクベクタリングシステム(ATTS、SH-AWD)はクラッチ[注釈 1]とギアによって左右輪に駆動力を配分していたが、これらをTMUに置き換えることにより加速力のみならず減速力の配分も可能となり、減速旋回時のトルクベクタリングを可能にしている。なお、減速力の制御には制動力制御との協調も行われている。
搭載車種
脚注
注釈
- ^ ATTSは油圧多板式、SH-AWDは電磁式または油圧式
出典
関連項目
外部リンク
- Honda Technology | 四輪駆動ハイブリッドシステム SPORT HYBRID SH-AWD
- ホンダ ニュースリリース |「レジェンド」をフルモデルチェンジし発売 〜3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載〜
SPORT HYBRID SH-AWD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 15:03 UTC 版)
「アキュラ・RLX」の記事における「SPORT HYBRID SH-AWD」の解説
「SPORT HYBRID SH-AWD」はリチウムイオン電池を使用するハイブリッドAWDでトランスミッションにモーターを内蔵した7速DCTが搭載される。DCT内蔵フロントモーターは35 kW/3000 rpm、109 lb-ft/500-2000 rpmを発生。リアには左右2つのモーターが独立して左右後輪を駆動するTMU(Twin Motor Unit)を搭載、プロペラシャフトがないトルクベクタリング4WDを実現している。モーターはそれぞれ27 kW/3600 rpm、54 lb-ft/0-2000 rpmを発生。エンジンと合わせたシステム出力は377 hpとなる。モータートルクはそれぞれダブルピニオン式遊星歯車によって約1/9に減速されてタイヤに伝わる(リングギアに入力されプラネタリーキャリアから出力)。ユニット中央には湿式多板ブレーキとワンウェイクラッチが備わり、通常走行時はワンウェイクラッチ、回生時、後進時は湿式多板ブレーキがリングギアを固定する。120 km/h以上の高速走行ではリングギアがフリーとなり、モーターの回転数超過を防ぐ。リングギアがフリーとなっても、左右リングギアがつながっておりトルクが消し合い定速回転するため、トルクベクタリングが可能。走行モードは6つあり、路面状況によって後輪を駆動する。バッテリーが十分であれば低速時や発進時にはリアモーターのみで走行する。フロントモーターによる補助は急発進時などに行われるが、通常のエンジンドライブモード時には主に発電機として機能する。エンジンはアイドルストップシステムも搭載。EPA推定燃費は28/32/30 mpgとFFモデルに対し総合モードで25%の燃費向上を果たしている。トランクに搭載されるIPU (Intelligent Power Unit) には72セル、1.3 kWh、260 V出力のリチウムイオン二次電池を採用している。
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