macOS Serverとは? わかりやすく解説

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macOS Server

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/26 04:27 UTC 版)

macOS Server
(OS X Server / Mac OS X Server)
開発者 Apple
OSの系統 macOS
開発状況 終了
ソースモデル クローズドソース(基盤となるDarwinオープンソース
最新安定版 5.12.2 / 2022年4月21日 (2年前) (2022-04-21)[1]
カーネル種別 ハイブリッドカーネル (XNU)
ライセンス APSL, EULA
ウェブサイト https://www.apple.com/jp/macos/server/
テンプレートを表示

macOS Server(マックオーエス サーバ)、OS X Server(オーエス テン サーバ)は、macOSへのアドオンアプリケーションであった。Mac OS X Server(マック オーエス テン サーバ)は、Appleが開発・販売する、単体のMacサーバオペレーティングシステム (OS) であった。2022年4月21日、macOS Serverの提供が終了し、macOS Serverの新規購入・ダウンロードが出来なくなった。元からmacOS Serverを利用していた場合は、macOS Montereyにてアプリのダウンロードと利用ができる。

概要

macOS Serverは、macOSと同じ機能を持ち、さらにDNS (BIND)、POP3IMAP(Dovecot)、SMTP(Postfix)、Mailing List (Mailman)、World Wide WebWikiBlogSquirrelMailRoundCube)、iChatiCalSMB(Samba)、AFPNFSDHCPKerberos(Heimdal)、VPN(IPsec)、RADIUSOpen DirectoryNetBootOpenSSLQuickTime Streaming Server、Podcast プロデューサー、WebObjectsなど、多様かつ高度なサーバとしての機能とGUIによるリモートサーバ管理ツール(サーバ管理、ワークグループマネージャ、サーバアシスタント、Xgrid Adminなど)を合わせ持つ、Snow Leopard Server (Mac OS X Server 10.6) までは別製品のサーバ向けオペレーティングシステムであった。

2018年9月にリリースされたSever.app 5.7.1からは、プロファイルマネージャに特化している[2]

沿革

2022年4月21日、提供終了が発表された[3]

既にダウンロードしているユーザーはこれからも利用出来るが、新規インストールは出来ない。

特徴

最初に発売されたMac OS X Server 1.x系統と現在のMac OS X v10.xをベースとしたMac OS X Server v10.x系統は、GUIのみならずカーネルそのものやAPIの違いにより基本的に互換性のない別のシステムである。

Mac OS X Server 1.0

  • 1999年夏 - 最初のバージョン (Mac OS X Server 1.0) が発売された。

Mac OS X Server 10.0

  • 2001年3月 - Mac OS X Server v10.0が発売された。

Mac OS X Server 10.1

  • 2001年9月 - Mac OS X Server v10.1が発売された[4]

Mac OS X Server 10.2

  • 2002年7月18日発表[5]
  • 2002年8月24日 - Mac OS X Server v10.2 (Jaguar Server) が発売された。
    • Open Directoryが初めて実装された。
    • サーバ管理、ワークグループマネージャ、サーバモニタ、ネットワークイメージユーティリティ、Macintosh Manager[6]等がツールとして付属。
    • Mac OS X Server v10.2系列の最終バージョンは、10.2.8であり、セキュリティアップデートは2005年1月で終了している。

Mac OS X Server 10.3

  • 2003年10月 - Mac OS X Server v10.3 (Panther Server) が発売された[7]
    • Mac OS X Server v10.3系列の最終バージョンは、10.3.9であり、セキュリティアップデートは2007年11月で終了している。

Mac OS X Server 10.4

  • 2005年4月 - Mac OS X Server v10.4 (Tiger Server) が発売された[8]
  • 2006年8月 - Universal Binary版 Mac OS X Server v10.4.7が発売された。
    • Mac OS X Server v10.4系列の最終バージョンは、10.4.11(2007年11月14日にリリース)である。
    • 2009年9月のSecurity Update 2009-005にて、セキュリティアップデートは終了した。

Mac OS X Server 10.5

  • 2007年10月26日 - UNIX®サーバオペレーティングシステム、Mac OS X Server v10.5 Leopard(Universal Binary版)が発売された[9]
    • NEXTSTEPから引き継がれてきたディレクトリサービスのNetInfoは完全に排除され、Open DirectoryとdsLocalに置き換わった。
    • Mac OS X Server v10.5系列の最終バージョンは、10.5.8 v1.1(build 9L34)、2009年8月31日にリリースされたものである[10]。2009年8月5日にリリースされた10.5.8 (build 9L30) での問題点が修正されている。
    • 2011年6月のセキュリティアップデート 2011-004[11][12]にて、セキュリティアップデートは終了している。

Mac OS X Server 10.6

  • 2009年6月のWWDCにてSnow Leopard Serverが2009年9月にリリースされる予定と発表された。
  • 2009年8月24日、Unilimitedクライアント版が¥53,800にて、同年8月28日より発売されると発表された[13]
    • Mac OS X Server v10.6系列の最新バージョンは、10.6.8 v1.1 (build 10K549)、2011年7月25日にリリースされたものである2011年6月23日にリリースされた10.6.8 (build 10K540) での問題点が修正されている[14][15]

Lion Server 10.7 (1.0)

  • Lion Server 10.7[16]は、2011年6月のWWDC当日、Lion Serverが2011年7月にMac App Storeにてリリースされる予定と発表、同年7月20日に発売された。
  • Mac OS X Server v10.7系列の最新バージョンは、10.7.3 (build 11D50b)、2012年2月3日にリリースされたものである[17][18][19]
  • Server Admin Tools(サーバ管理ツール)はオプションとされ、別途ダウンロードが必要となった。

OS X Server 2.0

OS X Server 3.0

  • OS X Mavericksと同時に2013年10月にMac App Storeでリリースされた。Server 3.0単体アプリケーションである[21]Workgroup Manager 10.9[22]を別途ダウンロードすることで利用できる。

OS X Server 4.0

  • OS X Yosemiteと同時に2014年10月17日にMac App Storeでリリースされた。Workgroup Manager廃止。

OS X Server 5.0.3

5.0.4

  • 2015年9月21日リリース。

5.0.15

  • 2015年10月21日リリース。

OS X Server 5.1

  • 2016年3月22日にリリースされた。

5.1.5

  • 2016年5月16日リリース。

5.1.7

  • 2016年7月18日リリース。

macOS Server 5.2

  • 2016年9月21日にリリースされた。OS X El CapitanもしくはmacOS Sierraで動作する。

macOS Server 5.3

  • 2017年3月28日にリリースされた。macOS Sierraで動作する。

macOS Server 5.4

  • 2017年9月26日にリリースされた。macOS SierraもしくはmacOS High Sierraで動作する。APFSボリューム、macOS High Sierra、iOS 11、tvOS 11に対応。

macOS Server 5.5

  • 2018年1月24日にリリースされた。macOS High Sierraで動作する。

macOS Server 5.6

  • 2018年3月30日にリリースされた。macOS High Sierraで動作する。Open Directory、プロファイルマネージャ、Xsan管理以外のオープンソースサービス管理機能が2018年秋に廃止との予告が表示される。

5.6.1

  • 2018年4月16日リリース。プロファイルマネージャの機能が、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応した[23]

5.6.3

  • 2018年9月17日リリース。

macOS Server 5.7.1

  • 2018年9月29日にリリースされた。macOS Mojaveで動作する。予告通り、プロファイルマネージャに特化し、Open DirectoryとXsan管理以外、他の機能やサービスは削除された[2]

macOS Server 5.8

  • 2019年3月26日にリリースされた。macOS Mojaveで動作する。プロファイルマネージャの機能が、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応した[23]

macOS Server 5.9

  • 2019年10月8日にリリースされた。macOS Catalinaで動作する。プロファイルマネージャの機能が、追加・変更された、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応した[23]

macOS Server 5.10

  • 2020年4月1日にリリースされた。macOS Catalinaで動作する。プロファイルマネージャの機能が、追加・変更された、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応した[23]

macOS Server 5.11

  • 2020年12月14日にリリースされた。macOS Big Surで動作する。プロファイルマネージャの機能が、追加・変更された、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応した[23]

macOS Server 5.12

  • 2021年12月8日にリリースされた。macOS Montereyで動作する。プロファイルマネージャの機能が、追加・変更された、新しい制限、ペイロード、コマンドに対応し、GUIでのXsanの管理機能が削除されコマンドラインのみとなった[23]
  • 2022年4月21日、5.12.2として最終リリース[3]。macOS Montereyより後のバージョンでは動作しない[24]

仕様

主要なアプリケーション

2018年秋に廃止された機能については、macOS Server 5.7.1 における変更点参照

  • プロファイルマネージャ
  • OpenDirectory
  • Xsan (macOS Server 5.11まで、macOSへ統合)
  • キャッシュサーバ (macOS Server 5.6.3まで)
  • TimeMachine Server (macOS Server 5.3まで)
  • ファイル共有 (macOS Server 5.3まで、macOSへ統合)
  • プッシュ通知 (macOS Server 5.6.3まで)
  • Wiki Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • Calendar Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • Contacts Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • DHCP (macOS Server 5.6.3まで)
  • DNS (macOS Server 5.6.3まで)
  • Mail Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • Message Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • NetInstall (macOS Server 5.6.3まで)
  • Software Update Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • VPN Server (macOS Server 5.6.3まで)
  • Xcode Server (macOS Server 5.3まで)

脚注

出典

  1. ^ macOS Server を Mac App Store で”. Apple. 2015年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月22日閲覧。
  2. ^ a b “macOS Server 5.7.1 における変更点” (日本語). Apple Support. https://support.apple.com/ja-jp/101601 2019年7月30日閲覧。 
  3. ^ a b About macOS Server 5.7.1 and later” (英語). Apple Support. 2022年4月22日閲覧。 “As of April 21, 2022, Apple has discontinued macOS Server.”
  4. ^ Mac OS X Server バージョン10.1アップデートを発表”. Apple Newsroom (日本). 2022年4月22日閲覧。
  5. ^ アップル、世界で最も管理の容易なサーバソフトウェア、Mac OS X Server v10.2を発表
  6. ^ Macintosh Manager 2.0.1: who exactly can use it?” (英語). CNET. 2025年2月26日閲覧。
  7. ^ アップル、Mac OS X Server "Panther"を発表”. Apple Newsroom (日本). 2022年4月22日閲覧。
  8. ^ アップル、Mac OS X Server "Tiger"を発表”. Apple Newsroom (日本). 2022年4月22日閲覧。
  9. ^ アップル、Mac OS X Server Leopardを発表
  10. ^ Mac OS X Server 10.5.8 Update v1.1
  11. ^ Mac OS X v10.6.8 のセキュリティコンテンツおよびセキュリティアップデート 2011-004 について
  12. ^ セキュリティアップデート 2011-004 (Leopard サーバシステム用)
  13. ^ Mac OS X 10.6 Snow Leopard Server Unlimited クライアント
  14. ^ Mac OS X Server v10.6.8 アップデートについて
  15. ^ Mac OS X Server v10.6.8 統合アップデート
  16. ^ アップル - Lion Server - みんなのサーバ。
  17. ^ Lion Server v10.7.3 アップデートについて
  18. ^ OS X Lion v10.7.3 およびセキュリティアップデート 2012-001 のセキュリティコンテンツについて
  19. ^ サーバ管理ツール 10.7.3 について
  20. ^ ワークグループマネージャ 10.8
  21. ^ アップル - Macはあっという パワーフルなサーバになります。
  22. ^ Workgroup Manager 10.9
  23. ^ a b c d e f macOS Server の新機能”. Apple Support. 2019年12月3日閲覧。
  24. ^ macOS Server”. Apple. 2022年4月21日閲覧。 “macOS Serverは提供を終了したため、macOS MontereyよりあとのバージョンのmacOSと互換性がありません。”

関連項目

外部リンク




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