VoiceOver
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 16:16 UTC 版)
開発元 | Apple |
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最新版 |
4.0 (242.7) / 2011年7月20日
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対応OS | macOS, iOS |
種別 | スクリーンリーダー |
ライセンス | バンドル |
公式サイト | https://www.apple.com/jp/ accessibility/mac/vision/ |
VoiceOverとはAppleのmacOS、iOS、iPodに内蔵されているスクリーンリーダーである。VoiceOverを使うことでユーザーは音声説明でMacやiOSデバイスを使用することができる。Macの場合はキーボードでのタイプを読み上げる。この機能はディスレクシアなど盲目、弱視のユーザー向けである。
macOS
VoiceOverが最初に搭載されたのがMac OS X v10.4で視覚障害(特に失明)が原因で読むのが困難なユーザーに向けた機能だった。Mac OS X v10.3にて「Spoken Interface Preview」という名でプレビュー版がリリースされた。
ユーザーインターフェイスは種類のあるキーストロークでナビゲートする階層的な要素で構成されている。対話する要素もあり例として、テキストボックスにおいてテキストを読み上げるだけでなく可能な場合編集もする。スクロールバーではキーボードを使っての移動もできる。
また、盲目や難聴者が使用する多くの点字ディスプレイをサポートしている。加えて、マウスが使えないユーザーのためにキーボードナビゲーション機能もある。
MacBookやMagic Trackpadユーザー向けにいくつかの特別なマルチタッチ機能もある。iOS版VoiceOverのバージョンによってトラックパッドのジェスチャーに反応する。例の一つとして、トラックパッドを使用する時スクリーン上で実際の視覚的レイアウトを探っており、トラックパッド上で指をスライドさせると要素が作動する。
Mac OS X v10.5では話し方の質を向上し、より人間の声に近づけた「Alex」ボイスが追加された。かつて声は1990年代初めにアップルが出していた「Speech Manager」から直接取り出していた。
Mac OS X LionではVoiceOver向けにNuanceのRealSpeakボイスをダウンロードできるようになった。
iPod shuffle
Macでの成功後、アップルはiPod shuffleにもVoiceOverに対応させ、曲の再生時にタイトルを読み出せることが可能になった[1]。iPod shuffleの2010年バージョンではVoiceOverでプレイリスト名も読み出せるようになった[2]。MacでのVoiceOverがアクセシビリティとしての機能であるのに対し、iPod shuffleのVoiceOverは全てのユーザーに向けた機能になっている。
iOS
iPhone 3GS発売から数カ月後、VoiceOverはiOSにも対応した。iPod touchがiPhone 3GS(第3世代iPod touch)相当にアップグレードされた時にVoiceOver機能が付けられた。iPadでは発売当初から搭載されている。
iOSでのVoiceOverではディスプレイ上で一本指や複数の指で作る違う動きで成り立つ数種類のジェスチャーで対話する。多くのジェスチャーはロケーションセンシティブであり例としてスクリーンにおいて一本指でスライドするとスクリーン上で指が通った所のビジュアルコンテンツを音声で示す。視覚障害のユーザーはアプリケーションにおける実際のスクリーン上レイアウトを探ることができる。ここでのダブルタップはマウスのダブルクリックに相当し、目が見えるユーザーが項目をタップした時と同様に選択した項目を実行する[3]。
VoiceOverはまたスクリーンを見えなくすることができるが、タッチするためのタッチスクリーンの感知は残り、バッテリー消費は抑えられる。アップルではこの機能を「スクリーンカーテン」と呼んでおり、macOSが動くMacにもこの機能はある。
iOSでのVoiceOverは設定アプリケーションにおける一般セクションの中にあるアクセシビリティセクションでオンにする。
iPod nano
2009年9月、iPod Nano系機器でもVoiceOver機能が付けられた。iOSバージョンと同じジェスチャーの多くが有効である。
脚注
- ^ 広田稔 (2009年3月14日). “iPod shuffleは「虎舞竜」をしゃべれるか!?”. ASCII.jp. 2012年9月16日閲覧。
- ^ “iPod shuffle (4th generation):VoiceOver を有効にして使用する”. Apple Inc.. 2012年9月16日閲覧。
- ^ “iPhone 3GSで利用可能なVoiceOverの解説ページ”. 快技庵. 2012年9月16日閲覧。
外部リンク
ボイスオーバー
(VoiceOver から転送)
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ナビゲーションに移動 検索に移動ボイスオーバー(voice-over、V.O.、VO)とは、映画やテレビなどにおいて、画面に現れない話者の声、ナレーター(語り手による叙述など)を用いる表現手法である。「ヴォイス・オーヴァー」の表記もしばしば映画学の文献などで用いられる。
翻訳音声におけるボイスオーバー
翻訳音声において、原語の音声を小音量で残しつつ、翻訳された音声をボイスオーバーで重ねる手法がある。これは本人による発話を模す吹き替えとは異なり、リップシンクでなかったり、同一担当者が複数人物の音声を担当したり、場合や風習によっては原語と性別が異なることも許容される[1][2]。日本やアメリカではニュースやドキュメンタリーでのインタビュー場面など情報を伝える目的で用いられる手法であるが、ロシアやポーランド、バルト国、バルカン半島の国々においては映画の翻訳でも用いられる[3]。ポーランドでのボイスオーバー声優は特にlektorと呼ばれ演技はせず全編を単独担当する[4]。
現在、海外ドラマや外国映画の日本語版音声では吹き替えが使われるのが一般的だが、1950年代に始まった海外ドラマ放送の黎明期では日本語吹き替えではなく、原語音声を流しながら解説のような形で日本語をかぶせるボイスオーバーの手法も使われていた。しかし原語音声のために日本語音声が聞き取りづらくなる弊害のため、すぐに日本語だけの吹き替えになった[5]。その後はボイスオーバーは、ニュースやドキュメンタリーで使われることがほとんどだが、2003年公開の映画『ラスト サムライ』DVD版の日本語吹き替え音声のように例外的にボイスオーバー形式が採用されるものもある。
出典
- ^ Jessica Rietveld (2008) 'The Mind of a Subtitler: Translation Strategies Employed in Subtitling Crime and Comedy'.
- ^ Amir Hassanpour. “The Museum of Broadcast Communications - Encyclopedia of Television - Voice-Over”. 放送通信博物館. 2014年5月20日閲覧。
- ^ Jorge Díaz Cintas, Gunilla Anderman, ed (2009). Audiovisual Translation: Language Transfer on Screen. パルグレイブ・マクミラン. ISBN 978-0-230-01996-6
- ^ Aaron O. Patrick (2007年10月12日). “On Polish TV, Desperate Wives Sound Like Guys: Voice-Over Artists Strive To Keep Dialogue Flat; The Horror of Emoting”. ウォール・ストリート・ジャーナル. 2014年5月20日閲覧。
- ^ 阿部邦雄編著『TV洋画の人気者 声のスターのすべて』近代映画社、1979年、p.261。声優の中村正のインタビューでの証言。
関連項目
VoiceOver(ボイスオーバー)
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「iPod」の記事における「VoiceOver(ボイスオーバー)」の解説
再生している楽曲を合成音声で読み上げる機能。iPod shuffleとiPod nanoに搭載。液晶を持たないiPod shuffleを除くiPodは、音楽再生機能に加えて簡易なPDA的な機能を備えていて、PDAの初心者には便利である。最新のiPod touch 64GBを例にとって見ると、
※この「VoiceOver(ボイスオーバー)」の解説は、「iPod」の解説の一部です。
「VoiceOver(ボイスオーバー)」を含む「iPod」の記事については、「iPod」の概要を参照ください。
「voice over」の例文・使い方・用例・文例
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