SIONシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 07:05 UTC 版)
付録ディスクに収録された描画ライブラリのデモとして使われた一連のシリーズで、IIIは欠番である。初代はX68000版のリアルタイム3DグラフィックパッケージMAGICと、Oh!X標準ドライバとしてADPCMを同期して演奏することを可能にしたOPMDのサンプルとして作成された。ADPCMの発声は、Yコマンドを利用して行う形になっている。作曲者は、西川善司。ゲームは、ワイヤーフレームによって描画された3Dのシューティングゲームとなっている。 SION IIは、MAGIC4並びに、Z-MUSICのサンプルとして収録され、初代と共に、ワイヤーフレームによって描画される3Dシューティングゲームとなっている。SION IIでは、全体の解像度が低く設定されていることもあり、1キャラクタ辺りの頂点数も増え、動作速度も改善された。メインプログラムは浜崎正哉。Z-MUSICは、標準のMMLよりも細かな制御を可能にした内蔵音源、ハードウェアMIDI音源に対応した音源ドライバであり、ゲームのBGMは、CM-64/MT-32、SC-55に対応し、SC-55版ならびに本編サウンドエフェクトは、初代から引き続き西川善司が、MT-32版は高橋哲史、CM-64版は瀧康史、内蔵音源の打ち込みは、進藤慶到が各々担当した。音源ごとに別のデータが作成されたが、CM-64版はオープニングと、エンディング以外は、MT-32と同じになっている。内蔵音源については、データ作成者が作曲を苦手とするため、Iの曲、並びに他の音源に用意された楽曲をコンバートしたものになっているが、サイン波の変調から、音を生成するという構造上、ADPCMを併用した場合でも、MIDI音源よりも貧弱になりがちな内蔵音源でありながら、パーカッションのADPCMへの割り当てや音色パラメータ、打ち込みの技術により、外部MIDI音源に引けをとらない仕上がりとなっており、BGM、ゲーム性共に、当時の市販ゲームに匹敵するとの声もある。システムとしては、シーンごとにBGMを割り当てられるようになっているが、全てのシーンに曲を用意されたのは、MT-32版のみであり、SC-55については、最終ボスキャラクターのBGMが間に合わず、直前のシーンの曲がそのまま使われることになった。 尚、実行に大きな役割を果たすZ-MUSIC1.10とMAGIC4が非対応であるため、そのままでは双方共X68030では動作しない。Z-MUSICは対応版を使用しソースからコンパイルしなおすことと、実行ファイルはユーザーモードへ切り替えているところを削除し、全体をスーパバイザモードで動作するように書き換えたソースコードをアセンブルすることで動作するとしている。 2016年には、HTML5ベースのX68000エミュレータと、高解像度に対応する仕掛けによって動作するSION II HDが公開されている。表示領域の拡大や、VRAMへのアクセスパターンからフォントを推測の上、高解像度ベクトルフォントへ置換するなどの処理により、高精細な画面で動作させることに成功している。 2017年には、SION II 030 for X680x0が公開された。Z-MUSICはバイナリから対応版へのコンバートを行い68030に対応した版を使用し、ゲーム本体に動作させるためのパッチに加え、処理速度に関わる部分の調整などにより、高速な動作環境でもゲーム速度は一定となり表示フレーム数が増える形となっている。 IVはSLASHというポリゴンライブラリのデモとして、ポリゴンによって描画する3Dシューティングとして仕上がっている。プログラムを山田純二。BGMの作曲は高橋哲史、SE等を西川善司が担当している。
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