マックオーエス‐ハイシエラ【macOS High Sierra】
macOS High Sierra
macOS High Sierraとは、Appleが発表したMac向けのOSである。2017年6月に発表された。
macOS High Sierra は、前年6月に発表された「macOS Sierra」の後継バージョンに位置づけられる。特筆すべき点としては、ファイルシステムが「Apple File System」(APFS)に刷新された他、高効率の動画圧縮方式「HEVC」をサポート、外部GPUをリソースとして使える「Metal 2」やVRコンテンツの制作を実現する開発環境の追加などが挙げられる。写真アプリケーションをはじめとする従来の機能にも細かな変更が加えられ、より快適に利用できるように改良されている。

HEVCは「H.265」とも呼ばれる。これまでの動画圧縮方式(H.264)よりもファイルサイズを大幅に(最大40%)圧縮できるため、従来はHDストリーミングでしか再生できなかったコンテンツもネットワーク上での高品質ビデオストリーミングが可能になるという。
macOS High Sierraは2017年6月に、新型iMac Pro、iPad Pro、iOS 11、HomePodなどと共に発表された。
※画像 / Apple Japan
参照リンク
macOS - Apple
Mac OS: | Mac OS X El Capitan Mission Control macOS Sierra macOS High Sierra マックOS マルチファインダ Power Macintosh |
macOS High Sierra
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/30 03:17 UTC 版)
macOS High Sierra | |
---|---|
macOS ファミリー | |
![]() |
|
開発者 | |
Apple | |
ウェブサイト | https://apps.apple.com/jp/app/macos-high-sierra/id1246284741?mt=12 |
一般リリース | 2017年9月26日[1] |
最新の安定版 | 10.13.6 (17G14042) - 2020年11月12日 |
ソースモデル | オープンソースのコンポーネントを用いたクローズドソース |
ライセンス | APSL・ソフトウェア利用許諾契約・秘密保持契約 |
カーネル型 | ハイブリッドカーネル (XNU) |
更新方式 | Mac App Store |
プラットフォーム | x86-64 |
先行品 | macOS Sierra (10.12) |
後続品 | macOS Mojave (10.14) |
サポート状態 | |
終了[2] |
macOS High Sierra(マックオーエス ハイ シエラ)は、Appleが開発したMac向けのオペレーティングシステム(OS)。macOSシリーズの14番目のバージョンである。バージョンナンバーは10.13。macOS Sierraの後継バージョンとして、2017年6月5日(太平洋標準時)に発表され、同年9月26日より無償配布されている[3][4]。セキュリティアップデートは2020年11月12日が最後で、終了している[5]。
概要
2017年6月5日に開催されたWWDC 2017の基調講演で発表され、同日開発者(Apple デベロッパープログラム登録者)へデベロッパープレビュー版が公開された[3]。Apple Beta Software Program対象にもなっていた[6]。
本バージョンでは、macOS Sierra以前まで可能だったRAIDディスクのインストールと起動がインテルVROCに対応したNVMeのRAIDディスクとCore StorageのFusion Driveのみとなった。これについては、Appleは一切アナウンスしていない。
対応環境/システム条件
必要要件は、一つ前のメジャーアップデートであるmacOS Sierraの時と変更がない[7]。
- iMac (Late 2009) 以降
- MacBook (Late 2009) 以降
- MacBook Pro (Mid 2010) 以降
- MacBook Air (Late 2010) 以降
- Mac mini (Mid 2010) 以降
- Mac Pro (Mid 2010) 以降
特徴
これまでのmacOS同様に、The Open Groupに正式に認定されたUNIXである[8]。
多数の書体が付属する[9]。
新機能
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
- Apple File System (APFS)
- APFS(Apple File System)は、2016年6月13日に開催されたWWDC 2016の基礎講演にて発表され、2017年1月24日より配信されたiOS 10.3で初めてiOSに使用されたHFS+後継のファイルシステムである。ただし初期リリースではFusion Driveやハードディスクがサポートされない等、完成に到らなかったため、オールフラッシュストレージのMac以外では、HFS+が引き続き利用されることになった[10][11]。10.13.6(17G65)より後にリリースされた、MacBook Pro (2018)専用のHigh Sierraでは、外部HDDでもシステムディスクとして使う場合にAPFSが必須となっている。
- H.265 (HEVC)
先代のH.264/MPEG-4 AVCよりも優れた圧縮効率を持ち、4K動画にも対応したH.265動画圧縮規格に対応し、対応GPUでの高速エンコードができる[要出典]。
- HEIF
- 静止画像ファイル規格として、High Efficiency Image File Format (HEIF) にも対応。
- Metal 2
- Metalよりも高効率になり、外付けGPUの利用やGPUを利用した機械学習にも対応する[12]。
- Core ML
- 機械学習(Machine Learning)のフレームワークが整理された[13]。
- Virtual Reality
- 高機能なGPUとHTC Vive VRヘッドセットの組み合わせでバーチャルリアリティを実現する[14]。
- 改良された二言語入力
- 日本語と英語の組み合わせで、入力言語を切り替える必要がなくなる。
- サードパーティ製のNVMe SSDのサポート
- Sierraまでは純正のNVMe SSDのみのサポートだったが、High Sierraにてサードパーティ製のNVMe SSDがサポートされ、NVMe対応のM.2 SSDがディスクとして認識されるようになった。
インテルVROCのサポート
複数のNVMe SSDをRAID構成してHigh Sierraのインストールと起動が可能。現時点ではApple T2チップ搭載のiMac Proのみ対応。
- EFICheck
- 改竄を防ぐため、週に一回EFIの整合性が自動確認される[15]。
廃止された機能
- インテルVROC非対応のRAIDディスクでのインストールとOS起動
- RAIDディスクへのインストールとOS起動には、インテルVROC対応か、Core StrageのFusion Driveである必要がある。前者はファイルフォーマットがAPFSに、後者はHFS+になる。なおOSインストール目的以外でのRAID構成は従来通り可能。
FTP
telnet
OpenSSL
Boot Camp
macOS High Sierraは、Boot Camp経由でWindows 7およびWindows 8.1が使用できる最後のmacOSとなった[18][19]。次のmacOSであるmacOS MojaveではWindows 10のみが使用可能とされた[20]。
脆弱性
2017年11月、macOS High Sierra 10.13.1においてセキュリティに関する脆弱性が発見され[21]、JPCERT/CCが注意を促す文書を公表した[22]。ユーザ側の設定によって、管理者アカウントである「root」という名前のユーザをパスワードなしで使用できる問題が挙げられており、第三者がログインできる危険性が指摘され[22]、Appleは即日修正し[23]、サポート文書を公開した[24]
バージョン履歴
脚注
出典
- ^ Jake Smith (2017年9月13日). “アップル、次期macOS「High Sierra」を9月26日にリリースへ”. Cnet (ASAHI INTERACTIVE, Inc) 2017年9月19日閲覧。
- ^ macOS およびSafariのセキュリティアップデート公開, 京都大学情報環境機構(2021年9月15日), 最終閲覧:2021年9月23日
- ^ a b 若杉紀彦 (2017年6月6日). “Apple、VR対応の次期macOS「High Sierra」を今秋提供”. PC Watch (インプレス) 2017年6月6日閲覧。
- ^ “macOS High Sierra”. Mac App Store (2018年7月12日). 2025年5月17日閲覧。
- ^ “Apple セキュリティアップデート”. Apple Support. 2025年5月17日閲覧。
- ^ Apple Beta Software Program
- ^ Andrew Cunningham (2017年6月5日). “Anything that can run macOS Sierra can also run macOS High Sierra”. Ars Technica. 2017年6月6日閲覧。
- ^ Apple Inc. - UNIX 03
- ^ macOS High Sierra に組み込まれているフォント
- ^ “macOS High Sierra のベータ版をインストールした場合は、Mac の Fusion Drive が Apple File System に変換されている可能性があります。この構成は macOS High Sierra の初期リリースではサポートされない”
- ^ “Mac の内蔵ソリッドステートドライブ (SSD) に macOS High Sierra をインストールした場合、そのドライブは自動的に APFS に変換されます。Fusion Drive とハードディスクドライブ (HDD) は変換されません。”
- ^ Metal 2 - Accelerating graphics and much more.
- ^ Core ML - Integrate machine learning models into your app.
- ^ ASCII. “VIVEがついにアップルで! WWDC2017でVIVE×MacのVR開発についてデモ”. ASCII.jp. 2025年5月30日閲覧。
- ^ “High Sierra automatically checks EFI firmware each week” (英語). The Eclectic Light Company. (2017年9月24日) 2018年8月17日閲覧。
- ^ a b Fan編集部, Mac『Mac Fan 2017年12月号』マイナビ出版、2017年10月28日 。「ターミナルにおいて廃止されたコマンドがあります。大きなものとして「telnet」と「ftp」コマンドがあり、今後は「ssh」「sftp」など後継となる業界標準コマンドを使用することが推奨されています。」
- ^ Lynch, Vincent (2017年6月12日). “Crypto and SSL Improvements in High Sierra and iOS 11” (英語). Hashed Out by The SSL Store™. 2022年11月2日閲覧。
- ^ Boot Camp を使って Mac に Windows 7 をインストールする MacOS High Sierra
- ^ macOS の Boot Camp で Windows をインストールするためのシステム条件
- ^ macOS の Boot Camp で Windows をインストールするためのシステム条件 macOS Mojave
- ^ “パスワード不要、macOS High Sierraに管理者権限でログイン可能?”. ITmedia エンタープライズ. ITmedia. (2017年11月29日) 2017年11月29日閲覧。
- ^ a b “macOS High Sierra の設定に関する注意喚起”. 公開資料. JPCERT/CC. (2017年11月29日) 2017年11月29日閲覧。
- ^ セキュリティアップデート 2017-001 のセキュリティコンテンツについて
- ^ “Macでルートユーザを有効にする方法やルートパスワードを変更する方法”. Apple サポート. Apple. (2017年11月29日) 2017年11月29日閲覧。
外部リンク
- macOS High Sierra にアップグレードする方法
- macOS High Sierra - Mac App Store
- MacOS_High_Sierraのページへのリンク